正月に読んでね♡2020衝撃漫画ベスト8

どこにも出かけられないので、2020年に読んで衝撃を受けた漫画ランキングを作成しました。在宅事情は皆さんも似たようなものだと思いますので、ぜひ読んでみてください。後悔はしないと思います。

お時間ありましたらこちらもどうぞ。追記して40000字くらいになりました。

1位 ヴィンランド・サガ176話/西方航路10
2位 チ。-地球の運動について-
3位 図書館の大魔術師
4位 トリリオンゲーム
5位 ハイパーインフレーション
6位 チェンソーマン57話/突然
7位 望郷太郎
8位 怪獣8号

1位 ヴィンランド・サガ 176話/西方航路10

掲載誌:アフタヌーン
既刊24巻(2021/1時点)
掲載回:アフタヌーン2020/12月号

次に出る単行本25巻に収録予定。24巻が175話だから、そのまま続きが読める。

これまで本当に色々なことがあり、ついに西方へと旅立つトルフィンが、恩人中の恩人であるレイフに挨拶に行く回。

2005年より連載が始まった同作品を、ずっーーと読み続けてきた読者なら、トルフィンの歩んできた道程を思い出し、自分のことのように感じ、胸が詰まって泣いてしまうと思う。自分は嗚咽号泣した。

なにせ、およそ、トルフィンとは15年の付き合いになるのだ。ほとんど家族のようなもの。その家族が、ついに報われる一つの瞬間に立ち会えたのだから仕方ない。本当に素晴らしいものを読んでしまった。

なので、1位に選んでおいて、『ヴィンランド・サガをずーーっと読んでる人』にしか刺さらないという、対象をひどく狭める、雑な仕様になってしまったのじゃ。すまんな。ただ、これを機に読み返す。それだけの価値はある回だったと思う。

2位 チ。-地球の運動について-

掲載誌:ビッグコミックスピリッツ
1,2話公式無料
既刊1巻(2021/1時点)※1月に早くも2巻が出る

ここまで真っ当に力強く読者を掴んでくる1話は、他にちょっと挙げるのが難しい。近年では後述の3位『図書館の大魔術師』と双璧、ツインドラゴンの作品。

散々話題になったので、けっこうな人数が読んでいると思うが、もし未読だったら公式無料なので1話だけでもぜひ。恐らく即座に無料2話に突入し、そのまま本屋かkindle1巻を購入することになると思う。

3位 図書館の大魔術師

掲載誌:good!アフタヌーン
1話公式無料
既刊4巻(2021/1時点)

『書』の価値も恐ろしさも正確に認められ、その管理を一つの機関が独立して担う世界で、司書に憧れる少年が主人公の漫画。

気合の入りすぎな精緻な絵と、“書”に取り憑かれたキャラクター達が織りなす骨太で強大な芯のあるストーリー。

寡聞にしてこれまで知らなかったのだが、ふとタイトルに惹かれ1話を読み、雷鳴に打たれたような衝撃を受けた。「こりゃ大変だ」と立ち尽くし、動けず、ひたすら紙面を脳裏に刻み、頁をめくるだけだった。

翌日、速攻で既刊を購入するも、1巻を読むのに2時間くらいかかった。最近のハンターハンターくらい読むのに時間と労力と根性を要する。本作品が司書試験の筆記に採用されたら、落第は免れないところだ。

『乙嫁語り』『チ。-地球の運動について-』が好きな人には確実に強く深く刺さる作品。すなわち、作者と登場キャラクターの双方が極まったガチ勢な漫画ね。ぜひ正月に、時間をたっぷり取って読んでほしい。

紀貫之が古今和歌集の仮名序にて「力をも入れずして天地を動かし」と記した、それを体現したような物語。圧倒された。このような凄まじい漫画作品を、4巻が出るまで、つまり3年以上も知らずに放置していた自分の愚かさに失望した。

4位 トリリオンゲーム

掲載誌:ビッグコミックスペリオール:現在2話

テンションが高い! やっぱ漫画でも映画でも小説でも、テンションやボルテージの高い作品を積極的に読んで、鵜呑みにし影響を受けるくらいがちょうどいいと思う。今年人類が滅亡する可能性だってあるわけだし、トリリオンゲームのような突出した名作から高いテンションを浴び、自分のものとし、行動に繋げていきたい。

コミュニケーションの天才と、天才エンジニアが組み、トリリオン(1兆)稼ぐために起業する物語。ドルね。ドル。

原作:稲垣理一郎/作画:池上遼一という、100%面白いことが確約されたコンビによる新連載。稲垣理一郎先生のシナリオの大胆さと緻密さ、池上遼一先生の絵の魅力と格好良さが完璧に噛み合ってる。最高や!

5位 ハイパーインフレーション

掲載誌:ジャンプ+
既刊:まだ始まったばかり
1,2,3話公式無料

作者はどうかしてる。テンションと様子がおかしい漫画2020年第1位。本気で心から真面目にふざけている。ふざけるの前で正座している作品。誠実ですらある。最も近いのは野田クリスタルなのではないだろうか。

どういうことかは、無料ですし1話を読んでもらえば理解できると思う。

奴隷狩りにあった蛮族の少年である主人公が、神から授かった『敵国の紙幣を完全コピーできる能力』を駆使し、全てを奪った“帝国”へカネの力で復讐を誓う物語。

この無敵に思える能力にも当然縛りがあり、それはかなり致命的。しかしその縛りをどう覆し、あるいは利用し、目的達成に繋げていくかが見もの。多少ネタバレになるが、福本伸行先生の大傑作『銀と金』のポーカー編を下地として読むと、非常に分かりやすい。つまり、“見せ金でも勝負には勝てる”というやつ。

なお主人公のIQは、『ヒストリエ』のエウメネス、『Dr.STONE』の千空、『喧嘩稼業』の佐藤十兵衛らと同等レベルに設定されていると推測される。

どうかしてるし、ふざけているが、話の筋は非常にまともでしっかりしている。よく分からない描写を挟みつつ、ストーリーはテンポ良く進む。上述の3作品の共通点として、『作者も非常に頭が良い』が挙げられるが、恐らく住吉九先生も非常に聡明なのだろう。

昨今は、長く説明的な作品名が目立つが、本ランキングは短くバシッと鋭く、かつ作品内容を完璧に説明しているものばかり。やっぱこうであってほしいですね。ハイパーインフレーションなんて、何が起こるか一目瞭然で、しかもなんだか分からないが惹きつける魅力がある。


6位 チェンソーマン57話/突然

掲載誌:週刊少年ジャンプ
既刊9巻

2019ベスト笑いはミルクボーイのコーンフレークで、2020は突然でした。本当にびっくりした。これをコンビニや電車の中で読んだ人は、いったいどうやって処理したのだろう。

万事、パワーちゃんを見習って生きてゆこうと思いました。

林編集も呆然

7位 望郷太郎

掲載誌:モーニング
既刊3巻(2021/1時点)
1話公式無料

地球に突然襲来した大寒波から逃れるため、富裕層である舞鶴一家はコールドスリープに入った。それから500年後。舞鶴太郎は、一変した世界で目覚める……。というストーリー。

とにかくスケールがでかい! 単純な世界観のサイズなら、世界を救ったり異世界へ行ったりともっと大きな漫画は無限にあるが、そうしたものとは一線を画するスケール。誰一人真似ができない。『度胸星』『へうげもの』『考える侍』など、全ての山田芳裕作品に共通するよね。

8位 怪獣8号

掲載誌:ジャンプ+
1,2,3話公式無料
既刊1巻

市川という2020最強ヒロインを産み出した偉大なる作品。

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