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おとうさん、おかあさん

僕は早く皆の言う幸せや大丈夫を掴み取りたい。外に出れば同調圧力が蔓延っていて、僕は僕で無くなりそうで、そもそも僕は誰かの考えの集合体なのだが、それを自覚すると狂ってしまうからなるべく考えないようにしている。皆と思考を合わせて自分が死ぬのも嫌だから、そもそも自分がなんなのか分からないが、死ぬ感覚だけはあるから。家に帰れば両親は、勉強や成績の事ばかり、就職の事ばかり。結婚をしたら孫がなんたら、戯言ばかり吐く。僕だって自分勝手生きたいよ。そっちの方がよっぽど幸せそうだ。なんの疑問も抱かず恋愛とかできるし、家庭を持つ事に疑問も抱かないし、親にも感謝できるもんね。

誠実に生きてなんて言うが、僕は大嘘つきだから、そうじゃないと社会から脱線しちゃうから、皆の言う誠実は全うできない。僕にとっての誠実はね、親を殺したり、子供ができちゃっても中絶したり、生活の為に社会の歯車になって自分を殺すなら自殺してやる。という心なんだ。皆の言う誠実は、1人を愛する、家族を大事にする、最後まで責任を持つ。そもそも最初から子供なんて作るなよ、親なんて存在が1番気持ち悪い。僕のことをさ、「幸せ」の為だけに作ったんだよ?性欲の副産物の可能性もあるしさ、この身体に巡る血が気持ち悪い。夜になると掻きむしってしまうよ。気持ち悪い。

小さい頃僕が泣くと親は怒鳴っていた記憶が鮮明に残っている。小さな頃に感じた恐怖は中々大人になっても消えないようです。泣くのが怖くて仕方がない。泣いたら怖い事が起きるって心に刻まれているのです。苦しいです。怖いです。抱きしめてくれよ誰か。でもあの子もあの子も欲だけしか解消できなかった。あの子もあの子も、僕の心を抱きしめてくれなかった。だから僕はずっと1人なのかもとか、悲しいことを考えていて泣きそうになる。でも泣くのが怖くて過呼吸気味になってしまう。情けない。僕の心はお薬で治りますか?病院に行くのも怖い。診断されてしまったら僕は正気ではいられなくなる。

夕闇が飲みこむ。夜は空に蓋をしているみたい。足元が見えない見えない見えないな。このまま迷ってしまってもいいなとか、変な事を考えている。猫がないている、赤く光る目、月に反射される僕はスーパースターだ。観客はいない。スポットライトを浴びる。12階の風は僕を撫でる。涙がでちゃった。泣くのは怖いはずなのに、今日は涙が沢山出る。月は僕を照らす。お星様が沢山僕を見守っている。街の景色がチカチカ光る。僕は降りれないよ。降りれない。12階の風、街、月、星、涙。僕は今日死ぬのを辞めて良かった。でもね、きっとまた数週間後には死にたくなってこの風を浴びに来るんだろうな。って思うよ。

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