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「こうしているうちに体は動かなくなる」日記|小野寺

いじっぱりで褒められたくて評価されたい、これにおいて単なる無能だという事実を知られたくないから、私は小説を書くことを先延ばしにしているのだ。下手ってことが分かるから。めんどくさいわけじゃない、だってどうやったって褒めてもらえる同人誌はセコセコ、誰に言われなくても作るじゃん。
小説を書かなくても生きていけるから、全然、今、生きている。でもずっと、逃げている。逃げなければじゃあ面白いものが書けるのか?と言われたら別に書けないんだろうけれど、人生のうちこんなにやってみたいことがあるなら書くべきだ。実際書いた。公募で静かに落選してきた。今年は何の賞にも応募できていない。
文章を書くことは嫌いじゃない。これからどうなりたいですか?って言われたら、小説を書ける人間になりたいです、って一番に言う。それはなんというか、小説家になりたいです、という言葉だけの話じゃなく、自分がうまくできないことを解決できた自分になりたいので。
会社員からライターの仕事を始めて、もうじき5年になる。昨年、フリーになった。何か勝手に安心した気になっているけれど、自分の肩書きが大きく変わっていないことに愕然とする。

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