いい人になろうとしていたね モヤモヤする時は心の奥をみてみよう
姪が私の振袖を、自分の成人式に着たいと言ってきました。
私の振袖は私だけで10回以上、その後娘たちも着てきたもの。私は成人式だけでなく、友人の結婚式、茶道の初釜、お茶会など、長女が生まれるまでたくさん着て愛着のあるもの。
最初に妹にそう言われて、年賀状の写真で娘たちが着ているのを見て、私の振袖がいいなと思ってくれたのかなと思い、嬉しくてあれこれメールを返しました。
が、それに返事はありませんでした。もともと長いメールには反応悪い妹だけど....
しばらく様子を見ていたら、着物を着るのには準備が必要とか、小物のこととか、借りたあとの手入れのこととか、全くわかっていないことがわかりました。
そりゃそうだよね、妹は妹なのだけど、中学高校の制服以外、スカートを履いたことのない人。
姪が高校を卒業したタイミングで、再度申し込み的なメールが来ました。
私は身長160センチ弱で裄が長め
姪は身長146センチ。
果たして着られるの?と思い、着付け師のママ友に聞いたところ、丁寧に教えてくださいました。
それは私が「貸したい」と思っている前提の話。
でも私は
「貸したくない」
という本心があることに気づきました。
そこでまず長女に相談。
長女は妹(長女にとっては叔母)が好きなので、貸してあげたらいいじゃん的なノリ。
次女に相談したところ「嫌なら貸さなければいいし、貸さないでいいと思う。私が作ってもらった髪飾りは貸さない。」
髪飾りは、インスタで見つけた作家さんに、デザインなどDMでやり取りしてオリジナルのものを作っていただきました。次女の前撮りの写真をお送りしたら、とても喜んでくださって....その後そのかたは亡くなられてしまったので、次女も私も思い入れ深いもの。そりゃ貸さないのもしかたないよね。
そこで、姪に家に来てもらって、長襦袢を着せてみることにしました。ママ友に教えてもらったとおり、きっと手の甲が隠れてしまうから着られないよ、と言うつもりでした。
長女が姪(長女にとっては従妹)とやり取りをして、我が家に来る日を決めました。長女が我が家に帰省する日に合わせて日程を決めました。
帰省した長女に私は
「実は貸したくないの」
と言うと
「わかった、その方向で話を進めるね」
と長女。
なのに姪の顔を見たら流されてしまった私。
長襦袢は手の甲の真ん中まで隠れる程度、
でも袖が10センチは床に余っていました。
あれ?
姪と、付き添ってきた妹が帰った後に、長女が
「お母さん、貸したくないんじゃなかったの?いいの?」
と、何度も聞いてきました。
気になってしまって、こんどは友禅の染め物師をしていた元同僚に電話。
彼女も私が貸したいと思っている前提でアドバイスくれたので
「違うの、貸したくないのだけど、袖が10センチも床に着いていて、どうやって着せることができるの?ネットで見ても『無理です』としか出てこない。」
と聞いてみたところ
「それが答えです。大きすぎる振袖を着ることがありえないことだから。肩の柄が隠れてしまうから。」
はっとしました。
もうひとり、母の友人で着物のリメイクをしている人にも電話。
「〇〇ちゃん(私のこと)、△△ちゃん(妹)とは着物に対する思い入れが違うんだから、貸すのはやめとき。
理由はどうでもいい、きっぱり断りなさい。」
きっと母も同じことを言うだろうなあ。
(母とは今わけあって、疎遠にしています)
長女に話したら
「お母さん、いい人になろうとしてたでしょ。」
ほんとその通り。
私、自分の気持ちより人の気持ちを優先しようとしていました。
最終的に姪に電話をして、直接断りました。
今回のできごと、最初は妹の反応を見たり、5年ぶりに会った姪がかわいくて自分を忘れてしまったりしてしまったけど
最初にモヤモヤしたところで、自分の本心、心の深いところと会話することを避けてしまったから起きてきたこと。
誰かが悪いわけではない。
モヤモヤは気づきのもとということ。
そしてモヤモヤはすることも悪くない、むしろいいこと。
自分の心の奥と向き合おうよ、と気づかせてくれているということ。
いい人になろうとしててもいいの、
そういう自分に気づいて軌道修正していけばいい。
いい人になろうとしてたね、と言ってその気持ちをお見送りして、次へ進んでいけばいい。
そんなことを気づかせてくれたできごとでした。
おつきあいくださったみなさま、ありがとうございました。
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