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ECWCSのススメ

Saryです。

今日はECWCSというアイテムについてお話をしたいと思います。

ECWCSって皆さんご存知ですか?

そもそも読み方が分からないという方も多いと思います。
(私は初めて見た時、読めませんでした。)

エコワックスと読みます。
(エクワックスと表記している場合もあります。)

ECWCSはアメリカ軍が開発した服でして、以下説明になります。

ECWCS(EXTENDED COLD WEATHER CLOTHING SYSTEM)は1980年代後半に米軍において制式採用された極寒冷気候向けのレイヤリングシステムで、拡張式寒冷地被服システムとも呼ばれています。
パーカーの他に化繊のインナーウエアー/ライナーを活動地域の気候に合わせて組み替えるシステムとなっており、組み合わせにより様々な気候に対応できる画期的なシステムです。

僕は初めて見た時、何のことか全く分かりませんでした笑。
この説明で分かる人ってどれくらいいるんでしょうか…笑。

要はアメリカ軍が極寒の場所でも問題なく活動できる様に、色んな重ね着の組み合わせが気温に合わせて可能に開発した服の総称の事です。

ですので今回お話したいECWCSはECWCSと呼ばれる服の一部の事になります。
(僕は軍モノマニアではないのですが、そんな僕でも知っている知識を全部書こうとするととんでもない文章量になるくらい軍モノってマニアの世界なので…。)

今回はECWCSを知ってる人に
『ECWCSっていうとどんな服をイメージしますか?』
と聞かれたら全員がイメージするものについてお話です。

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こういうアイテムについてです。

軍モノ的な観点での話は既に軍モノマニアの方々が沢山色んなブログや記事を書かれているので、私はファッションの観点でお話をします。

今回、3つの観点でお話しますね。

1.源流を身に着けれる
2.体型隠しにもってこい
3.四季がある日本にぴったり

1.源流を身に着けれる

服の歴史を語ればキリがないのですが、街着と言われるものは全て別の目的から作られているものを街で色んな組み合わせで着ているものなのです。

軍モノ → 軍隊の為
ジャージ → スポーツの為
デニム → 肉体労働の作業者達の為

等など、世の中にある全てのアイテムは元を辿ると別の目的から作られています。

それはどんなハイブランドの服であれ、必ず源流のモノがあります。

長い時代を経て、既に服のアイデアソースは出尽くしているのです。

ですのでハイブランドのデザイナーでさえ古着を漁って、その中からアイデアソースを得たりするのは珍しくありません。

服は源流を組み入れてないと、もの凄く作為的なデザインになり、特にシンプルを好むメンズファッションには致命的になっていきます。

作為的なデザインと言われてもピンとこない方にいくつかご紹介すると…

パーカー

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こんな感じのアイテムが作為的なデザインを入れたものになります。

パーカーはスポーツをやる為に動きやすい服装を目的として作られている服です。

デニムは上記にある通り、肉体労働の作業者達が擦れても破れにくい、タフな素材を求めて行き着いた服です。

そのアイテムにチェックを無駄に入れるとこんな形の一昔前の服に全く興味のない大学生などがよくしているファッションになってしまいます。

こういう服をなぜ買うのかと聞かれたら
『デザインが入っている方がおしゃれだと思うから』
と聞く事が多いです。

ただこういう源流にないデザインを無理に取り入れた服になればなるほど、どんどん安っぽいデザインになっていきます。

今回紹介しているECWCSは軍モノなのですが、軍モノは軍隊のミッションをこなすために下記の様な特徴があります。

・敵に見つかりにくくする為に、極限まで目立たない様なカラーリングを取り入れている。
・移動中に木の枝などで引っかからない様に、ボタンなどが見えにくく、極限までデザインが削ぎ落とされている。
・ポケットなど存在しているデザインは全てミッションの為に必要なもののみになる様に存在しているので嘘くささが一切ない。

つまりミニマルさが大人っぽさを感じさせるメンズファッションにおいては、その機能性のよるデザインが図らずとも大人っぽさを担保してくれる服になっているのです。

そしてその中でもECWCSは源流そのもので、かつボタンなどのデザインもほとんど見えないミニマルを追求したデザインなので、大人っぽさをしっかり担保してくれるアイテムなのです。


2.体型隠しにもってこい

実はECWCSは体型隠しにもってこいなアイテムです。

実物をぜひ触ってみてほしいのですが、ECWCSは非常に硬い素材なのです。

ですので、着た時にどんな体型であれ、体型が見えにくくなります。

生地が柔らかいと体型がそのまま出ますから、お腹が出ていたり、逆に痩せ過ぎていたりするとその体型がそのまま出てしまいます。

体型にコンプレックスがある方は隠したいと思う方も多いかと思います。

私も最近お腹が出てきて、隠すのに必死です笑。

ECWCSは今のスノボードウェアの原型になったと言われているのですが、透湿防水と呼ばれる機能を持った生地で作られています。

読んで字の如く、内側の湿気は外に逃がすけど、外からの水は浸透させないという機能です。

いくつかの層(フィルム)を重ねて作った生地で、かつ軍隊のミッションをこなすために、非常にタフな生地になっています。

ですのでおそらく街着のレベルでは最高峰に硬い素材で作られているので、体型隠しにはもってこいです。

また襟が凄く高く作られているので、小顔効果もバッチリです。

顔周りにモノがあると人の目は相対的に物を見るようになっているので、顔を小さく見せる効果があるのです。

ちなみに襟が高い理由は極寒の地では襟が高くないと、冷たい冷気を吸ってしまい体温が維持できないからです。

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また襟にフードが内蔵されています。
(フードが内蔵されない型のECWCSもあります。 製造年代の違いだったりします。)

もちろん急な降雨などで濡れないようにという事でのものなのですが、フードを出すとより顔周りに布が存在するので、より小顔効果が生まれます。

つまりECWCSは素材の硬さや襟周りの高さ、フードによって体型補正に必要な要素が沢山詰め込まれているアイテムなのです。


3.四季がある日本にぴったり

またECWCSは機能性の高さが凄いです。

上記にも書きましたが、透湿防水と呼ばれる機能素材で作られています。

本家本元はGORE-TEXと呼ばれる素材だったりします。

その機能性の高さからアウトドアのギアにもよく取り入れられています。

日本は四季によって雨が降ったり、寒かったり、暑かったりという気温差が非常に激しい国です。

ECWCSはそもそものその機能素材によってかなり快適な状態を保てます。

暖かくなった時は脇下にあるジップを開けるとかなり通気が良くなるので、いちいち脱いだりしなくても体温調整が楽です。

逆に寒い時に思う事ですが、『こんな薄い素材で冬とか絶対ムリだよ』と思う方も多いかと思います。

ですが湿度は逃がすのですが、体温は保ってくれる機能があるので、最初は寒いですが、少し歩くとポカポカしてきます。

都内などであればちょっと厚手のニットを下に入れると、むしろ暑く感じるくらいになります。

そして着ていて結構役に立つなと思うタイミングが雨のタイミングです。

日本は地味に良く雨が降ると思いますが、透湿防水の機能によって、雨を弾いてくれるのです。

フードも内蔵されてますから、多少の雨であれば乗り切れます。

土砂降りは流石に下半身が濡れて無理だと思います笑。

ですので、真夏はさすがに無理ですが、春・秋・冬と3シーズンをカバーできるとてもコスパのいいアイテムになります。

また軍モノですから、丈夫に作られているのでガンガン着てもヘタレないのもコスパのポイントアップですね。

気温差が季節で激しく、多湿で雨も多い日本だからこそ、おすすめしたいアイテムなのです。


最後にコーディネート例を紹介したいのですが、ECWCSでかっこいいコーディネートがあまり見つからず、紹介が少なくなりますが、良かったら参考にしてください。

まずはこんな感じがいいですね。

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この方は凄くECWCSをかっこよく着こなしていますね!

下を空けて白のロングシャツを入れて上半身にボリュームを出して、リュックも使い、キレイなYラインを作っています。

白シャツを入れることでミリタリーの無骨さをドレスに寄せてるのもポイントです。

また下半身はYラインの為に黒の細身のパンツと黒の細身のスニーカーにしてありますね。

黒のECWCSの方が個人的には使いやすいと思いますが、地味になりがちです。

そこで地味さを解消させるために白シャツの裾からネオンカラーを見せているのも、コーディネートのポイントの一つですね。


もう一つだけ参考に出すとこんな感じですね。

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1つ目にご紹介した方のコーディネートと似ていますが、見て分かる通り迷彩のECWCSを使っています。

迷彩のECWCSを使うのであれば、このコーディネートの様に他のアイテムを全て黒にするとまとまりやすいです。

下半身は細身のパンツと黒ソックス、黒スニーカーで徹底的にYラインを作ってますね。

迷彩は使いづらいと思う方も多いと思いますが、他のアイテムをモノトーンかつドレスアイテムかハイブリッドアイテムを中心にしてコーデを組むとサマになりやすいですね。


今日はECWCSについてのお話でした。

ぜひお持ちの方はコーディネートの参考に、まだお持ちでない方は買い物の参考にしてください。

では、また明日!

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