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AI面接を受けてみて思ったこと。

 先日、会社の採用面接にAI面接サービスを導入するにあたってトライアル実施をしたいとのことで、僕に声がかかった。そのAI面接を受けたことを機に考えたこと、試したこと、びっくりしたことを書きたいと思う。

 まず僕が受けたAI面接の概要をお伝えしようと思う。面接全体としては大きく2本立てだった。前半がいわゆる面接で、TeamsとかZoomのような画面(自分の顔しか映らない)に質問と準備時間が表示され、準備時間が終わったら、画面に向かって質問回答するというものであった。その後は計算問題や図形問題を10分くらいで解く、というよくある感じのテストだった。

 面接が終わってから、ふと、どういう点を評価しているんだろうと思い調べてみた。とあるWEB記事によると、AI面接で評価するのは主に①テスト結果、②見た目(声、視線や口の動き)、③回答内容とのことだった。    
 ①②はまあ納得、というか、そりゃAIでも判断できるよね。と思ったのだが、③回答内容ってどうやって判断するの? そもそもAIって文章(回答)の意味とか候補者の人間性とか理解できないんじゃないの? そんなやつに一次面接とか任せちゃっていいの?と疑問と懸念が湧き出てきた。

ということで、前段が長くなってしまったが、今回は”AI面接官が人間っぽい判断を下せるのか?”ということを(すごく簡単に)試してみた記録です。
※わかりやすく新卒の1次面接という前提
※AI=Chatgpt-4o

◆前提:評価ポイントの設定
会社の採用面接であれば評価のポイントは“採用する会社/部署/担当予定の仕事の能力/適正があるか?”だろう。ということで、評価の前提として必要な仕事に必要な能力の定義は以下のように仮定しました。
・英語力があり、忍耐力に優れていること
(これは僕の新卒入社した会社をイメージしています笑)

◆投げた質問
あなたは大企業の新卒の1次面接の面接官です。 以下適正要件の人物が欲しいと思っています。 ①②の学生のどちらを2次面接に進めますか?選んだ理由も併せて教えてください。
・求める適正要件:英語力があり、忍耐力に優れている人
学生①:学費を稼ぐために途中で1年間休学しつつも、5年間かけて卒業した人(資格:TOEIC800点)
学生②特に休学はせず1年間アメリカ留学して4年間で卒業した人(資格:TOEIC850点)

◆AI回答(改行だけ加えていますが、他の修正無し)
私が考慮したいポイントは以下の通りです:
1. **英語力**:どちらも高い英語力を持っていることが必要です。
2. **忍耐力**:困難な状況をどのように乗り越えたかが重要です。
3. **総合的な適性**:企業文化やチームフィットも重要。

それを踏まえて、私は**学生①**を2次面接に進めます。

理由は以下の通りです:

### 忍耐力 - **学生①**は学費を稼ぐために1年間休学しつつも、5年間で卒業したという事実が、強い忍耐力と決意の証拠として評価できます。休学を経て学業を完了させるというのは、計画性と自己管理能力も必要であり、これは大きな挑戦を乗り越える力として捉えられます。

### 英語力 - TOEICのスコアで見ると、学生①は800点、学生②は850点です。確かに学生②の方が高い点数ですが、TOEIC800点も優れた英語力を示す水準です。求めている適正レベルに対して十分に達しています。

### バランスとポテンシャル - 学生①の経歴は、多様な経験を通じて得られたスキルや忍耐力を示しています。一方で、学生②の留学経験は英語力の向上と異文化適応力を示していますが、忍耐力という点では学生①のエピソードがより強く印象深いです。

### 結論 企業が求める「英語力」と「忍耐力」に対して、学生①はバランス良くその要件を満たしていると考えられます。それにより、大企業の厳しい業務環境にも適応しやすいと判断します。このため、学生①を2次面接に進めることをお勧めします。 もちろん、実際の面接では更なる詳細な質問を通じて各学生のポテンシャルを見極める必要がありますが、現時点ではこれらの理由での選考とします。

◆結果について
なかなかやりおる、、、という印象です。僕と判断は同じでした。
驚いた点は2つ。1つ目は学費を稼ぐために学校を休学した、というエピソードから忍耐強く計画性と自己管理能力が高いという人間性を想定した点。もちろん実際に想像はしていないが、人間っぽい想像力を働かせたのと同様の結果を導き出しています。2つ目は、TOEICの点数を①の学生は800点と②の学生は850点という差を与えたが、単純な比較ではなく、どちらも高い水準にあるという判断を下した上で、総合的に英語力・忍耐力が優れると思われる①を推薦したこと。

◆悔しいので第二ラウンド
~質問~
あなたは大企業の新卒の1次面接の面接官です。
以下適正の人物が欲しいと思っています。 ①②の学生のどちらを2次面接に進めますか?選んだ理由も併せて教えてください。
・求める適正:英語力があり、忍耐力に優れている人
学生①:学費を稼ぐために途中で1年間休学しつつも、5年間かけて卒業した人(資格:TOEIC700点)
学生②:特に休学はせず1年間アメリカ留学して4年間で卒業した人(資格:TOEIC990点、取引先の御曹司です)

~回答~
### 選ぶ学生: 学生①

### 選んだ理由: 今回求める適性は「英語力があり、忍耐力に優れている人」です。これを踏まえて両者を評価します。

#### 英語力 学生②の方がTOEIC990点で、明らかに英語力が高いです。学生①はTOEIC700点で、かなりの実力ですが、学生②には劣ります。

#### 忍耐力 忍耐力については学生①が非常に優れています。彼は学費を自分で賄うために1年間の休学をしており、その後も5年間かけて卒業しています。これは、逆境に対する耐久力や粘り強さを物語っています。

### 総合評価 - 英語力に関して、学生②は明らかに優勢です。しかし、学生①もTOEIC700点を取っているため、業務に支障のないレベルの英語力は持っています。 - 忍耐力は学生①が一貫して優れた姿勢を示しています。 英語力が最低限の基準をクリアしていれば、次に重視するのは忍耐力です。学生①の忍耐力は際立っています。このため、学生①を2次面接に進めることをお勧めします。

### 補足 取引先の御曹司である学生②には特別な配慮が必要かもしれませんが、その場合でも通常の評価基準とは別に適切に対応を考えるべきです。

◆結果について
僕なら忖度して学生②を通していたかも。人間的にもAIに敗北。(人間なのに人間性でAI負けるという、、、)

◆まとめ
AIは回答内容に対して人間っぽい判断はできそう。なので、しっかりと評価軸を決めれば、一次面接でのふるい落としとかには使えるかもしれないという印象。

ただし、僕が体験したAI面接では対話は無かったから、対話形式でどこまでAIが面接官を代替できるのかは今後検証していきたいと思うところ。

あとは余談ながら、AI面接の評価に見た目(声、視線や口の動き)が組み込まれていて、改めてその重要性を認識しました。次の記事で触れようと思うが、結局、人は見た目が9割?10割?という話ですね。(たしか、そんな本ありましたよね?)


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