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正解があったとして

6月になると雨の日ばかり。だからか、僕の6月の思い出の傍には雨の音が鳴り響いている。涙を流しても誤魔化せてしまう日々が連なっている気がする。6月は嘘をつきやすい季節だ。迷ってばかりの僕にピッタリの季節だ。僕は6月が少し好きだ。でも今日も人は言い合っている、争っている。今日は6月1日。少し曇っている。

世界は1つ。僕は1人。街へ繰り出せば沢山の人々。その人それぞれに名前や顔や好きなものがある。それなのに僕はここにいる人達のほとんどを知らないし、皆も僕を知らない。寂しい街だ。人って寂しい。こんなにいるのに、誰も、誰もが。前を見る、携帯を見る、僕は空を見て今日の風を覚えようとしている。孤独を選んでいる訳じゃないんだ、僕は今日たまたま独りなんだって言い聞かせる。この雲にも風にも、名前があるなら聞かせて欲しい。また会いに来て欲しいから、そしたら名前を呼んで、忘れないからさ。この雨はいつか、花を咲かせて、傘の中で2人にしてくれると思う。

見えない所で死んでしまう人、自分もそうなってしまったらどうしようと、確定もしていない事に不安になる。嫌な事だらけ、しないといけない事だらけ。たまには逃げてもいいし、泣いてもいいのは分かっているのに、僕は過去の自分が怒っているような気がしてしまう。僕は頑張ったから、今日の僕はもっと頑張れよって。言ってくる気がする。それが動悸を呼び起こす。痛みを忘れた訳じゃないよ。僕は僕を許してやれない。情けない人間だから、ずっと僕は誤っているし、昔の自分に謝っている。僕の為に泣いてくれますか。踊ってくれますか。痛みが、痛みをどうにかしてくれませんか。

他力本願で、ほんとに情けない。僕は人に頼るのが怖い。そこに縋ってしまったら僕はダメになってしまう気がする。思い出せない、どうしても思い出せない。人に頼った記憶。温かさ。大人になるのは悪い事ですか。子供でいることは幼稚な事ですか。ごめんね、でもね、僕は本当に分からない。皆が分かっていることが分からないの。真昼の夢に出てきた、儚い言葉がずっとその言葉がずっと、「大丈夫かな」、「合ってるかな」、「他にもあったんじゃないかな」ってずっと迷っているんだ。僕は夢の中でその人に手を差し伸べてあげれなかった。僕はね、誰にも大丈夫なんて言葉をかけてあげれない。

例え正解があったとしても、僕はそれを信じれるか分からない。正解の言葉があったとして、君の中では、僕の中ではきっとすれ違っているかもしれないよね。

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