寛大協会

 パソコンがフリーズしてイライラしていると、肩を叩かれた。振り返るとオッサンがいた。
「ちいさな事でプリプリ怒りなさんな」
「誰だ?」
「わたくし寛大協会会長、出海心(でかいこころ)です」
 胡散臭さ満点だ。
「宗教の勧誘ならお断りだよ」
「そういうところです」オッサンが人差し指をぼくに向けて決め顔を作った。「心の器がちいさい。そこで我が寛大協会のビッグ法です」
「ビッグ法?」
「例えば“粗大”ゴミ。彼らはただ捨てられたわけではありません。それはそれは“壮大”な冒険の末、行き着いた先なのです」
 話が見えてこない。
「そして“眼帯”。片目を隠す事により見えてくるのです。そう、心の“寛大”さの重要性が……」
 ははーん。
「親父ギャグか」
「失敬な! 寛大協会を何だと思っているのですか!」
 心の器ちいさいじゃねーか。
「というか、あんた不法侵入だぞ」
「そ、そこは“歓待”して下さい……」
 できるか!

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