イエッタイガーと叫んだら虎になっていた
イエッタイガーと叫んだら虎になっていた。噂には聞いていたのだ。イエッタイガーに強力な呪術がかけられていると。
しかし、俺には自負があった。ただ目立ちたいために叫ぶヲタクのイエッタイガーとは違い、俺のイエッタイガーは本物であると。本物のイエッタイガーを叫ぶ俺には、呪いなど効かないはずだ。その自信があった。それなのに、このザマだ。虎の巨躯は、狭いライブハウスではみんなの邪魔になる。がっくりと項垂れながら、迷惑にならないよう隅に移動する。ヲタクたちの刺すような視線が痛い。
イエ