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ASDはプログラマーの夢を見るか

タイトルの元ネタのSF小説は残念ながらまだ読んだことがない…と先に謝っておくのだが、しっくりと来る他のタイトルが見つからなかったため、このまま書いていこうと思う。
※なお、記事内の各引用部分については最後にまとめてURLを記載する。


ということで、今回はASDについて。

ASDのこと

NHKのサイト(きょうの健康)から引用すると、「「自閉スペクトラム症(ASD)」は、コミュニケーション・対人関係の困難とともに、強いこだわり・限られた興味を持つという特徴がある発達障害です」とある。
また、キズキ ビジネス カレッジさんのサイトからも引用すると「そもそもASD(Autism Spectrum Disorder、自閉症スペクトラム障害)とは、社会性・コミュニケーション・想像力の3つの特性に難のある発達障害の一種です」とある。

発達障害のなかのASDに関する本やサイトのとっかかりの説明は、概ねこんな感じで始まる。
私の場合でいうと、テスト後にASD(とADHD)と説明されたのだが、その後に調べてみて「当てはまるところは…それなりに…いえ…ありますね」と納得した。もっとも、すべて当てはまる…というわけではない(と思っている)のだが、Kaienさんのチェックリスト記事を参考にちょっと書き出してみると、

・堅苦しい話し方を貫く(そのほうが楽かなあと)
・身振り手振りが多い(意識してみると確かに多い)
・伝えたいことはあるが、口頭は苦手(そんなわけで溜め込む性分)
・曖昧、暗喩、皮肉などがよく分からない(分からないので自己防衛するために人の言葉を素直に信じられないときがある)
・うわさ話、陰口は苦手
・興味の範囲が限られ、他の人の話に関心を抱けない(特に芸能分野は興味がわかずに辛いときがある)
・悪気はないのに事実を言ってしまうことがある
・日々のルーティンやスケジュールが変わると動揺して頭真っ白(今は少なくなったが、かつては頭真っ白)

…あたりだろうか。特に、曖昧さが分からない&興味の範囲が限られているというのが強く感じている。

※余談※
Kaienさんのチェックリストもそうだし、よくある「発達障害診断テスト」で「思い当たるふしがいくつもあるから私もASD(ADHD)の気があるのかしら」というのはちょっと走りすぎな部分があるので、待ったをかけたい。困っている・気になるなら病院を頼るべきだと思う。「これだからこれ」というように一概には言えないというグレーゾーンもあるが、少なくとも未診断で「ASD(ADHD)っぽいんだよねー」と言うのは止めたほうがいい。ていうか、止めてほしい。


ASDとプログラマー

横道にそれた…。話を戻す、というか先に進める。

コミュニケーションが弱い、こだわりが強い、想像力に欠けるところがあるといった特性を持つ人が多いASDだが、そんな「ASDに向いている職業」としてよく挙がるのが「プログラマー」だ。

理由は、「感情的な表現よりも論理的かつ規則性に沿ったルールの中で物事を考える事を得意とする傾向がある」「興味がある分野に関して徹底的に強い集中力をもって没頭する傾向があり、根気強く作業を続ける事が得意」(atGPさんのサイトから引用)ということらしい。
ASDの特性をうまくメリット化するという考え方で、なるほどな、と頷けるところもある。
また、「静かな環境でひとりで作業できること」と「ルールやマニュアルに沿って進められること」(キズキ ビジネス カレッジさんのサイトから引用)ともある。
これも、なるほどなの部分がある。

しかし、だからといって「ASDにはプログラマー!」とまとめてしまうのは少し前のめりだと思う。何故なら、プログラマーといってもひとくくりにできないからだ。まあ、どんな仕事でも同じ仕事はないのだが。

ところで、「プログラマー」という職種はどんなものだろうか。プログラム言語を駆使してアプリケーションを作ったり、ゲームを作ったり、ホームページを作ったり…といったようなものがぽややんと浮かんだ…のは私だ。昔の。いや、今もかも。
システムを作る、というイメージを抱いた人もいるかもしれない。インフラから通販サイトやSNSまで、すっかり根付いて後戻りできない無数のシステムを構築する職種の「ひとつ」、と位置づけることもできる。

どちらも本当だし、他にもたくさん考えることができるだろう。ちなみに、後者はシステムエンジニア(SE)よりのプログラマーかな。


さて、このプログラマーという職種、本当にASD向きなのだろうか?
コミュニケーションをあまり取らずに、曖昧さもなく、ひとりで黙々と…できる職種なのだろうか。

私の答は「うーん、それだけをメリットとして目指すのはたぶん怖い」だ。


私はかつて上述した「SEよりのプログラマー」だった。会社的にはそこから「SE」にしたいと思っていたのだろうが、その前にばたんと倒れてしまったため、会社側の意向には添えずに終わってしまった…。
※SEの定義も難しいなーと思う。私の所属していた会社は、企業さんの情報システムを構築するということを柱としていた。いわゆる「SIベンダー」というやつだ。

ひとりではなくプロジェクトで動くことになるから、当然コミュニケーションは必須となる。お客様と話すことだってままある。また、仕様が曖昧だったり出てこなかったりそもそも説明もなかったりいきなりやれって言われたりスケジュールが突然悪い方向にひっくり返ったり…今はこういうこと少ないのかしら。
とりあえず、コミュニケーションは取らねばだし、曖昧さは設計があってないような悲惨な状況だったら必至だし、自分のペースで黙々とできる時間は一瞬だ。
たぶん、アプリやゲームやホームページを作るプログラマー(ごっちゃに書いてて怒られそうな気がしてきた)も同じ感じだと思う。

私の場合、お客様と話すのは緊張したけれども好きだった。だが、曖昧だったり説明がなかったりするのは堪えた。強いこだわりもあったから、プロジェクト毎にチームメンバーも就業場所も使う言語もお客様も中身も全とっかえになってしまい、ついていくのがやっとだった。緊張もすごかった。
(堪えたことは他にもあって、プロジェクトとプロジェクトの合間にぽっかり空いた「仕事が何もない状態が続く」のがどうにも耐えられなかったというのがある。仕事がないって辛い。残業だらけも嫌だが)


興味があるなら、おいでおいでの職種だと思う。それこそ過集中になるほどの集中力を持つASDなのだから、自分の組み立てたロードマップどおりに勉強した末に高い技術力を身につければ頼られる存在となるだろう。
同じことをぐるぐる繰り返すのが好きという側面もあるが、ぐるぐる勉強していくうちにその努力が実って「向上心がある」と見られることもあるだろう。

とはいえ、先にも書いたが、プロジェクトで動くのならコミュニケーションはがんばらなきゃだし、曖昧さを読み解くためにはやっぱりコミュニケーションだし、ひとりで黙々できるのは一瞬だ。

結論?

そんなわけで、「苦手な部分も少し出てくるんだよということを頭の片隅にちょこんと置いたほうがいい」という結論をようやく提示できた?ところで今回は終わりたい。
(できない・苦手ということを伝えるのも、コミュニケーションだしね…。うまくできれば苦労はしないんですけどね)

…あー、結論から言えってよく言われるのにぐだぐだとなってしまったー。

引用・参考記事

atGP:発達障害の人はプログラマーに向いている!発達障害とプログラミングの関係と相性とは
キズキ ビジネス カレッジ:ASDで仕事が続かない人必見!ASDの人ができる仕事の工夫と適性
Kaien:発達障害に向く仕事・働き方 ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)編
Kaien:大人の発達障害
NHK:大人の「自閉スペクトラム症(ASD)」とは?特性の理解が大切!

おまけのひとりごと

でもプログラム組み立てたりするのが楽しいのは事実だったり。下流工程だったら好きだなあ。

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