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良いご主人ですね、と言われ続けた話

離婚を考える中で、なかなか消化しきれない思いがある。

それは、「良いご主人ですね」と言われ続けた、という話。

良いご主人とは一体なんだろうか。
本当に私の夫が「良いご主人」ならば、離婚するのはもったいないのではないか?
この消化不良の部分を自分なりに煮詰めてみたいと思う。

良いご主人 or 悪いご主人

一般的な良い夫・悪い夫とはなんだろうか。
もし私が、友人や知人のご主人のことを「良いご主人ですね」と表現するとするなら、どういう夫像を思い浮かべるのか、個人的に思いつく特徴を挙げてみる。

【良い夫】
優しい、家族思い。(家族:妻・こども・双方の両親・親戚・・・)
よく働く、ちゃんと仕事をする。
家族のことを気にかける。
家族が大切に思っていることも大切にできる。
家事を分担してくれる。
家族のために時間を作る。
家族の話を(特に妻の話を)よく聞く。
誠実である(不倫をしない)。
【悪い夫】
働かない。お金を入れない。
ギャンブルをする。
DV(身体的暴力、精神的暴力)
所在不明。
不倫、女とお金にだらしがない。
嘘をつく。
家族に無関心、自分が一番大事。
わがまま。
子育ても家事も非協力的。

私が思いつく良い夫像、悪い夫像を並べてみた。

そして思った。
この世に良いご主人なんて居るのでしょうか?
(良い妻も然りでしょうけど)

しかし、我が夫の場合、何をもって「良いご主人」と判断されたのだろうか。ますます謎は深まる。

確かに、悪い夫にあるような特徴は少ない。
ギャンブルもしないし、殴られたことはないし、仕事はしている。
ただし、不倫はするし、家事なんて一切しないし、無関心だし、超自己中。でも、それらの負の面で、私や娘が命の危険を感じるようなことはなかった。

夫の外の顔 ・ 内の顔

夫は親の代から譲り受けた小さな会社を経営している。学生時代から続けていたサッカーは、社会人チームに所属し、監督まで勤めて引退。引退後は少年サッカーチームのコーチを引き受け、現在は監督。

小学校では PTAの副会長、中学校ではPTA会長も務めた。
地域の若手経営者のコミュニティにも長いこと所属し、様々な役職を担ったことも。

そうだ、思い出した。結婚式のこと。

13年前、私と夫の結婚式の招待客は300人を超えた。
そのうち、私側は親族・友人・会社関係・恩師含め60人ちょっと。
それ以外は全て夫側。ただし、そのうち親しい友人は2、30人程度。あとは会社やサッカーやコミュニティ関連の方々。
4時間を超えた披露宴は、余興の連続で、終いには無法地帯。会場で一番酔っ払っていたのは間違い無く新郎である夫。披露宴終盤の30卓を超えるテーブルへのキャンドルサービスでは、途中で私を置き去りにして放置、後半10テーブル以上を彼が一人で騒ぎながら回っていたことを思い出す。
(一人、高砂に静かに戻る新婦の姿がDVDに残っている。よくこの場面を編集で残したな)

脱線してきたので話を元に戻すと・・・
要するに、彼には私や私たち家族以外に、として存在しなければいけないコミュニティがたくさんあったのだ。それぞれのコミュニティで、彼はしっかりと自分の役目を果たしたのだろう。頑張ったのだろう。今も頑張っているのだろう。

外での彼の姿は、彼の顔は、私が惚れた部分である「一生懸命になって頑張れる」「あきらめずに努力する」「明るく場を和ませる」が満載。

そういった彼の魅力的な一面が、外では曇ることなく発揮され続け、評価され続けた。そして、周囲から求められ、認められることは、彼の自信やモチベーションに繋がり、ますます頑張る(良い顔をする)好循環を生んだのだろう。

では、果たして、家庭ではどうだろうか・・・彼の内の顔は?

我が家での夫のリアルは、家族に関心を示さない、週の半分は飲み会で居ない、土日はもちろん居ない、会話がない、笑顔がない、家事はしない、だけど家事のクオリティについては文句をつける・・・止まらなくなるからこれくらいで辞めるが。
良い夫に該当する点なんてこれっぽっちもありませんけど、夫を褒めた世の奥さん方は何を見ているのかしら。

そうか、わかった。
「良いご主人ですね」と褒められ続けたってことは、これは裏を返すと、外の顔がとってもとっても良い人(良い夫)だということだ。
「こんなに明るくて楽しくて、何事も一生懸命に取り組んでくれている人は、良いご主人に違いない」という観点で見ていたということか・・・

家族は一番小さな、そして大切なコミュニティ

一家の主ともいえる夫。
その夫自身が筆頭に立って経営を握らなければいけない、そして、一番コケさせてはいけない最小かつ最重要なコミュニティは家族だと思う。

いくら会社を経営しているからって、
サッカーチームを運営しているからって、
地域のコミュニティに所属して役割を果たしているからって、
最小かつ最重要なコミュニティ(=家族)を破綻させていては元も子もないのではないだろうか。

しかし、残念ながら彼にはその手腕はなかった・・・
あったのかもしれないけど私相手には発揮できなかった・・・
今はそれが目の前にある現実なんだという見解にたどり着いた。

離婚話に進展はない。
今も、夫関係のグループLINEには所属したままなので、毎日、様々なLINEが流れてくる。
その中に、夫からの発信を目にした。

『報告・連絡・相談の徹底を!』

「おいおい、あんたが言うなって・・・」

と心の中でツッコミを入れつつ、複雑な思いを、今夜もnoteにしたためた。



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