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トレードオフ〜殻を脱ぎ捨てる〜

トレードオフとは?


トレードオフと言う言葉をご存知でしょうか。

これは、こちらを立てればあちらが立たずといった状態を示すものです。どちらかを諦めることでどちらかを確実に勝ち得ていく、そういったトレードオフを前提とし選択と集中をしていくことがICT活用でも大切になってきます。しかし、このトレードオフと言う考えは学校が最も苦手とするものだと感じています。例えば新たなAという取り組みをしようと言う提案があった時、でもBのような問題が起こるからあーだこうだと言って結局何も変わらない、逆に Aを廃止しようと言う意見が出ても、でもBができなくなってしまうどうたらこうたらとなんて言うシーンは日常的にあるのではないでしょうか。そして、結局何も変わらなかった。これはトレードオフと言う考え方が学校に浸透していない事が背景にあると考えます。

カタツムリとナメクジ、進化系は?


ところでここでクイズです。カタツムリとナメクジ、より進化した生物はどちらでしょうか?







答えは、ナメクジだそうです。

実は進化の過程で、カタツムリはそのシンボルである殻を脱ぎ捨てナメクジとなったのです。おそらく、この時かたつむり界では大きな議論が巻き起こったのではないでしょうか。我々の象徴たる殻を脱ぎ捨てるなんてけしからん。これがなければ外敵から身を守れなくなる。知らんけど。

外敵から身を守ると言う殻のメリットに対して、実は殻を維持する為にも摂取する必要性や、狭いところに隠れられないといったデメリットがあったのです。そこで、殻を捨てることで、それを維持するためのエネルギーをカットしたり、狭い所へ自由に侵入できるようになったりといったメリットを勝ち得たわけです。

この殻にまつわるメリットとデメリットの2つを天秤にかけ、殻を脱ぎ捨てナメクジが登場したわけです。

これって、生物の世界ではよく見られるようで、トカゲのような手足を持った爬虫類からは手足を捨てた蛇という生き物が生まれました。そういえばフリーザ様も変身するうちに最終的につるんとしたシンプルな姿になっていきましたよね。

トレードオフとICT


はい、ではこの舞台を学校のICTに関することに当てはめていくと、ブロックと言う例が真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか。

例えばAのアプリを使いたいがブロックされて使えない、その結果そのアプリに関するトラブルBは起きなかったとしましょう。しかし、本当にこれで良いのでしょうか。ICT教育の世界は日進月歩です。ものすごいスピードで新たなアイディアを下にした教育が生まれそれに対応していく必要があると考えます。ここで、トレードオフを働かせず、ひたすら守りに入っていくとどうなるのでしょうか。そうなると、結局誰もタブレットを使わないと言うとんでもないマイナスを生み出す可能性があるのです。実際にそういったことが起こっていることも全国で見られるようです。


学校のICTは過度にリスクを恐れる殻を脱ぎ捨て、子供たちが自由に学びを展開できるナメクジ化を目指す必要があると考えます。