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第四章新しい出会い #05ようやくの出会い

新しい出会いを心の中では求めていた。でも現実は違う、、どこか諦めていた。だけど、このまま毎日一人さみしくお昼ご飯を食べるのは嫌だ。心の中で一人葛藤していた。予備校は朝から夜まで一日中いることが多い。だから、お昼ご飯は予備校で食べるか外で食べるかなのだが、外で食べるとお金がかかってしょうがないので、だいたいお弁当を持参するか、コンビニで買って予備校内にある食事ルームで食べる。食事ルームは、予備校内でただ一部屋だけ、飲食とおしゃべりが許される部屋だ。後から知ったのだが、この部屋にはカメラがついていて、あんまりうるさくしすぎるとスピーカーから「うるさいぞ!」という声がする。先生が見ているらしい。私たちも一度、注意されたことがある。

そう、注意されたことがあるということは、私にも友達ができた。昼ごはんを食べている時に声をかけてくれた子がいて、そこからどんどん輪が広がって仲良くなった。女の子が2人と男の子が6人。同じ授業を受けたりもしていたので、すぐに仲良くなった。浪人生は男子の方が多いらしい。うちの予備校だけかな。女子は、マッツンとイクちゃん。マッツンは美人でサバサバしてて話していて楽しい。イクちゃんは、ほんわか癒し系で優しい。男子は、ユウちゃん、タケちゃん、リョーヤン、タクピー、ドイちゃん、カジヌマさん。ユウちゃんは、いわゆるチャラ男でみんなのムードメーカー、実は一番年上で医大を目指している。同じく医大を目指してるのがタクピーで、趣味でヒューマンビートボックスをやっている。私がヒューマンビートボックスの存在を初めて知ったのはタクピーからだ。リョーヤンは、帰国子女で英語が得意、クールだけど優しい。ドイちゃんは元気で明るくて頑張り屋って感じ。カジヌマさんは、不思議なオーラを放ってて最初話づらかったんだけど、すごく面白いし頭いいし優しい。友達の存在は大きい。みんなと仲良くなってから、外にお昼食べに行ったり、休憩時間永遠にしゃべってたり、勉強ももちろん頑張れた。ただただ勉強するだけってかなりツラいけど、合間に話せる相手がいるだけでやる気が全然違う。まぁ、話が盛り上がりすぎてマイクで怒られたこともあったけど(笑)、そういう時は外に行って大通りにあるベンチでしゃべったりした。

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