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誰でも最高のラブレターが書ける3ステップ【実例あり】

普段手紙を書かないあなたへ。

パートナーや片思いの相手に中々気持ちを伝えられないあなたへ。

今日は誰でも最高のラブレターが書ける方法を、たったの3ステップで! 紹介します。

ステップ①:便箋と封筒を用意する。

便箋は罫線のあるものを使いましょう。手書きの習慣がすっかりなくなってしまった現代です。普段手紙を書かないあなたの文章は、罫線が無いとどんどん斜めになって行くことでしょう。僕が実証済みです。

罫線は細すぎないものがおすすめです。罫線が細いと行数が多くなるので「こんなに書くのか……」と絶望します。

封筒はなんでもいいです。好きなの選んでください。
無印良品にほどよい罫線の便箋と封筒が売っています。

ステップ②:ペンを用意する。

ペン先0.28mmが字がきれいに見えておすすめです。

ステップ③:届ける相手を思い浮かべて、心に浮かんだことを素直に書く!


以上!


……え? そんなんで書けるか! って?

大丈夫です。普段手紙を書かないあなたの文章は、事前にどんなに準備をしても、あなたが期待したほどの文章にはなりません。僕が実証済みです。

でも、それでいいんです。

そんなあなたが一生懸命自分を思って書いてくれたからこそ、手紙が苦手なあなたが悩みながら書いてくれたからこそ、受け取る人はとっても喜んでくれるはずです。

相手が喜んでくれれば、それが「最高のラブレター」です。

それでも中々イメージがわかないあなたへ、実例をお届けします。

「6月25日」に結婚した妻へ「10月16日」に送った「プロポーズ」の手紙です。

「手紙っていいな」と思ってくれたら嬉しいな。


――


まりーちゃんへ

ひーくんです。
今日は10月16日。まりーちゃんの26歳の誕生日ですね。

大喧嘩の末にプロポーズしたのは今年の3月でした。

「喧嘩の後のプロポーズは無効!」と言われ、ことあるごとに「うちの旦那はプロポーズしていない」といじられる日々。

その場では「いや3月にしたやん!」と言っていましたが、ずっと「もう一度、きちんとしたい」と思っていました。

ぐずぐずしている間に月日は流れ、6月に結婚して、7月は結婚パーティ。

パーティを終えたあたりから、結婚後初めての誕生日である今日この日に、もう一度気持ちを伝えようと決めていました。

仕事もずっとうまくいかず、2年越しの片思いを「本能で無理」と振られた2019年秋。

どん底の日々の中で出会ったあなたは、光り輝いて見えました。

日本を三周して世界を一周した話や、無人島を貸し切った話。会話の節々から感じる知性から、恋愛感情の前に尊敬とか、憧れとか、「自分とは違う世界で生きている人だ」という劣等感を抱いたのを覚えています。

けれど、あなたの世界に触れるたびに、ずっと色が薄れていた僕の世界は鮮やかになっていきました。

例えば、仕事に対する姿勢。

仕事と、そこにいる「人」に対して日々全力投球で挑み、時には涙を流すあなたの姿を見ていたから、気が付けば自分も仕事への姿勢が今までと全く違うものになっていました。

今や僕は社内で「主体性がめっちゃ高い人」と思われているらしいです。信じられないね。

例えば、いつも新しい世界に連れて行ってくれるところ。

初めてのデートで星を見に行ったあの日。夜空を見上げて「今から車を3時間飛ばせばもっといい場所がある」と提案してくれたあの夜。深夜3時にたどり着いた天橋立で星を見てから、僕は天体観測が趣味になりました。 

去年の夏、あなたがスパルタでシュノーケリングを教えてくれたから、海の楽しさを教えてくれたから、今僕はクジラと泳ぐことを夢見てダイビングを習っています。

あなたがたくさんの友達と引き合わせて、旅に連れて行ってくれるから、いつの間にか新しい人と会うのが怖くなくなっていました。いっぱい運転もしたから、出会ったときはペーパードライバーだったのに、今ではドライブが趣味になりました。

例えば、気持ちや愛情をストレートに伝えてくれるところ。

あなたが美味しそうにご飯を食べてくれるから、毎日の料理が大好きになりました。

あなたが毎日ふざけたり、替え歌で笑わせようとしてくれるから、毎日の笑顔がいっぱい増えました。

面白い文章をたくさん書いて、嬉しそうに見せてくれるから、僕もできるようになりたくて、ライティングを習っています。

あなたが「好き」を伝え続けてくれるから、たくさんのお手紙をくれるから、
いつの日からか「自信をもって生きていいんだ」と思えるようになりました。


普段、全然気持ちを伝えていなくてごめんね。


「……じゃあ、僕は何をあなたに届けられているだろう」

一方、こんな想いも感じていました。

5回目のデートで「このままじゃ友達になっちゃうよ?」と言われたときも、「本当に好きなのかわからない」まま手を握り、告白していました。

こんな曖昧な気持ちを持った自分が一緒にいていいんだろうか。もっとふさわしい人がいるんじゃないか。そう思っていました。

けれど、一見無敵に見えるあなたにもちゃんと弱さはあって、その弱さは自分が支えられる部分かもしれない、自分が支えたい。いつしかそう思うようになりました。

いつかのホテルであなたが自分の弱さをさらけ出してくれたから、「あなたにあって、僕に無い部分」だけじゃなく、「僕にあって、あなたに無い部分」も確かにあることに気が付きました。

きっとあなたは、そんなことにはずっと前から気が付いていてくれて、一生懸命伝えようとしてくれていたんだと思います。ありがとう。

そんなあなたを愛していくことを決めるまで、随分と時間がかかってしまいました。
自分がこの世界で生きる自信はついたけれど、誰かを幸せにする自信は全くつかないままです。

きっとその自信は一生つかないから、「まりーちゃんを幸せにすること」は諦めて、「自分がまりーちゃんを愛すること」を決めました。

味の好みは合わないし、お気に入りの服を着ると「その服好きじゃない」と言われる。

きっとこれからもいっぱい喧嘩するし、黙りこくるまりーちゃんにイライラしてしまう日もたくさんあると思う。子供が生まれたら、育て方の価値観の違いで大げんかするかもしれない。

僕は、そんなまりーちゃんが大好きです。

悩みながら、泣きながら、笑いながら、一緒に歳を取っていきたいです。

料理はいっぱい作るから。苦手なサプリは飲ませてあげるから。苦しい時は、隣にいるから。

気持ちを察するのが下手くそなのは一生変わらないかもしれないけれど。

これからも、一緒に世界を鮮やかにしてください。

誕生日おめでとう。

そして、僕と結婚してください。愛しています。

2021年10月16日

應武茉里依様へ、日下秀之より。
――

11月25日追記:手紙朗読でしっかり泣かせました。

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