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これが無料!?元ファンドマネージャーがおすすめファンドを公表します!

こんにちは、ムササビ親分です。

今回の記事は「Twitter777人突破特別企画」の第二弾です。

さっそくですが、お題はこちら!

ねこまにあさん、どストライクなネタをありがとうございます😊

ただこれ、どストライク過ぎて下手なファンドを紹介したら信用が駄々下がりするやつやん!www

ハッキリ言いましょう。
私より投資信託のことを正確に評価できる人はそうはいません。

今回は777祭りなので、そんな私の知識を大開放していきたいと思います。

ありがたいことに、第一弾のリリースをきっかけに20人くらいフォロワーが増えたので、やる気満々、ハードル上げまくってリクエストに応えましょう!

◆おすすめの定義

まず、勘違いしてほしくないので最初に断っておきます。

私がおすすめするファンドの条件はたった一つ、「唯一無二の投資商品であること」です。

逆に言うと、これさえ満たしていれば全て“おすすめ”となります。

それだけだと分かりづらいと思うので、ファンドが唯一無二である主な条件を3つほど挙げてみましょう。

①上位互換のファンドが存在しないこと。
②投資信託ならではの投資機会を提供していること。
③プロならではのポートフォリオを提供していること。

まず①について。同じような銘柄、同じような値動きのファンドは、基本的に信託報酬が最安のファンド以外は全て除外します。

インデックスファンドが典型例であるものの、アクティブファンドでも乱立するゆるきゃらやアイドルグループのように、何が違うのかよく分からないファンドは多数存在します。

これは完全なるドタ勘ですが、6,000本以上あるファンドの内、①をクリアできるファンドは500本にも満たないんじゃないかと思っています。

続いて②について。「投資信託ならではの投資機会」の具体例としては個人投資家が投資するにはハードルが高い債券や新興国資産などの資産、為替ヘッジやレバレッジなどのスキームが挙げられます。

これらを満たすファンドは信託報酬が高い傾向にありますが、①を満たしているなら、それ以上に良い選択肢がないということですから、高い信託報酬を支払うだけの価値が十分にあると言えるでしょう。

最後に③について。これはアクティブファンドのみに当てはまりますが、基本的にインデックスファンドに毛が生えたようなファンドは除外し、オリジナリティ溢れるポートフォリオのファンドを高く評価します。

あくまで経験則ですが、インデックスをベンチマークあるいは参考とする多くのファンドがインデックスファンドに対してコスト(信託報酬)の差をひっくり返せません。このようなファンドはインデックスファンドに対して「勝ったり負けたり」ではなく「少しづつ負けていく」ため、使い所がないと言わざるを得ないでしょう。

以上が、私がおすすめするファンドの主な条件です。つまり、①と②、①と③、もしくは①~③を満たしているファンドは、儲けるための高品質な武器となります。これらを使っても儲けられないなら、悪いのは武器を使う人間の方だと言わざるを得ません。

そう、私は長期的な投資環境を踏まえた上で個人個人の考え方や属性に合わせられるよう様々な武器をおすすめしますが、「これ一つあればどんな人でも、あらゆる投資環境を乗り越えられる!」みたいな万能武器はおすすめしません。そもそも、そんな武器はこの世にはなく、詐欺店舗でしか取り扱っていないからです。

それを十分に理解した上でこの先を読んでもらいたいと思います。

それでは、今回は関心の高い人が多いであろう「日本株式」に投資するファンドのなかで、特に私がおすすめするファンドを紹介したいと思います。

プロの間でも「日本株式市場はオワコン」と結構言われている中で、果たして私がおすすめできるファンドはあるのか?

そこのところも含めて解説していきましょう。

◆日本株式ファンドおすすめ3選

まず、日本株式ファンドについてですが、これは日本株式市場に対する私の長期的な見方が大前提となります。

前述でも触れたとおり、そもそも日本は世界トップレベルの人口減少国であることから、私も日本株式市場全体(例えばTOPIX)に投資することをおすすめしていません。

このため、日本株式ファンドに高いリターンを期待するなら、人口動態の影響が小さい小型株式、海外売上高比率が高い銘柄、ヘルスケア等少子高齢化が追い風となる銘柄など、構造的に高成長が期待できる銘柄に厳選して投資するファンドを選ぶ必要があると考えます。

これを踏まえた上で、今回は次の3つのファンドを紹介したいと思います。(カッコ内は運用会社)

・中小型成長株オープン(岡三アセットマネジメント)
・厳選ジャパン(アセットマネジメントOne)
・ノーロード明治安田日本株式アクティブ(明治安田アセットマネジメント)

率直に、今回の調査では「海外売上高比率が高い銘柄」や「ヘルスケア等少子高齢化が追い風となる銘柄」を中心に投資していて、かつ、何らかの優位性を持ったファンドを見つけることができませんでした。このため、紹介するのは小型株ファンドが中心となります。

まずは、全体感を把握するためにモーニングスター社HPで確認できるファンド比較を見てみましょう。参考として、TOPIXファンド(MAXIS トピックス上場投信)と先進国株式ファンド(ニッセイ 外国株式インデックスファンド)も追加しています。

モーニングスター比較

注目ポイントを赤枠で囲っておきましたが、こちらについてはこの後、各ファンドごとにコメントしていきます。

ちなみに、参考ファンドの選定条件は以下の2つです。

・おすすめファンドの中で最も運用実績が長い「中小型成長株オープン」よりも運用実績が長いこと。
・同指数のインデックスファンドの中で手数料が最安であること。

本来なら、“ザ・スタンダード”である世界株式ファンドと比較したかったのですが、どれも運用実績が足りないので先進国株式で代用しました。ちなみに、足元10年間は総じて世界株式より先進国株式の方が優位なマーケットであったことを付け加えておきます。

◆中小型成長株オープン

最初紹介したいのは、「中小型成長株オープン」です。
早速ファンドの特色を確認してみましょう。

※交付目論見書から抜粋

ファンドの特色(中小型成長株)

特に変わった点はないと言えるでしょう。一般的な中小型株ファンドと大差ない特色です。

続いて、運用プロセスです。

※交付目論見書から抜粋

運用プロセス(中小型成長株)

運用プロセスも一般的な中小型株のアクティブファンドと大差はありませんが、一点だけ、30銘柄程度という投資銘柄数の少なさは大きく注目したいポイントです。

ザックリとファンドのことが分かったところで、このファンドのおすすめポイントを5点挙げたいと思います。

①中小型株
②超厳選
③非常に良好な長期パフォーマンス
➃分配金実績なし
➄安い信託報酬

マンスリーレポート(中小型成長株)

まず①です。
このファンドは2020年11月末時点では東証第1部68.5%、東証第2部3.9%、マザーズ25.2%と少し東証1部の比率が高い印象がありますが、2020年9月末時点では東証第1部57.8%、東証第2部3.4%、マザーズ35.1%であり、実際の組入銘柄を確認しても「中小型株中心」の範疇であると考えられます。

次に②です。
これは前述した通りで、2020年11月末時点の組入銘柄数は29銘柄でした。通常のファンドであれば50銘柄でも「かなり厳選したな」という印象ですが、このファンドはその6割。それだけファンドマネージャーの“ガチ”が見られるファンドということです。まさに、プロならではのポートフォリオを提供していると考えられます。

続いて③ですが、ここが一番のポイントとなります。
そして、このファンドは運用実績が5年以上あるので比較的信頼性のある分析ができると考えられます。参考としてTOPIXファンドと先進国株式ファンドの運用実績も掲載しておきます。

中小型成長株オープンのパフォーマンス推移

上昇相場にめっぽう強く下落相場にめっぽう弱いことが見て取れますが、運用期間全体では先進国株式のパフォーマンスを大きく上回っており、中小型株式の成長をキッチリ取ってきた実績が確認できます。少なくとも、6年半の運用実績で「2017年の世界的好景気」と「2020年のコロナショック後の戻り」の2つの局面で爆騰してるわけですから、悪くない打率と言えます。

確かに「最高値からコロナショックのボトムまでで約半値になり、未だ最高値を更新できていない」という見方も可能ですが、むしろ私は「約半値になる暴落をくらっても、3年弱でほぼ元の水準まで戻せたのは高成長銘柄を選定できている証拠」と捉えています。

続いて➃です。
長期投資で特にリターン重視の投資の場合、分配金は税金分だけパフォーマンスを大きく悪化させるただの邪魔者です。このため、分配金を支払わない方針であると推測できることはプラスポイントと言えるでしょう。

最後に➄です。
このファンドの信託報酬は年率0.935%(税込み)ですが、中小型株式アクティブファンドの中では抜群に安い水準です。もちろん、インデックスファンドと比較すれば見劣りしますが、アクティブファンドにしかできないポートフォリオを提供している以上、素直に評価してよいポイントと言えます。

以上から、このファンドは“おすすめ”に十分値するファンドであると判断します。というより、日本株ファンドとしては、正直私が考える理想形に近いファンドと言っても過言ではありません。

リスクが相当高いため、長期保有は大前提として、「リスク許容度に合わせた金額での投資」や「積立投資」などの工夫も検討しつつ投資すると良いでしょう。

◆厳選ジャパン

次に紹介したいのは、「厳選ジャパン」です。
同様にファンドの特色から確認します。

※交付目論見書から抜粋

ファンドの特色(厳選ジャパン)

なんと言っても、注目は20銘柄程度という中小型成長株オープンよりもさらに少ない銘柄数です。その他は、特質すべき点はありません。

続いて運用プロセスです。

※交付目論見書から抜粋

運用プロセス(厳選ジャパン)

ここでのポイントは一般的な中小型株ファンドとは違って、大型株ユニバースも投資対象に入っているところです。要するに、特に中小型株に絞っているわけではないけど、20銘柄程度に厳選した結果、中小型株が中心となっているといったところでしょう。

ここで、このファンドのおすすめポイントを3点挙げたいと思います。

①中小型株
②超厳選
③直近の驚異的パフォーマンス

マンスリーレポート(厳選ジャパン)

まず①です。
2020年11月時点では東証1部銘柄が66.6%、新興市場(マザーズ等)が26.9%と少し東証1部銘柄の比率が高い印象がありますが、2020年9月末時点では東証1部銘柄が44.1%、その他新興市場が46.9%であり、基本は「中小型株中心」であると思ってよさそうです。

次に②です。
2020年11月末時点の組入銘柄数は26銘柄であることが確認できます。「20銘柄程度」にしては若干多いなといった印象でしょうか。それでも少ないことには変わりないので高評価のポイントであることに変わりありません。

そして③です。
なんと、直近6ヵ月のパフォーマンスは67.6%!コロナショック前から比較する直近1年でも82.8%と驚異のパフォーマンスを叩き出しています。

この要因は「コロナ銘柄を引き当てたから」に尽きますが、最大の問題はこれが「まぐれ当たりでないか」ということです。

そこで、設定来からコロナショック前(2019年12月末)までのパフォーマンスをTOPIXファンド、先進国株式ファンドと比較してみましょう。

各ファンドのパフォーマンス推移

TOPIX、先進国株式ともに大きく上回るパフォーマンスであることが確認できます。一方、やはり銘柄数が少ないため下落局面では半端ない急落具合も見て取れます。

このデータを見る限りでは、「株式市場の需給要因をもろに受けるため、リスクは超高いけど投資銘柄の成長をきっちり取れているファンド」と言えそうですが、正直、ファンドの良し悪しを判断するのには運用実績が短過ぎると判断します。

そこで、同カテゴリー・同ファンドマネージャーで10年以上の運用実績がある「DIAM新興市場日本株ファンド」(2020年12月末現在で販売停止中)のパフォーマンスをみてみると、厳選ジャパンのファンドマネージャーの銘柄選定能力は高く評価できることが確認できます。(今回は他ファンドの分析は割愛します)

このため、コロナ禍における驚異的なパフォーマンスは“できすぎ”の可能性はあるものの、少なくとも“まぐれ”ではないと言えるでしょう。

以上から、このファンドは“おすすめ”に十分値するファンドであると判断します。

このファンドは中小型成長株オープンよりさらにリスクが高いため、長期保有は大前提であり、「リスク許容度に合わせた金額での投資」や「積立投資」などの工夫も検討すべきでしょう。

また、このファンドはSBI証券でしか取り扱っていないことには注意が必要です。

◆ノーロード明治安田日本株式アクティブ

最後はちょっと趣向を変えて、敢えて大型株ファンドである「ノーロード明治安田日本株式アクティブ」を紹介したいと思います。

※交付目論見書から抜粋

ファンドの特色(明治安田日本株式)

TOPIX500つまり、東証1部銘柄の中でもより時価総額の大きい候補の中から銘柄を選定することが特質すべき点です。

続いて、運用プロセスです。

※交付目論見書から抜粋

運用プロセス(明治安田日本株式)

運用プロセスについては特質すべき点はありません。

それでは、このファンドのおすすめポイントを3点挙げたいと思います。

①厳選
②分配金実績なし
③破格の信託報酬

マンスリーレポート(明治安田日本株)

まず①です。
2020年11月末時点の組入銘柄数は54銘柄と、他の2ファンドよりは多いものの十分厳選投資であると言えます。このファンドについては、ファンドの特色や運用プロセスで銘柄数について明記されていないため、念のため過去のレポートや運用報告書を確認すると、むしろ50銘柄を切っている時期の方が長いことが確認できます。

続いて②です。
分配金についてはすでにコメントしているのでここでは割愛します。

最後に③ですが、ここが一番のおすすめポイントとなります。
このファンドの信託報酬は年率0.3025%(税込み)とアクティブファンドではありえない水準の安さと言えます。

おすすめポイントは以上ですが、当然一番重要なのは今後長期的にパフォーマンスが期待できるかどうかです。このファンドは運用実績が5年に満たないためあくまで参考程度となりますが、運用実績についても分析してみましょう。

明治安田日本株アクティブのパフォーマンス推移

上のグラフからも分かる通り、先進国株式に劣後する結果となりました。もっと言うと、コロナショック前まではTOPIXに対しても劣後しています。ただし、コロナショック以降はTOPIXを追い抜いており、局面によって勝敗が明確であることから、前述した「インデックスファンドに少しづつ負けていく使い所のないファンド」ではないことが確認できます。

蛇足ですが、月次運用レポートに掲載されているベンチマーク(TOPIX)の推移は上記TOPIXファンドの推移と比較してかなり劣後していることにお気付きでしょうか。その主な要因はベンチマークの方に配当が含まれていないからに他なりません。これではファンドのパフォーマンスが不当に良く見えてしまいます。なんでそんなものをベンチマークにしているかはここでは語りませんが、「運用会社から与えられた情報のみではファンドの評価を見誤る」ということは是非憶えておいてください。

本題に戻りましょう。
パフォーマンス分析からは若干ネガティブな結果が得られたため、もう少し突っ込んで、今度は組入上位銘柄を確認してみます。

月次運用レポートの組入上位10銘柄を確認すると、どれも日本を代表するようなピッカピカの優良銘柄ばかりです。そして、大半の銘柄が海外売上高比率が極めて高い企業でもあります。中小型株のように爆発的な成長を期待するのは難しいですが、このファンドの信託報酬はインデックスファンドと大差ない水準であるため、世界の成長を取り込めるような銘柄をうまくファンドマネージャーが選定してくれれば、先進国株式にも勝つ芽は十分にあると判断します。

以上から、このファンドは、

・日本の代表企業に対して海外収益の拡大などによる成長を期待している人
・アクティブファンドにチャレンジしてみたいけど手数料が気になる人
・投資をしながら日本の代表企業について学んでみたい人

などに“おすすめ”したいと考えます。

ただし、純資産総額が2.6億円程度(1銘柄換算で500万円弱)しかないことには留意が必要です。これが1.5億円を切ってくるようだと運用に支障が出るかもしれないことは念頭に置いた方がいいでしょう。まぁ、このファンドはノーロードであり、乗り換えコストはゼロなので、心配になってきたらさっさと別のファンドに乗り換えれば済む話ではあります。

◆日本株ファンドはオワコンでも何でもない

いかがでしたでしょうか。

日本株ファンドの中にも投資に値するファンドは確かに存在し、ファンド情報を丁寧に分析してあげればそれを判定することも可能であることがお分かりいただけたかと思います。

何を隠そう、この記事の真の価値は「私の“おすすめファンド”を知ること」ではなく、「資産運用・投資のプロがどのような目線でファンドを評価しているかを知ること」にあります。

本来であれば、同カテゴリーファンドとのパフォーマンス比較や業種比率の分析、組入上位銘柄からファンドマネージャーの銘柄選定センスの判定なども行うところなのですが、それをやると字数が倍になるどころじゃないため、今回はここまでにしておきます。

魅力的なファンドを探し出すのは、それこそ魅力的な銘柄を探し出すのとそこまで変わらない労力が必要です。しかし、一度投資してしまえば、その後の継続ウォッチは個別銘柄と比べて圧倒的に楽であることは投資信託の大きなメリットと言えるでしょう。

「自分で判断すべきところはきちんと労力をかける。一方で、ファンドマネージャーに任せるべきところは信じて丸投げする。」

これこそ、ベストな投資信託との付き合い方だと私は考えます。


最後に、おそらくリクエストとはかけ離れてしまったことをここに謝罪します。

リクエスト内容からして、もっとライトなコメントでたくさんのカテゴリーの“おすすめファンド”を紹介して欲しかったのではないかと推測されますが、私にはできないと気が付きました。

やはり、最低でもこの程度は解説した上でじゃないと、とても“おすすめ”なんてできません。私が投資のプロを名乗り、そして投資知識ゼロの人を含む不特定多数の人がこの記事を読む可能性があるのならなおさらです。

今回、この記事を書くことで、改めて私の中にあるプロの矜持を確認することができたので、リクエストをいただいたねこまにあさんには非常に感謝しています。

今後も、「いい加減な情報発信は絶対しない」をモットーやっていきたいと思うので、是非ムササビ親分をよろしくお願いします👍

それでは、今回はこれにて!


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