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ハマスとイスラエルの交戦に見る歴史的背景

最近ニュースで見ない日はないハマスの奇襲攻撃とイスラエル軍の反撃による交戦状態が始まったのは2023/10/7であった。

具体的な日はいつのことだったメンスかね🧐と思ってニュースを検索しようとしたところ、「ハマス イスラエル どっちが悪い」という笑ってしまうようなサジェストが出てきた。ただ実際、気になる人は多いと思うし他の国々はどうなんだ、その中で日本はどうなんだということはみんな気になると思うので、そこら辺のことを書いていく。

今回は残酷であるが事情が複雑なので少しポップでわかりやすく書いてみようかなと思う(不謹慎ですみません)。ただ伝わるということを優先したいのでご容赦いただきたい。

最初に

「ハマス イスラエル どっちが悪い」というお世辞にも知的とは言えないサジェストが出てくるくらいなので、おそらくこの問題に関してほとんど知識がない人がほとんどなのだと思う。

なので、めちゃ単純で抽象化された結論だけ先に書く。

アメップ🇺🇸さんやブリカス🇬🇧さんにワイはついてくで!😊という人はイスラエルを擁護すればいい。
ロシップ🇷🇺や中国父さん🇨🇳が好きやで!😆という人はハマス(パレスチナ)を擁護すればいい。
※ップというのは第二次世界大戦中、日本が蔑称としてアメリカなどにジャップと呼ばれていたことに由来するネットスラングで、ちょっと面白いのでここでは使ってみた。
中国父さんについてはアジアの文化が中国にだいたい由来するという中国の主張を揶揄するネットスラングである。

これ以降は長くなる気がするので、読むのがめんどいひとはここでブラウザバックなりアプリを終了してもらって良い。










これ以下は知的好奇心旺盛でまじめな、もっと読んでみようというあなたたちに向けて書いていく。


さて、先ほどの4行程度の結論、ほとんど全てが間違っている。

まず第一にどっちかだけが悪いということは歴史の中で存在しない。全ての戦争や歴史の出来事は複雑に交絡する複数の事実や第三者の介入によって起きている。
第二にアメリカ、イギリスなど西側諸国と中国ロシアなど旧東側諸国の対立構造で出来事を説明しがちだがこれもあまり相応しくない。先ほど書いた結論はだいたい正しいが抽象化されている。
第三にハマス(パレスチナ)という記載は正しくない。ハマスはパレスチナ暫定自治政府を実行支配している組織でイコールではない。


このような抽象化された結論を書いたのは、人々が多次元的(複数の軸で)に事象を捉えるのが苦手で、常に「保守vs革新」だとか「資本主義vs共産主義」だとか一つの軸で抽象化された結論を欲しがるからだ。
ただし問題を説明するにあたってある程度の省略や抽象化は必要なのでこの記事でもそうする。


ではある程度ちゃんとこの問題を考えるために100年程度時を戻そう😈

政治的経緯①

第一次世界大戦に見るヨーロッパの構造とユダヤ人

この問題を語るには必要不可欠な登場"人物"がいて、それを説明するために時は1914年、場所をヨーロッパに移そう。

ヨーロッパの近代史は抽象化するとイギリスとフランスvsドイツの歴史とも言える。
常に王者であるイギリスにドイツが挑み、ボコられる歴史である。
※ちなみに今もそういう側面があり、EUの統一通貨のユーロのイニシアチブはドイツが強く持っていて、欧州中央銀行はドイツにあり、そういうことがイギリスのEU脱退にも影響しているという話を聞いたことがある。

さて、百年前も同じであった。

当時サラエヴォ事件を契機に、例によって
ドイツがオスマン帝国、オーストリア・ハンガリー帝国などと同盟国を、
イギリスがフランス、ロシア、日本などと連合国を構成し交戦していた。

このようにイギリスはドイツをボコるために友達を集めていた。

この時イギリスが目をつけたのがユダヤ人だ。

ユダヤ人の特徴としては

お金持ちで商いがうまい(これが他者の妬みを生み迫害を受ける要因の一つだと思う)

※ちなみに銀行というスキームを考え出したのもユダヤ人だと言われていて、それを子に継承しお金持ちになっていったと言われている。
ユダヤ系として有名なのがロスチャイルド家で、よく世界を操っているという陰謀論で出てくる名前だ。実際にロスチャイルド家系の企業としては
・ゴールドマンサックス
・JPモルガンチェース
・ロイター通信
・ディズニー
・フォード
・コカコーラ
などがある

という点が挙げられる。

そしてユダヤ人は大昔住んでいたパレスチナという土地から追い出され、流浪の民として世界中に散らばっていた。

イギリスの三枚舌外交

このようなお金持ちだが、定住する土地がないユダヤ人にイギリスは
「もし戦争に協力して資金援助してくれたら、あの土地を君たちのものにしてあげるよ!😊」という約束をする(バルフォア宣言)。


さらにイギリスは当時そこに住んでいたアラブ人たちには当時オスマン帝国からの独立を画策していた彼らに「アラブの独立を支持するで!😄」という約束もする(フセイン・マクマホン協定)。


さらに驚くべきことに、同盟国フランスと「終戦後は俺らで分割しようや!😁」という約束を秘密裏に結ぶ(サイクス・ピコ協定)。

これがイギリスの三枚舌外交であり諸悪の根源とされている。
そう、先ほど書いたこの話をするのに必要不可欠な登場"人物"とはイギリスだ。


宗教に見る聖地イェルサレム

ではなんでこの地がこんなに重要で複雑なことになったのかということについては宗教と関係がある。

※これ以降、ユダヤ人=だいたいユダヤ教を信じてる人たち、アラブ人=だいたいイスラム教を信じている人たち とさせてください。


有名な宗教と言われてみんなは何を思い浮かべるだろうか。


おそらくキリスト教、ユダヤ教、イスラム教あたりではないかと思う。

実はこれらの宗教は全て同じ神を信仰している。



そして根源的には旧約聖書の話を元にしていてこれらをアブラハムの宗教という。

簡単に説明すると

旧約聖書の内容としては、「神がいてー、んで7日間で世界作ってー、アダムとかイブとか他にも色んな人出てきてー、大変なことあったり引っ越しとかしたりするけど、最終的にすげえやつ(救世主)が出てくるで!ただそいつが誰かは知らん!」という内容である。

そしてキリスト教は新約聖書(キリスト教の経典)で「旧約聖書で出てきたすげえやつはキリストなんや!😎」としていて
イスラム教はコーラン(経典)で「いや、すげえやつはムハンマドやで!😗」と言っていて(ムハンマドは預言者だが)、
ユダヤ教の経典は旧約聖書なので「いや旧約聖書では出てきてないからまだいないんや!😠」といっている。
※キリストが生まれてからの年数が西暦なので、旧約聖書は約2000年前までの出来事の話ということになる。
※なんかデフォルメしすぎてめっちゃ怒られそうだし私も宗教に詳しいわけではない、すみません。。


そして旧約聖書の中で約束の地とされているのがイェルサレム(場所の名前)である。
ユダヤ教の聖地はイェルサレムのヘロデの神殿西側に位置する嘆きの壁で、
イスラム教の聖地は東イェルサレムにある岩のドームという場所である。


このように双方の宗教にとって大事な場所なので争いが起きている。
※下を見ると今よくニュースで出てくるガザという地区があるので少し覚えておいてほしい。

地図1


地政学的特徴

さてさてここまでは政治と宗教的な側面から見てきたが、少し地図を見てみよう。ここからは少し与太話も含む。
下記は少し地図1を引いて見たものだ。

地図2

さらに引いて見るとこんな感じになる。

地図3

ここで何か気がついたことがある人はいないだろうか。

三つの地図を見てみてほしい。









そう、実はユーラシア大陸とアフリカ大陸は繋がっているのである。
しかもそのギリ繋がっている細い箇所らへんにイェルサレムがある。


通常、文明は大陸を主に発展していく。つまり、この地はアフリカ大陸とユーラシア大陸の文明間接続ポイントとなっているのである。
※時間があれば国境線と大陸についてもどこかで書きたい。ちなみにアフリカ大陸の国境線がまっすぐ引かれていることに気がついた人がいると思うが、これはある種無理矢理引かれたものだからである。

なので、人の行き来も多かったことだろうと思う。

例えていうなら忙しく人が行き交うはずの場所がめっちゃ狭く、そこに住んでいる人もいたらどう思われるだろうか。

「なんか邪魔やなあ。。😒」と思われるということは想像に難くない。



このような地政学的特徴も個人的にこの問題の要因の一つなのではないかと思っている。

※前になぜイェルサレムを神は約束地に選んだのかということが気になって調べたところ、神父か牧師が答えていた動画が見つかったが、答えはよくわからないというものだった。笑
もしかすると、神も「こんな大変なところを約束の地にしたらウケるやろうなあ、、w(ニチャア)」って感じだったのかもしれない(敬虔な信者の方がいたらすみません、無知が故の冗談なので許してください」

政治的経緯②


話を少し戻そう。

色んな国に自分の都合のいいことだけ言って回ったイギリスはどうしたのか気になるところであろう。


実は、そうこうしているうちにボコった✊はずのドイツがまた力をつけて、イギリスとフランスに挑んできたため、それどころではなくなってしまった。


第二次世界大戦については説明を割愛するが、またイギリスはアメリカなどとドイツをボコることに成功する。

国連のパレスチナ分割決議

そしてやっとこの地帯をどうするかが話合われた。

一度暫定的にイギリスの委任統治下であったが、アラブ人とユダヤ人の国家を作ろうという話になった。

ここで一つ大事な前提だが、イギリスとアメリカはお金持ちのユダヤ人がちょっと有利になるように計らい、自分たちの彼らに対する影響力を一定程度保とうとする意図がある。
※特にアメリカは移民の国で、アメリカに住むユダヤ系アメリカ人は献金を通じて、アメリカ大統領選に大きな影響力を持つので、時のアメリカ大統領は安定的な政権運営のためにユダヤ人に有利な事を進める傾向がある。

そこで出たのが下記のような分割案であった。
以下の図はwikipediaより引用。

地図4

「とりあえず喧嘩しないように、イェルサレムらへんは国連が管理して、アラブ人のみんなはこの右のところと左のなんかガサガサしたところね!あとの残りはユダヤ人のね!」というものだった。

アラブ人には43%、ユダヤ人には57%と少しだけユダヤ人が有利で、ユダヤ人の方にはヨルダン渓谷など肥沃(作物がよくできる土地)な土地が与えられた。

そしてアメリカなどはこの案に賛成するように国連の各国に働きかけを行い、この分割案が採択された。

当然アラブ人はこの分割決議案を拒否する。

しかし採択されたのでイギリスは委任統治をやめ、1948年イスラエルの独立宣言が発せられる。

そしてこれに介入するためにアラブ人は侵攻、第一次中東戦争が勃発する。これが現在の泥沼の始まりだ。

中東戦争からオスロ合意

この後エジプトがスエズ運河を国有化したことに反発したことを契機としてイギリス、フランス、イスラエルが侵攻し第二次中東戦争が勃発。その後も緊張状態は続き第四次中東戦争(1973年)と計4回中東で戦争は行われることとなる。



最終的に1993年にイスラエルとパレスチナの紛争状態を終結させるためにノルウェーの仲介により二国間の合意(仲介役のノルウェーの首都の名前からオスロ合意という)がされ、国境は以下のようになる。

※毎日新聞より引用

地図5


地図4の国連決議の時と比べればイスラエルの領土が増えていることがわかるだろう。
※正直こんなことになるなら最初から国連決議を素直に飲んでおけばよかったのにというのが私の感想だ。


そして先ほど書いた、「この左のガサガサしたところ」が今話題のガザ地区である。


そして今日、この狭い土地に多くのアラブ人が暮らしていることからこの地域は「天井のない監獄」と呼ばれる。


さて、ここまで読んだあなたには「ハマス イスラエル どっちが悪い」という検索が如何に愚かなものか分かっていただけただろう。


では何故また紛争が始まりつつあるのか、長くなってきたので続きをまた書こうと思う。


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