居酒屋怪談覚え書き

 妙な居酒屋がある、と飲み友達の塩川から聞いたのは先週のことだ。
 
 曰く、そこは怪談話が好きな客が自然に集まる店。
 怖い話や不気味な話が毎夜毎晩繰り広げられるのだと。
 
 手帳にとったメモを見返す。

 一つ、その店で怪談を話したい客は「カイダン」を注文すること

 一つ、「カイダン」の値段は店内にいる客の総数で決まる。

 一つ、「カイダン」が注文されると日替わりの料理が客全員に一品提供される

 一つ、「カイダン」を注文するには店内の客全員の承諾が必要となる

 一つ、自分しか客が居ないときに「カイダン」を注文してはいけない

 ……これが濃いめのウーロンハイでベロベロになった塩川から聞き出した情報だった。
 
 本当にヘンな店だなと思う。

「この世には物好きがいるものなんだなあ……」

 誰に聞かせるでもなく呟いた。
 この場合の物好きとはもちろん、そんな店に集まる変人たちのことであり、またそんな店の常連だという飲み友達の塩川のことでもあり、さらには40分も電車に揺られた挙げ句、今まさにその居酒屋のカウンターに座っている俺自身のことなのだが。

 怪談大好きな俺がそんな話を聞いては黙ってはいられない。
 これは仕方がないことなんだと自分に言い聞かせつつ、店の中を見回した。

 楽し気に明るい声を出しているのは女将さんだ。
 赤に近い茶髪のショートカットの細身の女性。
 目を細めた満面の笑顔が印象的だ。

 一方、カウンターの中の黒の作務衣を着たがっしりとした男性が大将だ。
 短く刈り揃えられた黒髪。
 険しい顔つきだが、こちらを見つめる目にはどこか優しいものが感じられる。

 俺の他には、若い女の客が1人だけ。
 入口に近い方のカウンターの端の席で携帯電話の画面を眺めていたが、俺が入店した時に、ふとこちらに顔を向けた。

 にぃ、と目だけで笑いかけられた気がする。

 ドキリとしながら軽く会釈すると、女の目が向かう先は携帯電話に戻っていた。

 さてそれから30分。
 女将さんのおススメに従い「晩酌セット」を注文した俺はすっかり上機嫌になっていた。
 
 ドリンク類が2杯とお任せの料理2品のセット。
 ドリンクは瓶ビールの大。
 
 お通しはキノコのお浸し。
 その後に続いた料理は海鮮コロッケと出汁巻き卵だった。
 
 どの料理もなかなか旨かった。 
 あっという間に1本ビールを空けてしまい、また大瓶を頼む。

 さてビールの2本目もあと半分。
 残った出汁巻きに何を合わせようかなとカウンターの上方に並ぶメニューの書かれた短冊を眺めていると、あるものが目に入った。

 右から並ぶのは料理の名前が書かれた白い短冊だ。
 左側は黄色の短冊にドリンクの名前が書かれていた。
 その料理とドリンクのメニューの境目。
 白と黄色の間に貼られた、異質なモノから目が離せない。 
  
 黒い短冊。
 
 艶のない黒紙に二重の白線の縁取り。

 さらに白の縁取りに赤字で書かれた「カイダン」の4文字。

 俺は、ようやくこの店に来た目的を思い出していた。
 
 客が話す怪談……
 あの短冊を見るかぎり、どうやら塩川の言っていたことは本当らしい。
 あとは誰かがあの「カイダン」を頼むのを待てばよいのだが……
 
 店内にいる客は、俺とあの女の2人だけ。
 女将さんと昼ドラの話題で盛り上がっている様子をみると、ひとつここらで怖い話でも一席、とはなりそうにない。
 時刻もすでに22時、これから新たに客が来るかは怪しい。
 また日を改めて来てみるかね、と考えていたその時、カウンターの端から声がかかった。

 「アレ、気になる?」

 女が、こちらを見返していた。

 「オジサンもさ、アレを誰かに聞いてきたの?」

 親しげに尋ねてくる。
 今年で36歳になる俺は、20代前半と思われる彼女からみれば間違いなくオジサンなのだ。
 
 「ああ、うん。この前、ちょっと友達から聞いてね」

 内心で動揺しながら答える。
 落ち着け俺、小娘に舐められるな。

 「へえー」

 ぐい、と上半身がこちらに傾く。
 女の胸元に向かう目をさり気なく逸らした。
 バレるんだよな、こーゆーの。

 「アレ、注文するの?」

 特に気にする素振りもなく女は続けた。
 アレとは「カイダン」のことだろう。
 だが残念ながら俺は怪談は好きでも聞く方が専門なのだ。

 「いや、あいにくと人に話せるような話はなくてね……」

 と言葉を濁す。
 もしや俺同様、彼女も誰かの話す怪談をアテにして来店した物好きなのだろうか。
 だとしたら彼女も空振りだな、などと考えているとその推定物好きが意外なことを口にした。

 「じゃあさー、アタシがカイダン頼んでもいい? 怖い話をしたくて今日初めてこの店に来たのよ!」
 
 訂正。
 怪談を語りたい方の物好きだった。
 目を丸くしてしばらく声にならない俺に、女は言葉を重ねる。

 「実はさっきもカイダンを頼みたかったんだけどさー。アタシ1人しか居ないからダメって言われちゃってね? オジサンが来てくれたから、これで注文できてラッキーって感じなの!」

 ああ、そういや客が1人の時はカイダンは頼めないんだっけ。

 「カイダン頼んでいい? アタシ話していい?」 

 両人差し指を顔の前で突き合わせながらお願いされては仕方ない。
 コクコクと首を縦に動かした。

 「よっし! じゃあカイダンお願いしまーす!」

 声高らかに宣言した。
 だがそのテンションに反して、店員サイドの反応はイマイチだった。
 
……はいよカイダン一丁、と答えた大将は肩を落として俯く。
 
 なんなの? 
 この制度、大将は不本意なの?
 いや、そもそもホントにこの「カイダン」ってなんなの?
 いっそもうすべての疑問を大将にぶつけようとしたが、女の客に止められた。

 「もう時間も遅いし、アタシ早く話したいからさー。そーゆーのは後にしてくれる?」 
 
 だそうだ。

 ……どうやら質問する暇もないらしい。
 これまでの反応から俺も「カイダン」のルールを把握しているものと大将や女将さんに思われたのか、なんの説明もない。 
 くそ、もっと詳しく聞きたかったのに……

 そんな俺の呟きは聞こえなかったのだろう。
 大将は俺と女の前に卵豆腐の入った小鉢をコトリと置いた。
 これが今日の「カイダン」に付く一品らしい。

 遠慮なく木匙ですくい、口に入れる。
 ツルリとしたのど越しと濃厚な卵の滋味を感じられる美味しい卵豆腐だった。
 
 一方、女将さんは笑顔のまま首を傾げてあららー などと呟くと、表紙に「カイダン」と書かれた大学ノートを取り出してきた。
 客の話した怪談を記録でもしているのだろうか。
 
 ペンを持った女将さんはそのまま椅子に腰かける。
 すっと背筋を伸ばして息を吐いたその顔から、人懐こい笑顔が消えた。

 大きく見開かれた両目、固く結ばれた口の端。
 ピィン、と空気が張りつめるのが感じられる。
 俺と女までつられて居住まいを正した。
 
 「……さぁどうぞ。話していいわよ?」

 それが合図だった。
 雰囲気も口調もガラリと変わった女将さんに促された若い女は、オズオズと「カイダン」を始めたのだった。

 それは彼女の友人 ──仮に英子さんとする── が実際に体験した話、だそうだ。
 学生時代からバレーボールを続けていた英子さんは事務職についた今でもその長身を活かして社会人チームで活躍しており、基礎体力の維持のために帰宅後も毎日走り込みをしていたのだそうだ。
 
 走るコースは決まっていた。
 彼女の住むアパートから徒歩10分。隣の市の境となる川にかかった大きな橋だ。
 川から15m程度の高さの堤防に架けられたその橋は川の両岸に広がる果樹園の上を跨いでおり、全長800mを超える長さだという。
 2車線の道路の両脇にある歩道スペースは幅広く、しっかりと舗装されたその直線のコースは地域のランナーたちにも愛用者が多い。

 その橋を最低でも3往復するのが英子さんの日課だった。

 その日の彼女もいつものように走り始めた。
 春も終わりかけ、爽やかな五月の風が頬に心地よい。
 あっという間に橋の向こう岸まで走りきり、橋の終点でターンした。
 
 走る道の先に小さく人影が見えた。まだ500mは離れているだろうか。
 小さな点のようだったその人物もランナーなのか、英子さんが走るにつれてこちらに向かう人影も大きくなってくる。

 やがて相手の全身像がハッキリする。蛍光色のオレンジ色のTシャツを羽織った小柄な女性だった。
 ほぼ毎日その橋を走っている英子さんだが、初めて見た人だった。
 こちらに向かって、ゆっくりしたペースで走ってくる。

 最近になって走り始めた人なのかな?

 そう思いながらも、英子さんは頭を下げて軽く会釈した。
 薄暗い夕暮れ時、英子さんよりも頭2つは小さいうえに帽子をかぶった相手の顔は判然としなかった。
 すれ違いざま、英子さんの耳に何か聞こえた。

 「──わね」

 ボソリと呟かれたその声は、風にかき消されてほとんど聞き取れなかった。
 だが、クスリと笑い声が混じった気がしたのだそうだ。
 英子さんは少し嫌なものを感じたという。
 まるで小馬鹿にされたような……

 イヤイヤそんな、と走りながら頭を振る。
 きっと気のせいだよね、と自分に言い聞かせ乱れたペースを整えた。

 1往復目が終わった。
 ようやく調子がでてきたぞとばかりにペースをあげ、出発点でターンして2往復目に入った。

 そのまま何事もなく橋の3分の2程度まで走り、先ほどの女性の背中に追いついた。
 英子さんがペースを上げ、相手は変わらずゆっくりと走っていた結果だ。

 先ほどの嫌な感じが頭によぎった英子さんだったが、気のせいだと言い聞かせ、さらにペースをあげて相手を追い抜いた。
 
 あと少しで折り返し、と思った刹那、英子さんの後ろから呟くような声が耳に届く。

 「──ったわね」 

 橋の上を拭く風と、車道を走る自動車の排気音にかき消されて、呟かれた言葉はやはり聞き取れない。

 しかし先ほどと同じ言葉を呟いているに違いないと感じた。
 そして今度も、人を小馬鹿にしたような含み笑いが聞こえたという。

 背筋に冷たいものが走った。

 「なんなのあの人、気持ち悪いな……」
  
 ゾワリと全身が痒くなる感覚を覚え、英子さんはさらに走るペースを上げた。
 
 「まだ2往復だけど、もういいかな。今日はもう帰っちゃおう……」
 
 もうすぐ折り返し地点だ。

 こちらは自分のアパートがある方ではなかったので、反対岸までは走らねばならない。

 当然あの気味の悪い女性ともすれ違うことになるが、背に腹は代えられない。

 ああもう、いっそワザとらしく大きく避けてすれ違ってやろうかしら、などと考えながら折り返した英子さんの足が止まった。

 折り返した先に、誰もいなかった。

 たった今追い越した、こちらに向かって走ってくるはずの女性がいないのだ。

 絶え間なく車が行き交う車道を脇目に立ち尽くした英子さんの頭は、疑問符で満たされた。

 いない? 
 さっき追い越してから10秒もたってないのに?
 車道を渡った? 
 車いっぱい通ってるのに?
 急に引き返して橋の向こう側までいっちゃったの? 
 たった数秒で? 
 向こう岸まで見えるけど誰もいないよ?
 
 全身を包む、ざわざわとした感触。
 先ほどまで爽やかだった風は冷気となって英子さんの体を吹き付け、絶え間ない車の往来の音もどこか遠くなった。

 日常から突然切り離されてしまった不安感。
 ナニかがおかしい世界に放り込まれたような孤独感。

 意味がワカらない、こんなのおかしい、怖い、怖い、怖い──
 
 「……なんなのよ」

 目に見える光景を納得させようと英子さんの頭は様々な可能性を考え、何度も自問を繰り返す。
 そしてある可能性に思い至った瞬間、それまで立ち尽くしていた英子さんは弾けるように橋の欄干に手をかけた。

 「まさかあの人、橋の下に落ちたんじゃ──」

 それは最悪の可能性。
 この辺りは堤防に近い部分とはいえ、地面まで5m以上の高さがある。
 下は果樹園で土は柔らかいが、生身で落ちれば軽い怪我では済まないだろう。
 いや、打ち所が悪ければ万が一のことも……
 
 とにかく彼女が下に落ちていないかだけでも確認しなければと思い、手に力を込めて欄干から身を乗り出しかけた英子さんは、そのままの姿勢でピタリと再び動きを止めた。
 あることに気付いたのだ。

 この橋の欄干は転落防止のためか隙間のない壁のようなタイプで、その高さも英子さんの胸のあたりまであるのだ。
 そう、バレーではアタッカーを務める身長175㎝の英子さんの胸のあたりまで。

 はたしてあの小柄な女性が、この橋の欄干を乗り越えて転落することなど有り得るのだろうか……

 そう考えて欄干から体を離した英子さんは、自分のすぐ後ろにピッタリと誰かが立っているのに気が付いた。
 全身が総毛立つのを感じて振り返ろうとした英子さんに、その誰かは今度はハッキリ呟いた。

 「下を見なくてよかったわね?」

 
 
 ひぃ、と声が出た。 
 欄干から離した両手の指には長い髪の毛が何本も絡みついている。
 声にならない悲鳴をあげて座り込んでしまった英子さんを尻目に、オレンジのTシャツのランナーが走り去っていく。
 
 アハハハ……!

 黄昏も終わりかけた薄暗がりの橋の上に、悪意の満ちた嘲笑を残して……

 「……で、彼女は私に電話で話してきたワケさ。もう怖くてあの橋を走れないってね」
 
 そんな言葉で怪談を終えた女の客は、わずかに残っていた酒を飲み干した。
 カランと氷が鳴る。

 「喉が渇いちゃったな、もう一杯おんなじのお願いしまーす」

 その声に、すでに笑顔に戻っていた女将さんが応えた。
 すぐに届いたソレを、女は美味しそうにクピクピと飲みだした。

 そんな光景を見て俺も我に返る。
 
 なんと言えばいいのか……
 ありがちと言えばありがちだが、なんとも不気味で後味の悪い怪談だった。

 コップに残ったビールは炭酸が抜け、すっかり温くなっている。

 気付くと、女がジョッキを手に俺の2つ隣まで席を移動してきた。
 
 「オジサンもあんがとねー。聞いてくれて!」

 そういいつつ、半分ほど酒の残ったジョッキをこちらに向ける。
 彼女の意図に気付き、コップの縁をかるくグラスにあてた。

 「えへへ、かんぱーい!」 

 そう言って、女はジョッキを傾ける。
 
 「あ、この卵豆腐も美味しいね! カイダン頼んでよかったよー」

 卵豆腐を食べ終えると、こちらにまたその顔を向けた。
 
 あれ、なんか良い感じじゃないかこれ?
 もしかしてチャンス?
 ……よし、とりあえず自己紹介でも──

 しかし俺がそんな下心をチラ見させている合間に、女は残りの酒を飲みきって席を立つ。

 「じゃ、アタシはこれで帰るのだ。またねー」

 呆気にとられた俺のことなど一瞥もせず、会計を済ませた女はあっという間に店を出ていってしまった。
 
 ……うん、俺も帰ろうかな。
 なんとはなしに、女が座っていた席を見るとそこに何かがある。
 
 ハンドタオルだ。
 さっきの女の忘れ物か?

 女が店を出たのはついさっきだ。まだすぐそこにいるだろう。

 ちょっと渡してくるか。
 ついでに連絡先でも聞ければしめたもの、などと考えてカウンターに少し多めに代金を置き、女将さんに声をかけて店を出ようとした。

 ハンドタオルを手に持ち、店の出入り口を空けようとした瞬間、女将さんがポツリと言う。

 「……やめておいた方がいいと思いますよ?」

 冷たい声だった。
 その顔からはまたも笑顔が消えている。

 「え……」
 
 中途半端な姿勢で動きが止まる。
 下心まで見透かされたような気がしてバツが悪い。
 
 戸惑いながら大将の方をみると、険しい顔。

 なんだっていうんだ?
 俺はただ、この忘れ物を届けようと──

 そう口にしかけた俺に、大将が女の座っていたカウンターを見るように促した。
 なんだろう、まだ忘れ物があるとでも……
 そんなことを思いながら女が飲み食いした後の光景を見て、俺の心臓がドクンと音を立てた。
 
 目に入ったのは、カシスウーロンがなみなみと残る2杯のジョッキ。

 うっすらと嫌な汗を感じながら、顔を近づけて小鉢の中を見る。

 卵豆腐は、角も崩れずにそのまま残っていた。 

 「……え?」
 
 間抜けな声が出る。
 ジョッキを空にするのをこの目で見たのに。
 美味しいといいながら卵豆腐を食べたのを、この目で見たのに。

 酒も料理も手付かずのまま残されていた。
 まるで、そこに誰もいなかったかのように……

 呆然とする俺に大将が聞いてきた。
 
 「……さっきの女の客、顔を思い出せるか?」

 そう言われてハッとした。
 体がさらに硬直する。

 思い出せない。
 
 席1つ分の距離で乾杯し、内心でスケベ心まで抱いた相手の顔が、まったく思い出せなかった。
 目元も、鼻の印象も、髪型さえも……
 
 「なんなんだよ、これ……」

 膝がガクガクと震えていた。
 ひとまず席に座ろうとして引き戸から手を離そうとしたその時、コンッと軽い振動が伝わってきた。
 

 ──いる。
 
 この薄い引き戸を挟んだ向こう側に、誰かが立っているのが分かった。
 
 振り向けば、曇り硝子にぼんやりと人影が映っていた。
 ハンドタオルを持っていたはずの俺の手には、数本の長い髪の毛が絡まり…
 
 背筋が凍りつくような感覚。

 恐怖に身動きができなくなった俺に、引き戸の向こうから冷たい声がかけられた。

 「追いかけてこなくてよかったわね?」

 その後しばらくの記憶はない。
 座りこんだ床でナニかを叫んでいたのはなんとなく覚えている。

 どのくらいそうしていたのか。
 女将さんに助けられて席に座りなおした俺は、水を一杯飲んでようやく落ち着いた。
 この一連の流れにまったく動じていない大将と女将さんに、必死の思いで声を振り絞る。

 「……カイダンを頼む客って、みんな、あーゆーのなんですか?」

 何を問いたいのか漠然としたこの質問に答えたのは大将だった。

 「いや、あーゆーのは少ないな」

 どーゆーのが多いんだよ、と聞き返す気力は、もう俺に残ってはいなかった……

 ~終~

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