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中国とコノ・スール



中国の国土は、鶏に例えられることが多い。魯の哀公に臣下が「鶏の五徳」を説明する場面にあるように、雄鶏が文、武、勇、仁、信を備えているということもあるのだろう。

君独不見夫鶏乎。首戴冠者、文也。足搏距者、武也。敵在前敢闘者、勇也。得食相告、仁也。守夜不失時、信也。鶏有此五徳。

『韓詩外伝』巻二

地球が透明な球だとして、中国を中心に地球の向こう側を透かしてみると、その勇敢な雄鶏の胸元から首の後ろにかけて、南アメリカ大陸の南端の円錐が貫いているように見える。アルゼンチンの国土を "De Ushuaia a La Quiaca" (ウシュアイアからラ・キアカまで)と称したりしますが、それは、こちら側では深圳や香港からバイカル湖に相当するのです。このアルゼンチン、チリ、ウルグアイで形成される南アメリカ大陸の南回帰線以南の円錐は、「南の円錐」、スペイン語で "Cono Sur" と称されます。(自転車のラベルで有名なコノスルのワインをご存じの方も多いかもしれません。)意外と対蹠地に大陸はかぶっておらず、オーストラリアは北大西洋に、ヨーロッパ(ニュージーランドとスペインが重なるのは例外的)、アフリカは太平洋に嵌っており、中国とコノ・スールのように対蹠地どうし陸地がこれまで広範に重なるところはありません。ラプラタ川河口は黄海に口開き、チリの首都サンティアゴは、中国古代の諸王朝の都となった長安、現在の西安あたり、アルゼンチンの第3の都市ロサリオ(チェ・ゲバラやメッシの出身地)は南京あたり、天津はバイア・ブランカあたり、上海はウルグアイ第2の都市サルトあたりに相当します。なかでも、対蹠地同士、フォルモサ島とも呼ばれる台湾とアルゼンチンのパラグアイとの国境の州フォルモサ州と、名前までもいっしょとなると奇跡としか言いようがありませんね。

これら2つの地球の反対にある地域が華語とスペイン語という2つの大言語で、地球全体から見ると言語的に統一された地域でもあり、100年後か200年後かわかりませんが、本当の「最終戦争」は南米対東・東南アジアなんてことになるのかもしれません。物騒な話はさておいて、"Aprender chino"とか、
"学习西班牙语"とか、YouTubeで検索してやると、スペイン語で中国語を教える動画やその逆の動画が視聴できます。まぁ、需要は少ないかもしれませんが、中国語とスペイン語を同時に学習している方は、重宝するかもしれません。

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