Grade 9: Winter Break - Part 4 of The Day Part 2
Eくんと私は結局は別れないと思っていた。
お付き合いをすることはいつかお別れが来ることだとは想像もしたことなかった。
「でも」私がEくんに「突き通してた嘘を」彼が「諦めた日」、「それ」が来た。
三角関係と知ってて俺はやってける自信がないよ。
そう言ったEくんはこう続けた。
「わけわからんことばっか」ってなに?
私はわけわからんことばっかじゃなかったよ。わけわかることばっかだったよ。沢山楽しいことあったよ。迷ってしまってごめんね。気づくのが遅すぎてごめんね。
この時の私は、そう思っただろうか。きっと私のことだからそう思ったと思う。
我慢できなくなって、もう最後なんだと覚悟を決めて挨拶を進めるEくんを遮った。
こっちの言い分も待たずにこれで最後にしてたまるかと思ったのかもしれない。
「自分が気持ち決めても(この状況は)三角関係なんかな」
Eくんが引っかかってるところが「三角関係」なのであればそこを解消できればやり直すチャンスがあるのでは。そう希望を託したかった。
Eくんに私が好きなのはHageではないよと分かってもらいたかった。
Eくんの答えによって希望は打ち砕かれた。
けどなんにせよ、よく頑張ったと思う。Eくんを初めて追いかけた瞬間だった。
あの当時の状況で言えることは全て言えたと思う。言葉足らずなところはどうしようもないけど。
「付き合って2ヶ月」今まで記念日を口に出さなかったEくんだけど最後の時にだけ口にした。
あぁ、Eくんは覚えてくれていたんだ。
気にしない人なのかと思って怖くて聞けなかったけどきっと陰ながら記念日を指折り数えてたんだろう。
それが切なかった。
「切ない」それはEくんも感じていたことで。
これはEくんの捨て台詞だったんだな。
彼は「これからも話せる友達な」を繰り返した。
当たり前だけど、嫌いになったわけではないからどこか私を繋ぎ止めたい気持ちがあったんだろうね。
選択肢がなかったから、別れを選んだだけだったから。
本当の本当の最後に、彼は私の両親に向けてもありがとうと伝えといて。と言った。
ほんの少し前から実は母がウィンドウを覗いていて私とEくんの会話を見ていた。ちゃんと伝えたほうがいいんじゃない?とか言ってくれたのかもしれない。
それを聴いたEくんは「おかーさんぼくしつれんしましたー」と打ってきた。
既に背後を離れていたお母さんに、そのことを伝えたら笑ってた。
娘が特殊すぎるお別れをしているのを見て、母はどう思っただろう。
あの時、別れることにならなければ。三角関係になんて陥らなければ。一体どんな未来が私たちにあったんだろうと今でも多々思う。
この当時の会話は腐るほど読み返して、脚色してしまうほど親しい友人達に話して、今では一種の武勇伝のようになってる。
初めての恋の、初めての別れは、FちゃんとHageという関係ない2人をも巻き込んで簡単に崩れて行った。
15歳の私はこの出来事がきっかけであらゆる面で変わった。と後々ログを一通り読んでも思う。人生グラフでいうと底辺だったろうと今でも言い切れる。
だけどある意味では、跳ね上がるための大きな転機でもあったのかもしれない。前向きに捉えられるようになるのはそれから10年も経った後だけど。
HageにEくんと別れることになったことを伝えた。
Eくんからも、Hageに報告があったらしい。
「これで(お前と)一緒か」と言われたらしい。
Eくんもできることなら別れたくはなかっただろうと察する。
「いいよいいよ」EくんはHageを形だけでも許した。
とことん優しい人だった。
読み返してる中でなんだか「つよがり」を思い浮かべてしまった。
明後日、冬休みが明けて新学期が始まる。
この時はまだ分からなかったけど、想像以上に辛い日々が始まる。
強いていうなら新学期がシーズン2か。