幽霊、2023年5月の仕事。
5月の仕事は、『ZAITEN』の連載コラム。
ZAITEN『時代観察者の逆張り思考』
6月号の『時代観察者の逆張り思考』は、「老害カリスマ個人商店の引き際」。
タイトルからは分かりづらいですが、スタジオジブリやジャニーズ事務所の話です。ジャニーズ事務所の件はようやく盛り上がってきましたが。
以下、近況というか。
00年代以前に遭遇したいくつかの事件、自分以外もう誰もいなくなったので、そろそろ回想録のようなものを書かなくてはならない時期に差し掛かっているんだな、と思うことが多くなった。
そう思ったのは、2015年にコラムニストで現場復帰してから、00年代以降に関わった意識高い系の思想的な人物たちを遠ざけるようになったからだ。
たとえば「君が可愛がっていた〇〇、君よりも偉くなったねえ」と嫌味を言われることも多いのだが、とっくに疎遠になって久しいので、「へえ、そうなんだ」と返すしかない。
結果として、担当編集者以外、ほとんど誰とも話さない隠遁生活になっているのだけど、おかげで彼らが固執している党派性の制約から逃れることはできた。
大学の講師や自己啓発セミナーの社長なんかになったら、それこそ進歩的文化人やリベラリストを演じなくてはならなくなる。
もっと頭が悪ければ、そういう偽善的な人生でも良かったのだろうけど、あらゆる言論空間にカルト的な信仰を見てしまう体質だから無理だ。
個人的な関心事はむしろ、意識高い系が筆者の仕事の領域に紛れ込んでくるよりも前の時代、もっと薄汚い成り上がりの貴族や企業舎弟、院外団が蠢いていた世界で足掻いていた頃だ。
連中が蠢いていること自体は現在も変わらないのだが、当時は筆者や友人たちも関わらざるを得なかった。
そして、そうしたあれこれに疲れ切って視界から消え、あるいは死んでいった。
まあ、回想録めいたものを書いたところで、事件への偏見が払拭されるわけではないこともよく分かっているから、どうしたものかな、とは思っているんだけどね。
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