第四章新しい出会い #07電話っていい

高田さんとは週に一回くらいメールをするようになった。たまに電話もした。もともと電話は得意じゃない。そもそも人と話すのがそんなに得意ではないし、顔が見えないときちんと言葉で伝えなきゃいけないから緊張が増す。あと、相手が電話に出るまでの発信音を聞いている時に緊張は最高潮に達する。出ちゃったらどうしよう!と自分からかけているのに思ってしまう。でも、高田さんと話しているとあっという間に時間が過ぎていくし、また話したいって思う。だけど、好きにならないようにしていた。だって、好きになってしまうと、これが完全に私の片想いってことを思い知らされた時に受けるショックが大きいからだ。付き合うなんて絶対無理だと思うけど、付き合えなくてもいいからこれからも連絡を取るくらいの仲でいたいと思った。もしも想いを伝えて、会えなくなったらと思うと想いを伝えようとは思わなかった。

5月に入り、しばらく高田さんから連絡が来ない日が続いた。こちらから連絡することはなく、たいてい高田さんから連絡が来るのを待つようにした。こっちが好きなのをバレないように。でも、あまり連絡が来ないと、あぁついに飽きられたか、と悲しくなった。そういえば前回のメールで「たまには、さとやんからも連絡ちょうだいよ。」と言われて「分かりました〜。」と返したことを思い出した。これって私から連絡来るのを待ってるってことかな。うーん、、、しばらく考えて勇気を出して連絡してみることにした。するとすぐに返信が来た。「さとやんから連絡来るなんてめずらしいね。嬉しいよ〜!」やばい、心臓痛い。キュンとするとは、こういうことなのかとこの時初めて思ったかもしれない。連絡してみて良かった。こうやって継続的に連絡を取ってると、それだけじゃ物足りないというか、会いたいなという気持ちになってくる。人間の欲、恐るべし。まぁ、自分から誘うなんて出来ないんだけど。

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