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Googleマップの口コミがないお店に勇気を出して入ってみた

近所に謎の商店があった。

保育園の送迎途中、自転車に乗っている時に見つけた。
この記事の画像に使わせていただいたものと似た雰囲気の、昭和から時が止まっているような店構えだ。

看板には○○商店とだけ書かれており、何が売られているのかよく分からない。タバコ屋だろうか。
人は見えるので今も営業していることは分かったが、自分が行くことは無い店だろうとスルーしていた。


ある日、商店の前に小学生位の子の自転車が数台止まっているのを発見し、急にその店のことが気になりだした。
もしかして、ここ駄菓子屋なのか?


今の住まいに引っ越してきて約半年。
まだまだ未開の場所も多く、Google マップを時々開いては気になった飲食店や施設の口コミを物色していた。
(私はGoogleマップ上を散歩するこの作業が結構好きだ。)

早速帰ってから例の商店を検索してみたが、星はあるものの口コミは無い。

でも、この近所に駄菓子屋は無い。
もし駄菓子屋だったら、絶対子どもたちを連れて行きたい…。(そして私も行きたい。)

外から見て何が売っているのかちょっと分からない店に足を踏み入れるのには勇気がいる。

変な店だったら…
内輪の人しか来ない閉鎖的な店だったら…
お店の人の圧が強かったら…
何も買わずに出るのか?気まずすぎる。

でも、それ以降も子どもの自転車を見かけたことが後押しになり、ある日勇気を出して店に入ってみることにした。

こういう時子どもがいるととてもありがたい。
大人1人で入るより、空気がちょっと柔らかくなるような感じがする。
子供たちに感謝だ。

入ってみたら、私の変な妄想はかすりもせず、優しそうな女将さんが笑顔で出迎えてくれた。
まだ肌寒い頃で、入ると石油ストーブの匂いがして、とっても懐かしい気持ちになった。
地元に帰ったような、タイムスリップしたような。

想像通り、中にはちょっとだけ駄菓子コーナーがあった。
小さくても子どもたちは喜んで飛びついて、「どれにしよう~」と楽しそうに悩んでいた。

他にはアイスやジュース、お年寄りが好きそうな和菓子やおせんべいなどのお茶菓子、タバコと、ちょっとした日用品なんかも売っていた。
本当に昔ながらの商店だ。


私たちは、あっという間に常連になってしまった。

駄菓子が売っていることももちろん理由の一つだが、一番は優しい女将さんの存在だ。

色々と声かけてくれたり、子どもたちにおまけでラムネをくれたり。
かといって、ザ・おせっかいおばちゃんみたいに必要以上に詮索することもなく、適度な距離間で話してくれる。
さすが客商売を長年されている方は距離の取り方が上手なんだなと思った。

行くと他のお客さんがいることも多く、地域で慕われていることがすぐに分かった。

子どもが大好きだということも伝わる。
子どもたちも女将さんがいつも優しくしてくれるから大好きなようで、「あのおばちゃんすきなんだ~」と言って、しょっちゅう駄菓子屋さん行こうと提案してくる。

おまけに、お店にはかわいい看板猫ちゃんまでいた。
時折カウンターに座って、通りを行く人を眺めており、まるで物語に出てくる猫のよう。
絵に描いたような看板猫だ。
子どもたちは猫好きなので、行くといつも触らせてくれる。

こんな素敵な空間が近所にあったなんて。
勇気を出して入ってみて良かった。
なるべくお金を落としたいので、私も子ども達と一緒にお菓子を買っている。


私は初めて入るお店を調べるときに、結構Google マップの口コミを頼りにしてしまっているところがある。

時には口コミだけじゃなくて、自分の直感に従って行動してみると素敵な出会いが待っていることもあるのだと感じた出来事だった。


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