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海外でワーママってどうなの?

サルタックブログへようこそ、理事のイトウネシア杏子です。

私はよく、

「海外で働きながら子育てって、出来るの?」「しかも、ワンオペ?」

と、聞かれます。

そこで今回は、女性で海外で働きながら子育てをしている自分の実体験に基づき、良い点悪い点含め実状をシェアしたく思います!

海外と言っても居住地によって変わることも多く、また働く環境や家庭の状況も人それぞれかと思いますが、あくまで一例として、、参考になればです。

まずは、私のケースを簡単に以下に。

インドネシアの首都ジャカルタ在住、JPOとしてユニセフインドネシア事務所勤務。JPO開始後に妊娠、半年の産休を取り日本で出産後、4ヶ月の息子を連れてジャカルタに戻り、息子5ヶ月の時に復職。一歳児の息子と基本二人暮らし、夫は仕事が日本ベースのため年に数回ジャカルタを訪れる。

といった状況で、以下海外でのワーママ体験感想!

良い点

  • 他人の手を借り安い
    これは海外、特に途上国での生活ならではですが、人件費が安価なためナニーさんやメイドさんを雇い、子どもの面倒を見てもらえます。私は、現在幸いにも二人のお手伝いさんにより、育児及び家事全般に渡り、週末含め完全サポート体制を構築しています(時々実の家族が来ると、入る隙間が無いと言われるほど、、)。息子も非常に懐いており、息子からすると母親が三人いる感覚?ではないのかと思う程です。ただ、今のお手伝いさんは住み込みではないので、夜間は基本自分一人なのと、出張など外泊時は日本にいる家族のサポートなどの調整が必要ですが。それ以外は本当に任せっきりです。そのお陰で、私は安心して平日は仕事に出て、休日も適度な休息や外出が出来ています。感謝しかありません。

  • 人がとにかく暖かい
    インドネシアの人たちはとにかく子どもに優しく、住んでいるアパートでも街の中でもとにかく皆暖かく声をかけてくれます。アパートの清掃スタッフ、レストランの店員さん、通りがかりの人など、男性含めみんな揃って優しいです。電車で息子が泣き叫んでいても、白い目で見られることなども経験したことがありません。職場でも毎日の様に、「息子はどうだ」と聞かれ、写真を共有すると皆お見事な反応を示してくれます。

  • 広々とした住環境
    ジャカルタの家は基本東京などの家と比較しても、広々としています。その恩恵を受け、息子は高速ハイハイで家の端から端まで何往復もして、背筋を毎日鍛えています(と言っていたら、最近歩き始めました)。プールやお庭もあり、年中暖かいので外でも毎日伸び伸びと遊べます。そんな広々としてゆったりとした環境の中、どんなに子どもが騒いでも近所に迷惑が、、なんてことを気にしたことがありません。

  • 異文化にどっぷり
    これは海外で育てるメリットトップワンに入る位に良い点だと感じています。インドネシアという自分の生まれた国の外にいることだけでもそうですが、インドネシア以外の国にルーツを持った海外の人と接する機会も日常茶飯事です。住んでいるアパートでも、最近通い始めたデイケアセンターでも様々な国の子どもたちが混ざり、実に多様性豊かです。言語にも、インドネシア語、英語、日本語と脳内カオスかもしれませんが、日々3言語に常に触れている状態です。「異」が混じり合う日常の中で、多様な世界を知り、それと同時に「みんな人間は同じ」という感覚が自然と湧くのかなと思ったりしています。

  • 周囲の目が気にならない
    これは、私自身にとってのメリットとなりますが、母親としての自分に対する他人の評価が一切気になりません。周囲にも似たような環境の人(ワーママ、お手伝いさん雇用)が多いからという理由もあるかもしれませんが、働いていて、育児も家事も他人に任せっきり状態でも、誰も何も言わないどころか、それが当然といった文化があります。その点は、所謂母親プレッシャーが無く、非常に楽です。あ、でも日本に帰国時は、一瞬肩身が狭い感覚に陥りました。

たくましく育っていく息子の背中。(オムツは後前)

苦労する点

  • 家族がバラバラ
    これは勿論、その家族によって異なるかと思いますが、私の場合は夫婦共働きで、夫は日本ベース、私はインドネシアベースのため、基本家族は別居状態で、時々(ざっくり四半期ごとくらい?)夫がこちらを訪れる状態。そのため、息子と二人の生活状態が基本で、夫が来ると特別?追加的?な感が出ます。精神的にもワンオペ感はあります(日本の真ワンオペされている方と比較したら申し訳ないレベルですが)。夫だけでなく、双方の両親や兄弟なども含め家族とも離れているため、豪速で成長していく子どもの姿を見せてあげられないのは心苦しいですし、純粋にもっと家族と過ごしたいなーと思います。

  • ママ友がいない
    基本仕事中心の生活のため、普段他のお母さんたちと出会う機会がありません。例えば、日本だと公園や保育園などで親同士の繋がりも出来ていくのかと思いますが、最近通い始めたデイケアセンターにもお手伝いさんに連れて行ってもらっているので、所謂ママ友が全く出来ません笑 日本にいる場合、元々の友人で母親の人も沢山いるので、子連れで会うこともすぐ出来ます。同僚で母親の人も勿論いますが、やはりそもそもの友人の数が圧倒的に少なくなるのが海外在住の特徴かなと思います。更に、こちらにいる日本人に限定すると、駐在妻として住まれている方が圧倒的に多く、ワーママと出会うことは皆無に等しいです。積極的にママ友探しをすれば良いのでしょうが、そんなエネルギーも無いのが実情です。。

  • 食、水、空気の質
    子どもの健康に直接的に影響を与える最も身近な存在、食べもの、水、大気の質や安全性はやはり気になります。なるべくオーガニックを選ぼうとも、選択肢は限られたり(そもそもいちいちケアしている余裕も無い)、お肉や魚もどこから来ているのか、またその野菜などを洗う水、飲み水、プールやシャワーの水などなど気にし出したら止まりません。また、ジャカルタの大気汚染は世界でもトップクラス。ここに長期的に入れば、間違いなく体に害を及ぼすでしょう、、、この様な途上国ならではの社会課題は密接に子どもの(自分にも)生活に関係していると感じます。

  • 医療の問題
    そして、それは医療問題にも。経済は急速に発展しているインドネシアですが、首都でも医療の質は悪いと言われているこの国で、何かあった時、特に緊急時の際は気になります。息子が0歳児で初めて風邪に罹った際に、こちらの小児科で処方された小児用シロップ。これが数ヶ月後に、インドネシア国内の乳幼児が腎不全に罹るという症例が発表され、大問題に。。問題のシロップの種類は特定されなかったのですが、、可能性があるシロップを既に飲んでいた息子、、一瞬血の気が引きました。こういった事例からも、やはりこちらの薬や医療は信用しきれない状況です。

  • 限られた子どもとの時間
    これは、海外に限らず働くお母さんであれば誰しもが感じることかもしれませんが、子どもがまだ幼いうちにお手伝いさんや保育園などに預けて、平日は基本仕事、となると、当然ながら子どもと接する時間が少ないです。朝息子を起こすのと、夕方に仕事から帰宅後の、お風呂から寝かしつけまでの時間が唯一の子どもと過ごす時間で、一日計2時間にも達しない程度でしょうか。週末は時間がありますが、自分の休養ややりたいこともあり、お手伝いさんにも日中はお願いしています。この幼くて可愛い時期にもっと成長を見守りたい、もっと一緒に遊びたい、などといった願望とは常に戦っていて、今もまだよくバランスが分かりません。かといって、育児をもっと自分でやれと言われても、それはそれで出来る自信がないのですが、、

以上、現在の私が思うままに書き連ねてみましたが、如何だったでしょうか。

まとめ

女性でも海外で働きながら子育て(実質母親一人の場合でも)は可能ですし、日本より楽なことも場合によっては多いです。勿論大変なことも沢山あります。私も実際、息子が一歳になるまでは、心身共にバランスを崩していました。女性だから苦労する部分も多く、キャリアとの両立に何故自分だけがこんなにも負荷を負わなければならないのかと、苦しんだ時期もありました。

でも、ここまでやって来れているのは、紛れもなく周囲の支えの力です。心から信頼出来るお手伝いさんが身近にいてくれて、常に理解し暖かく見守ってくれる上司や同僚、数少なくても励みになるママ友(同僚)、そして日本から理解し応援してくれている家族や友人(そしてこのサルタック理事メンバーも!)の存在、そんな強力な応援団が一人でも多くいることで初めてやっていけているんだと感じています。

もし、これから海外ワーママ予定の人、将来的に考えている人などいたら、迷わずにまずは是非チャレンジしてみてください!そして、どんどん周りを頼ってください。

そうすれば、きっと道が開けます。

今日もここまで読んで頂き有難うございました。

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