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新型コロナで失われたネパールの子供達の学びを取り戻すためにpart2

日本の皆さん、こんにちは。現地スタッフのビッキー・シュレッサです(訳:畠山)。今回は、我々が取り組んでいる、「新型コロナで失われた子供達の学びを取り戻すための学習センター」の進捗を報告したいと思います。

今月は、学習センターで子供達を教えてくれるサティ達の採用を行いました。子供達にとってベストのサティを採用するために、いくつものプロセスを経て採用を行いました。まず、8つの学習センターの運営に対して73もの応募がありました。その中から志望動機書と履歴書を基に20人の候補者を選びました。そして、その20人には選抜のためのワークショップに参加してもらいました。

ワークショップの様子

5月21日に、我々が活動するパタン市内のTika Vidyashram高校の施設をお借りして、ワークショップを開催しました。この「子供達の学びの遅れを取り戻す」ための研修を通じて、20人の候補者の中から実際に学習センターで子供の支援をしてもらう10人を選ぶ事にしました。しかし、実際にこの研修に参加してくれたのは16人だけでした。

ワークショップでは、サルタックの理事であり、子供に優しい教授法の専門家であるDipendra Bhattaさんに講師を務めてもらいました。ワークショップではまず、なぜこの活動が重要なのかを理解してもらうために、サルタックとこの学習センターについてお話しました。

その次に、演劇についてです。16人の参加者を3つのグループに分けました。そして、学習センターに関するお題をそれぞれのグループに与えて、演劇をしてもらいました。これは遊びを通じた学びには欠かせない要素です。

演劇の様子

次に、なぜ子供達が読み書きを充分に身に付けられていないのかを話し合いました。まず、参加者16名に子供達の学力が低い理由を議論してもらい、次いで解決策についても議論しました。最後に筆記試験を実施しました。筆記試験は、子供達の学びが新型コロナ禍でどの程度遅れてしまったのかを測定するアセスメントを、実際に解いてもらいました。このようなプロセスを通じて、最終的に10人のサティを選抜しました。

6月29日からは、10人のサティ達とTika Vidyashram高校の先生達に15日間の研修を開始しました。この研修を通じて、10人の候補者の中から実際に8つの学習センターで子供達の支援にあたってもらう8人を選ぶ事になります。残りの2人は、90日間運営する学習センターの途中でサティの誰かが辞めてしまった時に代理で入ってもらう事になります。

15日間の研修の始まりです

残念ながら研修には9人の候補者しか参加しませんでしたが、この9人の候補者はそれぞれに独自の強みがある多様性を持っています。例えば、ある候補者は詩を作るのに長けていますし、読み聞かせが上手な候補者や、クリエイティブな人、また学ぶ事が得意な人や学習支援の長い経験がある人、など様々です。この9人の候補者たちは、15日間の研修を通じて子供達の学習支援のために必要な様々なスキルを身に付けていきます。このような多様な候補者の中から選抜を行う作業は中々に大変ですが、研修が終わった時にはベストのサティを選ぶことが出来ていると信じています。

このようにサティの採用は、幾つものプロセスを経て厳密に行われるものですが、もう少し多くの人数を研修に招待できていれば良かったなと思います。なぜなら、研修を受けた人材は学習センターに従事してもらうか否かに拘わらず、将来優秀な教育支援者になってくれるはずですし、やはり多くの人達の中から選抜が出来ればそれだけ優秀なサティに教育支援に当たってもらう事が出来ると思うからです。

(畠山)このように、学習センターの実施にむけて着々と作業を進めていますが、最後にビッキーが言及した研修を受ける人数については、予算不足で人数を絞らざるを得ませんでした。来年の研修では、現地スタッフ達が満足するだけの人数に研修を受けさせてあげられるように、皆様のご支援を賜れれば幸いです。先日、途上国の子供達の7割は満足に読み書きできない、即ち、途上国の公立学校に通う子供達は殆ど何も学べていないという衝撃的なニュースが流れてきましたが(世銀のプレスリリース)、この問題に皆様と一緒に取り組んでいきたいと思います。

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サルタックは、2022年度から2年計画で、新型コロナ禍で発生した子供達の学びの遅れに対処するための個別学習センターを実施していきます。みなさまのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします(寄付・継続的な支援はこちらのページからよろしくお願いします)

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