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第三章 大学受験 #01些細なしあわせ

高2が一番楽しいよ、とさんざん言われていたので、高3になるのが惜しい気がした。あっという間に高2が終わってしまったな。いよいよ受験生。勉強もバイトも恋もがんばるぞ!と妙に意気込んでいた。一瞬のしあわせが欲しくて、コロコロと好きな人は変わって、常に誰かにきゅんとする日々。名前を呼ばれた、おはようって言ってくれた、誕生日おめでとうメールがきた、目が合った、新しいセーターの色を褒められた、そんな些細なことが嬉しかった。

受験生になって、マーチングバンドはしばらくお休みすることになった。勉強に専念してくださいとのこと。相変わらずバイトは続けていた。練習がなくなった分、バイトに入れる日も増えた。勉強に支障がないようにしないといけない。今までは土日に練習があったから、平日しかバイトに入れなかったのだけど、これで土日も入れる、と思うと少しうれしかった。今のうちに稼ごう。


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