職場A 人事異動

パートのおばさんの嫌がらせみたいなマイルール押し付け、職員の人の無茶振りから始まった私の会社員生活。振り返ってもよくあれだけ都合よくつかわれていたなぁと思う。入社3日目で郵便窓口独り立ち、2週間目に貯金保険の窓口、それからは社員の都合で郵便と貯金を行ったり来たり。ろくに業務も教えてもらえず、窓口にはソロで立たされ。このころ一番辛かったのは接客をソロでやることではなかった。ミスがあとでわかること。社員の人に聞きつつ聞きつつやるのだけど、大体の場合忙しいから話しかけないでとか、適当に教えられ、なんとかこなしたと思ったらお客さんが帰ったあとで証拠書をみては怒られる。その場で見てくれていればすぐに取り戻せたことなのに。。。この会社の驚くところは、金融機関でありながら書類を即時チェックをせず入社1月もたたない素人同然の私のやることも自己責任になることである。私はなんでも理不尽を受け入れるのであとから考えるとおかしい、と思うことばかりなのだけど。通帳作成も、支払いも、何もかもやってしまってお客さんが帰ってしまってから先輩がチェックする、そしてミスがあるとものすごく怒る。でも考えたらミスするような状況を作ってないか?マニュアルも渡さず素人に一人で窓口を担当させて、お客さんが帰る前に書類のチェックもしない。こんな金融機関あるだろうか?でもミスはミスである、私は失敗に弱い。ものすごく責任を感じるし、できない自分が断頭台に立たされているみたいに精神的ダメージを受ける。さらに電話をして謝って(理由もうまく説明できないのに誰も助けてくれなかった、最初から一人で電話させられてた、しどろもどろになるからよく怒鳴られたり嫌味を言われたりむちゃくちゃだった。。。)、知らない人の家に訂正印をもらいにいったり、再度来店してもらったり。知らない人の家に行くのもやだったけど、店頭に来てもらって他のお客さんもいる前で私がミスをしましたと大きな声で謝るのも辛かった。追い討ちをかけるように怒る人も多かったしね。金融機関のくせにプライバシーというものがなくて、とにかく店舗が小さいのでカウンター越しに誰が何を話しているか店内中に丸聞こえなのだ。そして、さらに納得ができなかったのはミスが人によってミスでなくなること。先輩社員たちが私の証拠書をことさら意地悪な気持ちで(ミスを見つけよう、ミスがあればいいのに見たいな気持ちで)見てるんじゃないかと思われることだった。なぜなら、例えば課長がこれおかしくない?とまずいう(おかしいならここをこうしてくださいといえばいいのに)大きな声で他の人を呼ぶ。そして相談が始まる(ルールがあるのだから相談って?何って感じだった)その時呼ばれた人たちの解釈で間違いでない、ということになる場合もあれば間違いになる場合もあった。とにかくいつも相談。そしてわからない、ことの多さ、私がどうすればよかったんですか?と聞くといつもコールセンターに電話するのだ。なぜ自信をもって指導できないのか。常にコールセンター。何年も勤めたらわかってきたけど、この会社では余程のミスでない限りなんでも解釈と不正で乗り切れるのである。ただし、社内でまぁこの人は自分の敵ではないから解釈と不正で見過ごそう、みんなそうしてるもんね、という関係性がある場合に限られるのである。私はその輪の外にいた、と言うことなんだと思う。コールセンターは社員が一人で判断できないときに業務上の判断を仰ぐ場所で、そこへ電話すると助けてはくれるがすべて四角四面にマニュアル通りの対応が求められる。なので本当にわからない場合以外は、誰かと意見がぶつかった場合に自説の裏付けをとるために電話する人が多かった。解釈というのは、ある記入方法がおかしいのではないか、と言われた場合、いやこれはこういう解釈でやりました。他の人もやってます、とかこの店舗では昔からこういうローカルルールでやってますと言い切れること。不正はお客さんの筆跡を真似て書き直す、訂正印をコピーする、数字を書き換えるなど金融機関とも思えない犯罪行為でごまかしをするということである。どちらもグレーなんだけど、不思議なことにミスが問題になるのは店舗のチェック時だけで本社におくったそれらグレーな書類がミスとして帰ってくることはほとんどなかった。だからそれを見ていると結局ミスって本当のミスなの?それとも私を困らせたくて嫌がらせ行為でやってるの?というもわからなくなった。

嫌がらせだとすると、なぜそんなことをされるのか。先輩たちは不正しまくって誤魔化しをしているのに。どうして私だけ。。。私は過去の環境から困ったことがあってもはっきり言えない。へらへらしてしまって、心の中で自分が嫌われる原因を作っているのではないかとクヨクヨする、そういう思考回路ができてしまっている。入社当時はだから、仕事はわからないし、他の人は許されることでミスをあげつらわれるし、その原因が自分にあるのではないかと自分を責めるし、本当に辛かった。でも私は頑張った、と思う数ヶ月経つうちになんとなく仕事も覚え、先輩に言われる前に自分からコールセンターに電話し、理論武装することも覚え、業務だけでなく営業もしろという無茶振りにも応え、精一杯やっていた。

無茶苦茶ななりに環境に馴染むよう必死だった、そんなある日人事異動がやってきた。全く助けてくれない課長や意地悪なパートさんと違って、たまに助けてくれていた(しかもその店舗で一番古株で店長も何も言えない)先輩が長くいすぎたということで異動してしまったのだ、そしてかわりにやってきたのがスネ夫(仮名:女性)、さらに育休から課長代理ジャイアン(仮名:女性)が復帰してきたのだ。ここから本当の地獄そして私の異動、それが原因でうつ病、退職へといたる道への扉が開かれることになってしまった。

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