波止場となれ ~J3第16節 対AC長野パルセイロ戦プレビュー~

 8月ももう最終盤。長かったオリンピックブレイクも、振り返ってみれば意外と短かった気がしますね。
 日本代表GK谷は湘南ベルマーレの所属。湘南と言えばサーフィン。谷くんもサーフィンを嗜んでいることでしょう。谷君、お倉ヶ浜に家を建てないか。

 そういえばテゲバのホームタウンに西都市が追加されましたね。このままどんどん広げていって、いろんな街にテゲバのペナントが下がり、いろんな人に周知できていければと思うところです。

 というわけで待ちに待ったJ3リーグ再開!テゲバが上位に食い込むための正念場となる後半戦が始まります。
 後半戦初戦はAC長野パルセイロを、ユニリーバスタジアム新富に迎えてのホームゲームになります。パルセイロと言えばそう、テゲバがJリーグで始めて勝ち点をもぎ取った対戦相手!(3/21 第2節)

 まずはその時の試合を振り返りながら、対戦相手の長野について調べていきましょう。

1.パルセイロとの前回対戦

 それでは長野との前回対戦をを振り返りましょう。
 前半10分に榊翔太選手のゴールで先制されたものの、試合終了間際の後半42分、梅田魁人選手のPK失敗を帳消しにする値千金のヘディングシュート(テゲバジャーロ宮崎の記念すべきJリーグ初ゴールでもありました)で追いつき、1-1の引き分けに持ち込んだ試合でした。

 Jリーグ初ゴールの勢いそのままに、宮崎は富山、熊本といった上位陣、さらに鳥取をすべて2-1というシビれるスコアで勝ち切り撃破。3連勝を飾ります。
 しかし対する長野はここから勝ちきれない試合が続き、8試合連続で勝ちなしという泥沼にハマります(5分け3敗)。勝ち越しを許さない地力こそあったものの、チームの状態が全く上がらない状態が続きます。

2.パルセイロの転機

 長野にとって転機となったのは6/11の天皇杯2回戦。等々力陸上競技場でのアウェー川崎フロンターレ戦でした。

 当時の川崎フロンターレは、無敗記録更新の真っ最中。6/2の対横浜FC戦に勝利し、無敗記録を21に伸ばし、中8日と代表ウィーク前に気合十分。勢いのど真ん中にあるチームでした。
 対する長野は新潟県代表の新潟医療福祉大学FCを延長戦の末に3-1でなんとか下して2回戦へ進出しており、川崎相手には厳しいだろうというのが大方の見方でした。

 しかし試合が始まってみると、長野の固いディフェンスの前に川崎は攻めあぐね、逆に長野がカウンターから藤山智史の強烈なミドルシュートで先制。
 そこから虎の子の一点を守り切ろうと、長野はラインを下げて何とか凌ごうとしますが、後半AT1分、橘田健人に角度のないところから決められ、とうとう同点に追いつかれてしまいます。
 延長戦も防戦一方だったものの、キーパー田中謙吾のファインセーブもあり、家永、レアンドロダミアンを揃えた川崎の強烈な攻撃陣を抑え、何とかPK戦にまで持ち込むことができました。
 結果としてPK戦は4-3で惜しくも敗戦してしまった長野でしたが、J1の王者を追い詰めたこの経験は、大いに自信になったことと思います。

 ここから中2日で挑んだアウェー鳥取戦。日程的にも大変厳しい中でしたが、長野は三田尚希のハットトリックを含む大量8得点で鳥取を圧倒。
 昨シーズン3位の底力。まさにJ2昇格最右翼と言われた評判通りの強さを見せつけ、さらにここから富山、沼津、そして岐阜と、上位に座するチームを退けて4連勝。完全に調子を取り戻しています。

3.対YS横浜戦から見るキープレイヤー

 (まあ正味な話をすると前の試合から2か月ほど時間が経っているので、戦略やメンバーが大きく変わっている可能性もあるんですが、それは一旦棚上げしておきましょう。)


スターティングメンバー

画像1

 オリンピックブレイク直前のJ3第15節。パルセイロはYS横浜をホームに迎えました。結果は2-2の引き分けでしたが、先制されても追いつき、勝ち越されても追いつきと、長野の粘り強さが強く発揮された試合だったと思います。

 対YS横浜の1点目は、1段降りたLW森川が左側でボールを受け、CF榊に預け、森川と入れ替わりで前に出たIH坪川にワンタッチで渡し、坪川はさらにワンタッチで右から中央へスライドしたRW三田へ、といった見事な崩しを見せます。ペナルティアーク付近でボールを受けた三田は、チェックを受けながらも、そのまま左足を振りぬき、見事ゴールイン。

 特筆すべきは前3枚の破壊力です。森川の正確無比なパス、榊のポストプレー、三田の決定力。プレーエリアをみると、長野は左サイドを起点としたプレーを中心に攻撃を組み立てています。ホットラインとなるのはLSB水谷からのパスを受けたLW森川、そしてLIHの坪川。この二人が入れ替わりを繰り返し、前線を押し上げながらアタッキングサードでのサイドチェンジやクロスなどで決定機を演出しています。

 しかしこれだけではありません。後半になると山形、松本で活躍し、今シーズン長野に加入したボランチ宮阪政樹がジョーカー的な起用法で登場します。YS横浜戦では1点ビハインドの後半27分、フリーキックから喜岡の頭で合わせるゴールを演出し、同点に追いつくアシストを決めています。
 宮阪は連勝が始まった6/13第11節鳥取戦からはすべて後半からの途中出場となっています。攻撃のリズムを変えることのできる選手として、また屈指のプレースキッカーとして、疲れを見せ始めたテゲバイレブンに襲い掛かることでしょう。

 森川、そして宮阪がもし試合に出ていたらよく覚えておいてください。

 ちなみに宮阪は8/22の大宮アルディージャとのトレーニングマッチでも得点を挙げています。45分2本で行われ、合計1-0で長野の勝利。調子はどうやら落ちていないようで、なかなか厳しい相手になってきそうです。

4.テゲバはどうするか

 左サイドを中心とした攻撃を仕掛けてくるパルセイロに対して、それではテゲバはどのようにすればよいのか。

 単純に前節沼津戦と同じメンバーで戦うとすれば、長野の左サイドとマッチアップするのは渡邊龍、徳永、青山あたりが中心に対応することになってくると思います。ここで前節効果的なボール奪取をしていた橋本を含めて、いかにこの面々が左サイドからのビルドアップを邪魔できるかがカギになってくると考えています。

 それだけではなく、チーム総得点の23点中6点がセットプレーからの得点である長野に対してどう向き合うかも課題となってきます。宮崎は総失点17点中8点、半分近くがセットプレーからの失点となっており、即座に対応すべき問題となっています。
(正味前節はセットプレーに限らず、GKが石井じゃなかったら5点は取られていたんじゃないかと言ったレベルだったと思います。本当によくDFは1点でしのぎ切ったと思います)

 このオリンピックブレイクの中で、どういう戦略を内藤さん、倉石さんが練ってきているのでしょうか。前目前目で奪って攻撃の芽を摘み、前線に託して2列目3列目から選手がPA内に飛び込んでいくというアグレッシブなサッカーが非常に魅力的なチームではありますが、果たしてこの試合ではどうでしょうか。中断明けの最初の試合は非常にわくわくしますね。

 鹿屋体育大学とのTMでは三島が2得点していたりと、なかなかスタメンも読めない中にいますが、是非ともスタッフの手腕に期待しましょう。

5.結びに

 結局誰が出るかとか、どういう戦術で来るかとかはよく分からないままに書き殴ってしまいましたが、都城キャンプを経て休養十分のテゲバイレブンが、絶好調の長野相手にどう立ち向かっていくのか、非常に楽しみになってきました。

 長野、スタジアムが本当にきれいで、サポーターもとにかく熱い。ライバルチーム松本山雅が同じ県内にいる影響もあるでしょうが。
 太鼓の構成、音に厚みがあって逆にこちらが聴き入ってしまうほどです。リズムパターンもいろいろとあって、緩急をつけながら試合を盛り上げる、洗練された応援団だなあと尊敬しています。勉強させていただきたいです。
 

キックオフは8/29 15:00!是非現地で、そしてDAZNで!それぞれの場所でテゲバジャーロ宮崎の選手たちにエールを送りましょう!

(データについてはFootball LABより引用しています。)


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