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お局についての考察 #セルフケア日記

セルフケア日記は、
私が20代だった頃に知りたかったこと、
30代になって試しているセルフケア、
アップデート途中の価値観などについて、
日々綴ります。

30代になり、悩みはほぼありません。オレ氏、三十にして悩まず。
しかし、20代の頃は多かった。悩みの原因のひとつに「お局」があった。私自身がおばさんになったいま、お局の被害に遭うことはなくなり、俯瞰して見られるようになりました。でも、いままさに悩んでいる方も多いのでは?

ゴジラが生み出された原因は核、ポン・ジュノのグエムルが生み出された原因はホルマリンだったと記憶しています。
この記事では、「お局」と呼ばれる悲しきモンスターたちは、なぜ生み出されてしまうのかを考察します。

いまお局に襲撃されている方に、根本的な解決法は提示できません。だから、「セルフケア」と呼べるかはわからない。だけど、生態を知って、俯瞰して距離を取ってみることで、少しでも気持ちが紛れますように。

※お局に襲撃されて毎日が辛い方が読む可能性を踏まえ、少しでもストレスを緩和できるように、ネコチャンの写真を挟みながら綴ります。

お局と20代と私

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私はとにかくお局に嫌われてきました。「媚びろ」という圧を受けると反発するし、悪口を聞かされたら露骨に軽蔑した顔をするし。

ただ、私が単に自分とソリが合わなかった人をお局と呼んでいる可能性もある。それはあかんので、お局の定義を確認します。

お局とは、職場に長く勤めているベテラン女性社員のうち、口調・態度・性格がきつい人のことを揶揄する意味で使われる言葉です。 『お局様』と呼ばれることもあります。 嫌がらせをしてきたり口うるさかったりする人に対し、ネガティブなニュアンスを込めて使うのが一般的です。
出典:https://dime.jp/genre/1085351/

大奥を仕切っていた「春日局」が由来だとか。
要は「ベテラン女子社員」かつ「口調・態度・性格がきつい」という2つの条件が必要なようです。なるほど。心当たりがある。彼女たちはお局だ。

ただ、お局たちのそれ以外の特徴が一致しているかと言うと、決してそうでもなかった気がします。「お局は全員ホットパンツ」とかだとわかりやすくい親切設計で助かるけれど、そうでもなかった。ただ、めっちゃ大雑把にわけると2つの類型に分けられたと思います。それぞれについて考えてみます。

類型1:実力>処遇型

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私が新卒のときにキツくされた先輩がこの類型でした。彼女は現場のことを最も熟知している契約社員。何でこの人が正社員でリーダーじゃないのか疑問で、ほかの人に確認すると、高卒だからでした。それだけ!

本人も賃金が見合っていないのは百も承知。だから、やり場のない怒りがあり、それを弱そうな人にぶつけます。賃金が見合わないなら辞めたらええやんと思うかもしれないですが、ええ歳して契約社員しか経験していない高卒の女性が、素敵なキャリアチェンジをするのは厳しい。きっと本人が一番分かっています。

若い女にしかキツく言わないのは、その人が出世することがないからだと考えてか、もしくは無意識にそれを知っていてのこと思います。特に非正規雇用だと、いじめた相手が出世したら切られちゃうかもしれない。

彼女が抜けると困るため、新卒が辛く当たられていても会社からのオフィシャルな対応はありませんでした。彼女の機嫌の維持と、陰での私へのフォローくらい。一番がんばっている女を昇格させない職場なので、そりゃ一事が万事、場当たり的になるよね。

私は正気を保つために「ワンレンわかめ」と心の中であだ名をつけつつ、突然アラブの石油王に見初められて、嫁いでくれへんかなと、中東方面に念を送っていました。不幸な目に遭ってくれとはあまり思えなかった。

お局化しなくても、真面目な性格ゆえに謎の使命感を頼りにがんばりすぎちゃって、でも評価や対価を得られないため、余裕を失っている女をよく見る気がする。

類型2:実力<処遇型

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私が一番参ったのはこのタイプの人です。スケベな偉いおっさんが、実力の伴っていないお気に入りを出世させたパターンです。そういうのはキャバクラで酒を入れるなどでやって欲しい。三方良しやないか。

人に気に入られるのも才能なので、このルートで出世したとしても「全人類タラシ」であれば助かります。気付いたら、部長・課長・猿・犬・キジに気に入られていた、みたいな。たとえ日ごろの当たりが強くても、企画を通したり、予算取りがスムーズだったりしたら助かります。ただ、スケベおやじ1体にしか好かれていない場合が問題です。

何か得意なことがなくても、プライドは処遇に見合うようにすくすく育ちます。しかし、実力が伴っていないため、トラブルが起きて責任を問われます。そうなると「偉い立場」以外に武器がありません。よって「どっちが偉いか思い知らせてやる」という技を繰り出します。

ただ、この人も八つ当たりする相手は選びます。先ほどと同様、相手が出世したら困るし、自分のレベル上げに最適正なスケベおやじ1体にロックオンして攻略した実績もあり、ターゲット選定の精度は高いです。

このタイプのお局は、スケベおやじ1体のガードによって性能が低いながらも生きながらえているため、スケベおやじ1体が倒れると、共倒れします。私の元職場ではスケベおやじ1体が横領で姿を消してから1年後に、お局も降格させられました。

例外:「お局」と混同されがちな、ただの「出世した女」

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例外として「お局」と混同されがちな、ただの「出世した女」にも触れます。

仕事の一環として普通にネガティブなフィードバックをしただけで、女の上長が「お局」と呼ばれているを見たことがあります。「口調・態度・性格がきつい」には当てはまりません。いや、それはただのマネージメントやろ、と。
あなたが「この人はお局・・・?」とシンキングタイムに入ったら、男性の上長に言われたらどう感じるかを判断軸にしてほしい。

出世した女が仕事以外の私生活でごちゃごちゃ言われているのも、よく見る。残念ながら、男女ともに女の上長への風当たりが強い人がいると感じます。世知辛い。世知スパイシーホット。

また世間のイメージと体験の違いとして、もうひとつ。一般的にお局は「ちやほやされている若い女への嫉妬心からいじめる」と思われることがありますが、そうとは限らないということも記しておきたいです。私はお局に狙われやすいですが、職場では常にチベットスナギツネ顔だったため、ちやほやとは無縁でした。

結論:女が実力に伴って出世しないから発生している

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我が労働人生におけるお局図鑑を振り返ってみて、たどりついた結論というか持論。それは、女が実力に応じてまともに評価され、出世する職場だったら、お局という悲しきモンスターは発生しづらいということ。相手が人間で、実力をまともに評価しようというスタンスであれば、実力に見合わない悪い待遇で働く女も、誰かのスケベ心によって出世しちゃう女も出ないはずです。

お局が若い女子社員をターゲットにするもの同じ理由。女は出世しづらく、その人が自分の上司になる可能性が低いから。無意識にやってる人もいそうですが。

さらに言うと、ヒステリーおじさん、不機嫌おじさん、セクハラおじさん、と、さまざまな闇属性のおじさんがいるのお局にスポットライトが当たるのは、職場でネガティブな感情を振りまく女が少ないことの裏返しです。一般的にジェンダーに限らず、どの属性でも立場が弱いマイノリティは、相手を攻撃しないことを証明し続けないとコミュニティに入れてもらえません。職場での女性がマイノリティである証左だと思います。

上記の類型に当てはまらないお局もいるかもしれない。生まれたときから額に「お局」と入っていたとか、突然お局に噛まれてお局になったとか。
でも、「女の敵は女」ってことって本当はレアで、不当な職場環境によって起こってしまうなら、悲しいことやで。


本当になんの解決にもならないけど、俯瞰して生態を眺めることでお局に襲撃されている人の気が楽になりますように。

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