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Grade 9-Second Semester: Happy Valentine’s Day, Not

2月14日 火曜日

学校がまた始まった。バレンタインだった。
ソフィアちゃんやSおりちゃんから、手作りのお菓子をもらったらしい。

Iちゃんとこの日の放課後も例の如くMSNで話していた。
ハイスクールの人間関係にすっかり疲れ切ってるようで、 裏で悪口言ってかっこいいと思ってるやつらが嫌いと言っていた。
たぶんSarryにとっての日本人の先輩たちみたいな感じだね、と。
あなたはまだ他に居場所があるけど私には行き場がない…疲れた…と。
なので、Iちゃんはここ最近、よくミドルスクールのG8生の男の子たちとつるんでいた。(Browくんの弟だとか、Moyashiの弟だとか!)(ちなみにIちゃんがミドルスクール生と連んでいることをKuriはよく思っておらず、この辺りでKuriとIちゃんはバチバチに対立した関係になってしまった。Cちゃんのことも嫌いだし、Iちゃんもうざい。当時Kuriの味方はスマイリーちゃんと私くらいだったのかな)

一通り愚痴を言った後で、Iちゃんが「Sarryは?大丈夫?」と聞いてくれた。

“やっと自由になれた”
Iちゃん:良かった

前回と同様、私の安否を心配してくれる。
よっぽどだったんだろうなあ。

火曜日だからこの日はジャズバンドの練習があった。Iちゃんと私はEくんがドラムのナノちゃんを目で追うのか、斜め正面にいるクラリネットの私たちを追うのかを確かめた。
結果は.…どうだったんだろう。なんとも言えなかったのかもしれない。
なんにせよEくんはナノちゃんが気になってる。これは私の中では揺るぎのない事実になってた。

そして、「Though I feel like maybe I’m the one who cant get over him」ついにこう私はIちゃんに伝えた。

うちだけがEくんのことを乗り越えられてないだけかもしれないって思えてきた。
I: “Omg Sarryyyy…”


やっと他人に認めたことだった。
私は、ま だ E  く ん の こ と が 大 切 だ。
ソフィアちゃんたちが言うような「EくんはSarryに未練たらたらだねー」ではなくて、私が、未練たらたらなんだ。
初めて認めるこの言葉にIちゃんは撃たれる。

本当にEを忘れたいなら、彼があなたにした嫌なことを思い浮かべてみなよ。とIちゃん

でも、私はやっぱりどんなことがあってもあなたとEを応援するよ・・・何でなのか自分でもわからないんだけど。。

でも問題なのは、自分自身が悪いとしか思えないんだよね、と私。


色々嫉妬深いところとか、気になるところはあったけど、Eくんは何も私を傷つけるようなことはしなかったよ。

悪いところを思い出そうとしても好きなんでしょ、、、あなたが何を想っているのかEに伝わればいいのに。

色々Eくんのことを腰抜けだとか言ってきてはいたけど、「嫌い」になったことはなかった。この時も、これから先も。

Eくんは、私がどう思っているかを知ることはない。
Eはある意味自己中なのかもね。とIちゃん。だけど、彼は一度人を好きになったらとことんその人を真っ直ぐに思う一途な人だよ。それは良いところ。と。
私は一途で真っ直ぐな人だけど自己中心的な考え方の人だと思うと言った。
だから、自分以外の人の思うことや言っていることが理解できないんだと。その人の気持ちになって考えられないから。
確かにね、、とIちゃん。
まだ忘れられないけど、誤解して別れて別れた後もHageとのことを疑われたことが受け入れられなかった。そう言うところは、嫌だった。
だけどその嫌いなところを作り出したのは私のせい。

チャットの途中で、特別課題が難しすぎて15分くらい離席するねとIちゃんに言われた。インターナショナルスクールあるあるの模擬国連(MUN)というのがあってそれにIちゃんは参加すべく準備課題が課されていた。

その間に、事件があったー。 パニックでIちゃんに電話する。
だけどIちゃんは気づかなかった。40分ぐらい経ってまたIちゃんが話しかけてきてくれた。
HIIII ごめん!電話気づかなかった!!!
私から電話をするなんてよっぽど珍しかったに違いないと思う。Iちゃんは何事かと慌てていた。

詳しい内容はもうわからない。だけど、Eくんに関連することで25日に何かが起こると聞いたか、予感があったか、MSNのニックネームで見たか。だったらしい。
私はEくんがナノちゃんに25日に告白するつもりなんだろうと推測した。
Iちゃんは WHY????? HE DOESN’T EVEN KNOW HER  MUST BE YOUUUUUUと興奮気味に反論した。

Sarryしかありえないじゃん!!

私のことを知らなくても私のことを好きだったEくんだから、あり得なくはない話だというのが私の持論。

25日は、例のバンドキャンプという名の通い合宿がある日だー。

またEくんのMSNニックネームが一昨日のように私のそれに応えてるような内容だったことも気になった。
「You’ll never know how I feel」恐らくそう言った内容の名前にしていたのに対して、Eくんは「あなたの全てがしりてーー」というニックネームに変えてきたのを私は発見した。

何だか全てが嫌になって、Eくんに私のオンラインステータスがわからないようにこの頃彼のことは禁止していた。
だけどIちゃんが離席した間に何を思ったのか私は禁止を解いたのだと思う。それによって私のMSNニックネームが、彼にも分かったのだろう。


今回ばかりは流石に困惑。
いや、逆に向こうは私が真似してきてると思っているのかも、、、?

Iちゃんは私とEくんが話したほうがいいとすすめた。気になるのであれば、話したほうがいいと。
前にバンドのことで話してから以来、私は自分から話しかけることをしなかった。今度はEくんの番だと思っていた。
どうやって話せばいい?何言えばいい?今?たくさんアドバイスを聞いた。

そうこうしているうちにEくんの名前がまた変わった。

Eくんの名前が変わったのを確認して、私は自分のニックネームを変更した。
「新しい人生でもがんばってね。私はまだ時間がかかりそう。ー信じてもらえなくていい。みんなに信じてもらえればいい

Eくんは「自分に自信を持って行動しろ」に変わった。

めっちゃ反応してるね。とIちゃん。
私も流石にこれは自分の名前に応えてるな、と思った。

話しかけようかどうしようか迷った挙句、結局勇気が出なくて喋れずじまいだった。
もしかしたら25日の合宿で喋るかも。そうIちゃんに伝えて。

It’s always been up to you
It’s turning around, it’s up to me
I’m gonna do what I have to do 
Just don’t
Give me a little time
Leave me alone a little while
Maybe it’s not too late
Not today, today, today, today

Tomorrow/Avril Lavigne

私はずっとEくんのこととなると「Tomorrow」そのまんま。
怖気ついて後一歩が踏み出せない。

一歩も踏み出せなかった傷つく事をただ恐れたんだ
こんな自分だからなんて悩んで 悔やんで

ラヴ・パレード/ORANGE RANGE

翌日の2月15日、私のMSNのニックネームは「あなたはいつも自分が物語の主人公と思って、エキストラのことは気にもかけない」そういった内容だったらしい。
EくんのMSNニックネームは「Such as my life(俺の人生そのもの)」というような内容だった。
なんか似てるよね。というのが私たちの感想だった。

この日は学校で、私がテンション低く過ごしているように感じたらしい。
Hageが「しんどそうやった」と心配してきた。「だけど、休み時間時にAに眠いって言ってるから、(それなら)良かった」とのことだった。
学校にいると近くに必ず誰かしらはいて、誰かしらはいつも心配してくれていた。
「(今日放課後)Grade10のJが手振ってたからそっち向いたらSarryのこと見えた。」「階段降りていく姿がしんどそうやった」

Jが手振ってたからそっちむいたら あ、輝くSarryたまだって思った

ちなみにHageの「帰ってきてください」というMSNネームは、この日退学処分を喰らったG12生の大ボス的存在の人のこと。
カッコよくて不良で、全日本人男子の憧れの的だった

H:何で?
S:気分で。

MSNがなかったらきっとこんなに考え込むことはなかっただろう。
だけど、MSNがなかったら吐き出す場所がなくて抱えきれなくなってみんなの声も手も届かないようなところまで行ってたかもしれないな。

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