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<ワシ>のろのろ

ワシです。

せんだって、精巣がぱんぱんに腫れ上がった。
人生ではじめて泌尿器科なるところへ赴き。
胸元からネックレスをちらちらさせる嫌いなタイプの男性医師に、ふいふいと精巣をもてあそばれた。
あ、今って睾丸って言わないらしいね。医学界隈では精巣でそろえてるらしい。
それはさておき。

けっきょく精巣に異常はなかったのだけど確かな痛みはありまして。
はしご医者を4軒ほどして言われたのは、ふつうの風邪じゃないかと。
ふざけちゃいけんよ、あたしゃ風邪なんてと思ったけど、たしかに熱が出ていた。

でも熱なんてどうでもよくて、精巣も万歩ゆずってまぁよしとして、一番つらかったのが全身の痛みなのです。
全身をつらぬく筋肉痛。
手も腕も腹筋も腿もふくらはぎも。
漏れなく痛んでまして。
10年くらい駅前に放置されている自転車のようなコキュコキュ錆び。
それくらい身体が動かなかった。

なんかまぁ罰が当たるようなことをここ2週間ほどしていたので、畏怖なる者によるなにがしかの罰かなと。
しかしこれは皮肉なもんですな。
深夜の京都から明け方の東京まで、ひょひょいと尻軽に動いてきたあたし。
出不精らないことこそが、あたしのアイデンティティと言っても過言じゃないくらい。
それくらい足で稼いできたと思うの、おもしろいことを。

そう、改めて、身体の自由を奪われるというのは致命的だなと思った。
「のろのろビーム」なるものがもしあるのなら、あたしあれが一番イヤだ。
もちろん、その身体に慣れればどうにかなるのかもしれない。
なにかしら代替できるものが備わるのかもしれない。
だけども動けない身体、精神になった日を思うと、呼吸が苦しくなった。

いちばん奪われてきついのはなんだ?

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