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僕は何者にもなれない

何者にもなれない。可愛くて愛嬌のある子。頼りがいのある爽やかな笑顔のアイツ。誰からできたんだろうな。誰の真似をしているんだろうな。僕はいったい誰の真似をしているんだろう。お父さんお母さんの血が流れてる。反面教師にしてる。憧れている人はいない。本を沢山読む。人の思想を取り入れる。僕の中身はね、僕じゃないんだよ。だから僕はね、何者でも無いしなれないんだよ。君はどんな人なの?

君は、誰なの?名前は?優しいね。物知りだね。誰の真似をしているの?誰から知ったの?誰かになるには誰かの真似をするしかないね。その真似の真似の、その先の本物は誰なんだろう。きっとその人だけが本当に誰かなんだろうな。僕らは派生しているだけ。それでも自分は自分と言い切れるのは、それはきっと傲慢なんだ。人は皆傲慢。自分が自分と誇れるから、これは俺の知識、俺の思想、全部言い切ってる。それは誰の真似をしているの?

僕は皆の真似っ子得意だよ。皆のいいとこ沢山取り入れるよ。その度に僕は僕で無くなるよ。僕はある子に言われたよ。「君は君だよ。君は自分があって素敵だよ」君は何もわかっちゃいない。僕が自分になれた瞬間なんて感情だけだよ。本能だけだよ。僕に考えはない。思想はない。いつも借り物で生きてる。この借り物は僕が生きていく為に必要。大衆性のある思想と、個性のある思想を学習して、なるべく目立たぬように、自分が自分と思えるように、飲まれないよう。そもそも自分なんて存在しないのに、取り込まれないように気を張っている。いつも気を張っている。疲れたよ。

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