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広すぎる霊園のそばのアパートに住みたい(スピッツ/猫になりたい)

広すぎる霊園のそばの 
このアパートは薄ぐもり
暖かい幻を見てた

スピッツ『猫になりたい』

スピッツ『猫になりたい』の一節である。

これを聞くたびに、広すぎる霊園のそばに住みたくなる。なぜこんなにも情動を喚起するのか?

歌詞を順に見てみる。
以下、特記しない限り出典は全てスピッツ『猫になりたい』である。

灯りを消したまま話を続けたら
ガラスの向こう側で星がひとつ消えた
からまわりしながら通りを駆け抜けて
砕けるそのとき時は君の名前だけ呼ぶよ

前半は部屋の中にいるらしい。「君」とふたりでいるのだろう。なんだか暖かそうだ。

後半では急に外を走っている。急に寒そうになる。この寒暖差と「砕ける」という不穏な表現がリンクする。
これは「君」がいなくなったからなのか?だから「君の名前だけ呼ぶ」のか?

広すぎる霊園のそばの 
このアパートは薄ぐもり
暖かい幻を見てた

そしてこれに続く。
また部屋の中にいる。
「暖かい幻」とは何だろうか?「からまわりしながら通りを駆け抜け」ることか?

でもそれは暖かそうじゃないから、違う気もする。
逆に「君」と話している方が幻なのかもしれない。
それどころか、「僕(?)」は部屋の中にさえいないのかもしれない。外から「君」のアパートを見て妄想している。

また寒暖差の話をすれば、「広すぎる霊園」は「薄ぐもり」であることもあいまって、かなり寒そうだ。一方で、「このアパート」の部屋の中は、さっきの歌詞からずっと暖かそうである。

この寒暖差が情動に刺さっているのかもしれない。

そしてサビに入る。

疲れたので筆を置きます。

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