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店長は寿司を作るな、教師は赤ペンを持つな

はい、ヘンテコなタイトルになっちゃいましたが、最近思うこと、やってることをnoteに書きたいと思います。

えっと、まず「店長は寿司を作るな」という言葉、前職((株)びっく◯ぽん)でよく言われていたことなんですよね。

どういうことかというと、マネージャーである店長は、目先の作業(店長が寿司を作る)をするのではなく、大局的な管理に徹せよということです。

20人以上で運営する店舗において、店長1人の作業でプラスされることは軽微です。それによりもっと大切な全体のスムーズな運営が疎かになったらダメだろバカやろうということです。

前々から思ってたのですが、これって教師も同じだなぁと。

算数の習熟のシーンを例に見ていきましょう。

「学び方」にフォーカスする

今年で10年目になりますが、そのキャリアの多くの時間において

習熟=プリントいっぱいやらせて丸つけして直しをさせること

と思っていました。

そうなると、できない子の個別フォローに周り、溜まってきたプリントの丸つけをしたり、結局、クラス全体が全く見えないまま、無戦略に目の前のことをやるだけになっちゃいますよね。そして時間切れになり大量のプリントを放課後に・・・というパターン。

Where is my HATARAKIKATAKAIAKU?

そもそもの目的から見つめ直しましょう。

習熟の時間の目的は僕の中で次の2つです。

①できないことができるようになること

②算数というコンテンツを題材として学び方を学ぶこと

そう考えると、できる子もできない子も全員が一律のプリントをやることってすごく不自然ですよね。

そこでこのような流れでやってみています。

①プレテストをする

②自分で丸つけをする

③自分ができないところはどこなのかを分析する

④自分に必要な練習をする

いわゆる #けテぶれ  ですよね。

(ご存知ない場合は、GoogleやTwitterで検索を)

こうなってくると教師の仕事はクラス全体を俯瞰して全員が学びに向かえているかを確認し、できた子ができていない子をフォローしてくれるシーンがあれば価値付け、手が止まっている子がいたら周りの子に声をかけるなど、学びの場を作っていくことへとシフトしていきます。そして子どもが自己調整を働かせて学びに向かえているかを観察します。

そう、赤ペンを持つことよりも、子どもたちを『観察する時間」が大切なのです。


まずは授業のはじめに全体で確認します。

この一時間のゴールは何なのかを。

それはこの単元の問題が解けるようになることだと(

そして個別でプレテスト()のスタート

黒板に貼った答えを見て、子どもたちが自分でプレテストを丸つけするシーンをとにかく観察します。そして、どこをどう間違えたのかをしっかりと自分の言葉で分析()できているのかを確認します。できていたら必ず価値づけします。できていなければファシリテートします。

その上で、自分に必要な学習()を自己調整を働かせながら取り組みます。ポイントは自分の苦手な部分にあったプリントができるよう、複数種類のものを細切れで用意することです。同じプリントを2回やる子もいるでしょう。別にプリントじゃなくても、教科書の問題をもう一度やるでもいいです。

また、もうその単元が完璧なのならば、次の単元の学習を教科書を見て勝手にやるのもオッケーです。

なお、下の図はよく目にするものですが、これを見るに教師が全てにおいてやることを定め自己調整を認めないと、『主体的に学習に取り組む態度』は誰1人としてAになり得ないと言う問題が生じます。

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お花畑にあらず

と、こういうことを書くと

Q「子どもは答えを丸写しするのではないか?」

Q「自分に合った練習をするのは無理なのではないか?」

Q「発達段階や学級の実態によるのではないか?」

といった質問が決まってきます。

「んなもん当たり前!」

子どもはサボろうとするし、まだできないこともあります。

実態にもよりけりです。

そんなお花畑ではありません。

だからこそ、泥んこになりながら、目的を語らないといけないし、学び方を教えないといけないと思います。

GIGAを見据え、軸足を『学び力』へ

コンテンツ(学習内容)からコンピテンシー(学び力)へって話、一人一台のタブレットを目の前にした今、とにかく重要になってきます。

教師が「はい!タブレットでドリルの○○番をやりましょう」

ってやってたら、本質的活用に全くならないですよね。紙でやっていた時よりも遥かに効率的に個別学習ができるのに、全部こちらで一斉に指示していたら子どもたちの『学び力」を高めるチャンスを失ってしまいます。

またタブレットが届いてすぐにそういった学習観が一朝一夕に身につくものでもありません。だからこそ、今からスタートすべきだと思います。

そうでないと、4月からファッションGIGAスクールになる教室が続出するはずです。

教師が全て一元管理してローラー作戦的にプリントをやらせていた時よりも点数は落ちることもあるでしょう。でも、本質的に大切なことは今、何でしょうか。

葛原大先生もこうおっしゃっています。

はい、ありがとうござました。

宿題問題は授業内で学習の『観』を育てることが第一歩

先日、工藤勇一校長のFacebookの内容を転載したらプチバズになりました。これは、かなり世間の多くの人たちが宿題に憎しみを抱いていることの証だと思います。

宿題をなくす、なくさないという白黒の議論はナンセンスだと思います。

根本的な問題は「全員が一律の宿題」にあるわけです。

だからといって、いきなり「はい!では自由に勉強してきてください」と丸投げしても、やっぱりできないですよね。

だからこそ、学校の授業内において個別学習の観を育て、自律的な宿題へとシフトしていくことが大切なのだと思います。