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桃は冷やさないで食べるほうがいい

8月22日、誰にも教えたくない市庭で採りたての桃を2個買った。その桃を包んだ透明ラップの外側に生産者の名前シールが貼ってあった。その名前を心のなかで読みながら、どんな手つきで桃を収穫したのだろう、と想像する。お婆ちゃんのような手、40代のお嫁さんの手、20代の孫の手、いろいろな手が浮かぶ。まあ、お婆ちゃんの手だろう、と一択する。

その桃を、今朝少しだけ冷蔵庫で冷やして食べた。

桃本来の瑞々しくも香り高い味がした。子供の頃に隣家のYさんから頂いた桃の味に似ていた。香り高いのだ。

数年前まで、スーパーで買った桃をすぐに冷蔵庫に入れて冷やしこんでから桃を取り出していた。そうすると、桃の味は苦みのような、へんな味になってしまう。冷し過ぎることで、桃本来の味がなくなってしまうのだ。

桃を冷すのは1時間〜2時間まで。この教えを守って桃を冷す。すると、桃の中の化学変化は辛うじて抑えられ、苦み物質は生じないのである。

子供の頃、桃は常温で食べていた。いつから桃を冷すようになったのか。冷やして食べると美味しいと、どこかで誤学習したようなのである。その誤学習を改めるために「桃は冷蔵庫で2時間以上冷やしちゃだめだよ。」と反芻した。

軽井沢の桃生産者は、常温で食べているに違いない。お婆ちゃんの美味しそうに食べる顔が浮かんできて、私はにっこり笑っている感じがした。

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