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死刑制度について

この記事を読んでるあなたは、死刑制度に賛成だろうか反対だろうか。

そんな悪いことをしたやつは死んで当然だ!と考える人もいるだろうし、生きる権利を奪うということは究極の人権侵害だと考える人もいるだろう。
今回は死刑制度を法学的視点で考えてみる。

刑罰とは何か

まず死刑とは何かを考える必要がある。死"刑"というくらいなので、死刑は刑罰の一種だ。
では刑罰とは何だろうということを考えてみよう。
これを読んでる人は刑罰と言われると死刑以外に何を思いつくだろう。一番分かりやすいのは懲役刑だろうか。
懲役刑とは簡単に言うと、悪い人を牢屋に閉じ込める刑だ。
では何故閉じ込めるということが刑になるのだろうか。ちょっと考えてみてほしい。



どうだろう。単純に閉じ込めらるれるのは嫌だから刑罰になるんでしょう。と考える人もいれば、閉じ込めておけば悪い奴が世に出ないからだ。と考える人もいれば、閉じ込められるのが嫌だから罪を犯すのを止まるから刑罰になるんでしょう。と考える人もいるだろう(他に思いついた人がいたら教えて欲しい)。

応報刑論

上に挙げた刑罰となる理由のうち、閉じ込められるのは嫌だから罰になるという考え方が応報刑論になる。目には目を歯には歯をという考え方だ。簡単に言うと悪いことをした罰だということである。特に「嫌だから」という点に着目する、つまり害悪だという点に注目する考え方を絶対的応報刑論という。

目的刑論

一般予防論

目的刑論のうち、まだ罪を犯してないものが刑罰があることによって罪を犯すことを止まることを期待するということを一般予防論という。つまり刑罰があるということによる威嚇である。

特別予防論

閉じ込めておけば悪い奴が世に出ないからだという例を挙げたがこれが特別予防論である。つまり犯罪を犯した人を隔離したり、或いは隔離してる間に更生させたりすることでもう罪を犯さないようにしよう考え方である。


死刑が存在している効果は何か

以上を踏まえて、死刑がある意味は何だろうか。
応報刑論、これは成り立つであろう。というかこれが最も成り立つのではないかと思うし、一般的に考えて例えば殺人被害に遭った遺族の心情などを思えばこれは死刑が存在する大きな意味だ。
一般予防論についても成り立つであろう。死刑になりたくない、死にたくないから罪を犯さない人もたくさんいるだろう。ただし、例えば殺したいほど憎んでいる相手がいて、その人を殺す前に死にたくないからやめておこうということがよぎるかはさて置くとする。
では特別予防論についてはどうだろうか。これはとても難しいが成り立つだろう。何故なら死刑で殺してしまえば二度と罪を犯すことがないからだ。

死刑についての意見

ここまで読んで、刑罰についての考え方とそれらの視点から見る死刑については整理できた。

まずこの時点でもう一度死刑について考えて欲しい。ただしそれは、人権がーとかではなくあなた自身が正直にどう思うかということ。あなたが被害に遭って、或いはあなたの大切な人が被害にあったときにどう思うかリアルな感情と向き合って欲しい。或いはあなたの家族が加害者となった場合でもいいだろう。

※ちなみに死刑制度反対派の弁護士岡村勲の夫人が犯罪被害に遭い、死刑制度賛成派になったという山一証券代理人弁護士夫人殺人事件というものがあるので気になる人は調べてみて欲しい


さて、では各国ではどうなのかとか実際どういう意見があるのかなどを紹介していく。
※私は基本的に他の人がどう思うかに関係なくあなたがどう思うかが重要だと思っているが、人の意見を聞いてなるほどと思うこともあると思うので紹介していく。

北欧諸国

北欧の国は懲役刑になっても、過ごしやすい個室が用意されているという話を聞くことがあるだろう。加えて事実、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンなどでは死刑がないし、懲役刑中にゲームができるという話を聞いたことがある。
※このゲームの話だが調べてみると本当のようだった。
https://www.sankei.com/article/20160411-YBDHLG66ZFPGJOZZ3KIG2N24CY/

これは応報刑論ではなく予防論に基づいた考え方だろう。つまり刑は必ずしも害悪である必要はないということだ。

私は死刑について、応報刑論についての側面がとても大きいと考えている。恐らく学問的にもそうなのではないかと思う。この仮説に従って考えると懲役刑の例に見るように、必ずしも害悪な必要がないので死刑がないのではないかと考えている。

その他の国々

調べたところ114カ国で廃止、10年以上死刑を執行していない国が28カ国あり、死刑制度がある国は56カ国のみらしい。
※日弁連のサイトより、2019年時点での情報

北欧での話も私の推測でしかないし、これらの国々がどういう考え方に基づいて死刑制度がないのか、なくなったのかを調べるのは申し訳ないが大変なので割愛するが、世界の潮流から見るに当初に挙げた人権侵害という考え方に基づいてるのではないか。
※ただし、身体拘束の自由を奪い懲役刑を課すことも当然人権侵害なので、統治国家においては実力組織が正当な理由があれば人権を制限するのは当然のことなので、人権侵害だからダメというよりは人権侵害の度合いが強いことが理由だと思う。

主な意見

ここでは公正に情報を共有するために、死刑廃止に対して賛成反対どちらの意見も調べてとりあげる。

廃止賛成意見
・憲法36条「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」に反する

・冤罪の可能性もあるため(取り返しがつかないため)

・死刑に犯罪を抑止する効果があるか疑わしい

廃止反対意見
・最高裁判所の判例上,死刑は憲法にも適合する刑罰である。

・被害者・遺族の心情からすれば死刑制度は必要である。

・凶悪な犯罪者による再犯を防止するために死刑が必要である。


私の意見

結論、死刑廃止に反対である。
まず上記に挙げた賛成反対意見についての思ったことを書いてみる。

廃止賛成意見

・憲法36条「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」に反する
→これは廃止反対意見にも記載があるように、最高裁の判断がすでにされている。そしてこの条文の意味は、例えば死刑を「もっと苦しめて四肢を切り刻み可能な限り苦痛を与えて殺す場合」など死に至る過程などに焦点が当てられるべき問題であると思っているので、死刑制度そのものについては問題がないと思っている。
※ちなみに絞首刑は床が外れると同時に自身の体重で首の骨が折れ死に至り、かつ失敗が統計上少ないから採用されているという話を聞いたことがあり、これは上記の考えにも一致する。

・冤罪の可能性もあるため(取り返しがつかないため)
→これについては死刑にのみ問題があるのではなく、他の刑罰でも同じことが言える。例えば、禁錮や懲役でもその人のその分の人生が冤罪であると判明したから返ってくるわけでもないし、獄中死する場合もある。

・死刑に犯罪を抑止する効果があるか疑わしい
→これは同意だ。ただ、私は応報刑論の側面から見た死刑制度の効能に特に期待している。

廃止反対意見

・最高裁判所の判例上,死刑は憲法にも適合する刑罰である。
→すでに書いたので省略。

・被害者・遺族の心情からすれば死刑制度は必要である。
→同意。

・凶悪な犯罪者による再犯を防止するために死刑が必要である。
→これについて調べてみたところ、法務省のサイトに載っている資料にこのような記載があった。

--以下、引用--
死刑の抑止力に関しては特別抑止効の視点も重要である ・・・何人殺しても  死刑にはできないという理屈は,犯人を死刑にしておけば助かった可能性のある 被害者の生命をあまりにも軽視するもので承服し難い (椎橋隆幸「日本の死刑制度について」現代刑事法25号)
--

これに対しては反論の余地があって、「死刑にしておけば助かった可能性のある被害者」というなら刑罰を課すことができる状態にあったということなので、永遠に隔離しておけばこの限りではない。


私の意見をまとめると、死刑のある意味は被害者や遺族の気持ちに寄り添った、と言えば聞こえがいいが、自分が被害者立場になった時のことを考えた時必要だと思うからという単純な感情論だ。

私は何度かあなた自身の気持ちが重要だと書いた。これが私が重要視しているポイントだ。

確かに死刑はある種残酷で、野蛮な人権侵害かもしれない。
ただ、あなたは被害者になった時、殺したいほど罰を与えたいと思わない自信があるだろうか。
このような罪を犯す人間は死んで当然だと思わない自信があるだろうか。

もし全員が寛容で、何があってもそう思わないような社会であれば、廃止してもいいかもしれない。ただ私は現在の日本社会がそうであると思えない。

全員が寛容で、何があってもそう思わないような社会が理想的であると仮定しよう。しかし死刑を廃止することで、そのような気持ちになる人が減って、そのような"理想的"な社会が実現できるだろうか。私は期待できないと思う。本件に関して言えば、制度が先行することで人の気持ちが変化するとは思えない。

であるなら尚更、その事実から目を背けてはいけない。

私たちは罪を犯したものに応報したいと思い、やり返したいと考える人権派の人間からすると醜い人間なのだ。
だからこそそれに合わせた制度が必要なのだと思う。

もし、死刑を廃止したいのであれば、多くの国民がそのような感覚を養うような人権教育でも、キリスト教のような洗脳でも行った方が遥かに効果的だと思う。

少なくとも、この「醜い」精神を持つ人が多数の中で、理想を掲げ制度上のみ人権的な死刑廃止を今の日本社会で実現することは健全でないと私は思う。


最後に、私個人の意見もあるので中立的でない側面もあるかもしれないし、法律はあまり詳しくない分野なので正確でない情報があったらごめんね☝️💦
バーイ🖐️

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