1グラムの歌

「雨が上がる時、空に七色のイリュージョン」
なんと美しい表現だろう。

天才尾崎亜美の作詞作曲
槇原敬之とのデュエット

幼い頃、学区の一番端のともだちの家に行った帰りの自転車でチェーンが外れた。フレームと後輪の歯車の間に食い込んだチェーンはびくともしない。どんどん暗くなって土砂降りの夕立の中焦って外そうとするがうまく行かない。指は油まみれ、ずぶ濡れになってこの世の終わりを感じた。

絶望を感じたのも束の間、あんなに降っていた雨がピタッと止み、びしょ濡れになるとかえって清々しく気持良いと知った。すると強い夏の陽射しが戻りチェーンも直り、家路に向かう心も軽い。辺りも少し涼しく心地よい。

陽射しの正反対側は振り返らなかったが、そこに Rainbow があったはず。

まさに冒頭の表現がぴったりの気分。

成功ってほんとに虹のようなもんなのよ。その麓に行くとないの。遠くの人からは虹の麓にいるふうに見えても――そこは雨が降ってるだけで

松任谷由実

人生いろいろあるから面白い。

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