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“パゴダの中からまたパゴダ”の不思議

上の写真は2016年に起きたバガン地震の際に崩れたパゴダです。
驚くことに外壁が崩れ、中からさらに古い仏塔が顔を出しました。バガンには、他にもいくつかこういうパゴダがあります。

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©サラトラベルミャンマー

これなどはもともと崩れていて中が見えていたのですが、地震で左側の白い部分が出てきました。当時のままの漆喰ですね。バガン初期のものと思われるオリジナルの美しい彫刻がそのまま出てきたわけで、大変貴重です。

さて、なぜこのようなマトリョーシカ人形のように、パゴダの中からパゴダが出てくるのかといいますと、バガンのパゴダは己の涅槃を願って功徳のために一般の仏教徒が建てたものです。ところが、そこにはやはりビジネスが成り立っていたので、かなり高額だったらしいのです。

そこで、庶民としては自分で新しいパゴダを建てて寄進できるほどの余裕がなければ、先祖が建てた古いパゴダを修復したり、外から新しく覆いをつくったりして自身の功徳としたんですね。
ちなみに、ニャウンウーのシュエジーゴンパゴダも、完成させたのは第3代チャンシッター王ですが、建立は初代アノーヤター王で現在の金色のパゴダの中には小さなアノーヤターの仏塔が入っているといわれています。

ミャンマー人の仏教的観念としてはいまでもこういう習慣がありますので、どんどん修復してしまい、日本人からすると情緒があっていいのにという古い建築物まで直してしまいます(バガンは修復が禁止となっています)が、このような事情があるんですね。
次回バガンにいらしたら、外側からすっぽり覆った形をしたパゴダを探してみてください。もしかしたら、中には11世紀の古い仏塔が入っているかもしれませんよ。

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