『ザ・ゲリラ』第1話(小説版) 期間限定無料公開中!


あらすじ

風俗店「ザ・ゲリラ」
訪れた客が料金を支払うとGPSが渡される
日常を過ごしていると意表を突くところで嬢が現れて
風俗サービスが行われる
退屈な日常にスリルと彩りを与える風俗店
その名も…「ザ・ゲリラ」


今回は、「ザ・ゲリラ」漫画版連載キャンペーンとして、期間限定で「ザ・ゲリラ」小説版の第1話をnoteで無料公開します!

この機会にぜひお楽しみください!


「ザ・ゲリラ」小説版 

第1話「新しいお店」

                  原作 森田哲也(さらば青春の光)

◼️とある不動産屋の軒先
40代半ばぐらいの長髪の男が店の前に貼られている物件情報を見ている。
中から店員の女性が出てきて、男に話しかける。

店員「何か物件お探しですか?」

男「ああ、ちょっとね」

店員「ちなみにどういった物件をお探しですか?」

男「2号店を出そうか迷っててね」

店員「あっ、お店やられてるんですね。それなら飲食店での使用などはこの辺り割と空き店舗ありますので中のほうへ…」

男「風俗店なんだけどね」

女性店員の目を真っ直ぐ見ながら言う男。
突然『風俗』というワードが耳に飛び込んできたことに動揺を隠せない女性店員。

店員「あっ…そうなん…ですね」

男「退屈な日常にスリルと彩りを与える風俗店をやってるんだよ」

「聞いてねえよ」と心の中で呟きながらも、なんとか接客を続ける女性店員。

店員「でしたら中のほうで対応させていただきますのでどうぞ」

男「店に決められた額を払い、店に指定されたホテルに向かい、店に決められた設定時間内でプレイを行う。そんな風俗つまらないと思わないか?」

「知らねえよ」の顔をする女性店員。

男「値段の設定はお客様次第。いつどこでどんなプレイが始まるかも分からない。街中の女性全てが嬢に見えてくる。うちはそういう店なんだよ」

「こいつずっと何言ってんだよ」の顔をする女性店員。

男「当たり前の日常を非日常に変える風俗店。その名も、『ザ・ゲリラ』」

その言葉を残し、男は繁華街の方向へ一人歩きだした。


◼️都内某所のとあるオフィス

「おーい今度の案件ってどうなった!?」「先方に見積書送って!」などの言葉が飛び交う活気あるオフィス。

そんな中パソコンを前にどんよりした顔のサラリーマンがいる。
男の名は林田健一。不動産会社勤務の33歳。
林田のパソコンの画面には「お部屋探しならKURASOUネット」の社員ログインページ。林田は上司から幅広いユーザーを獲得する企画の考案を命じられていた。
「は〜あ、やる気しね〜」とつぶやく林田。
3年前にこの会社に中途入社した林田は、他の社員に比べて明らかに覇気がない。

定時に退社し、レンタルビデオ屋で数本のエロDVDを物色し家路に着く。
家の電気をつけ、6畳一間の散らかった部屋でカップラーメンをすする。
洗濯物が溜まっていることに気付き、自転車でコインランドリーへ向かう林田。
「毎日毎日、やってらんね〜よ」とつぶやきながらコインランドリーに到着すると、ガラスの扉の向こうに、椅子に座って雑誌を読みながら洗濯が終わるのを待っている女性の姿が。シュシュで束ねた少し茶色がかった髪の毛、極めて薄めのメイク、スウェットパンツにボーダーの長袖という、この場所から徒歩圏内に住んでいることが容易に想像できる出で立ちでその女性は存在していた。

なんとなく髪型を直しながら店内に入った瞬間、その女性と少しだけ目が合ったが、すぐに目を逸らしてしまった。
すぐに自らの洗濯物をドラム式洗濯機に投げ込みながら林田は思った。

「コインランドリーってなんでちょっとムラムラするんだろうなー?」

スタートボタンを押し、その女性から少し離れた椅子に腰かける。
特に何かある筈もないのに、それでも確実に何かを期待しながら、いつも暇つぶしにやっているアプリゲームを起動させた瞬間、

ピー、ピー、ピー

女性が使っていた乾燥機から終了を告げる合図。
女性はすぐに椅子から立ち上がり、今度は林田に一瞥もくれることなく乾燥機の方へ歩いき、洗濯物をトートバッグに入れていく。
ふと店の外に目をやると、コンビニの袋を持ったボーダーの長袖を着た男が立っている。
トートバッグを抱え、少し小走り気味で男のほうに駆け寄っていく女性。
すぐに手を繋ぎ、住宅街のほうに消えていく二人を観ながら大きめの舌打ちを打つ林田。

すると、林田のスマホに上司からのメールが鳴る。最悪のコンボ。
「今度の取材先の資料をファイルにしてメールで転送しといたから明日の昼までにまとめといてくれ」
面倒くさそうにファイルを開くと『新企画!私の下積み物件物語!取材先ラインナップ』と書かれてある。何の気なしに見てると林田の顔が驚きの表情に。
そこには「ミュージシャン:Social 顎男 talism Vocal ヒロ」の文字。
そして「通称アゴメンの相性で若者から人気のロックバンド。5年前上京し下積み生活を送っていたが、去年抜擢された大手洗剤メーカーのCM曲がじわじわと話題に。来春放送のドラマ『千年に一度の恋』の主題歌にも決定し、今絶賛ブレイク」と書かれてある。

「あいつこんなことになってんだ」とつぶやいたのもつかの間、林田のスマホがまた反応した。見ると「ヒロ」からLINE。

「久しぶり!今度不動産会社の企画で取材されるらしいんだけど、これって林田の会社?」の文字。


◼️飲み屋

ヒロがビールを豪快に飲み干し、「うめー!」と陽気な声で叫ぶ。

林田「びっくりしたよ。いつのまにかすげー出世してんじゃん。オレ全然テレビ見ないからさー」

ヒロ「それくらい林田も充実してるってことじゃん?どうなの仕事は?」

仕事の事を聞かれた林田の顔は一気に暗くなる。

林田「そんなでもないよ。毎日毎日安月給で上司にこき使われて・・・。やっぱりバンドやってた時の方が楽しかったよ」

ヒロ「ははは!大学時代はおまえらのバンドの方がうまかったんだけどね」

林田「へ?そうだっけ?じゃあもう一回プロ目指そっかなー!ははは!」

2人で笑いあっているところへ女の子が寄って来る。

「あのー、アゴメンのヒロさんですよね!?握手してもらっていいですか!?」

笑顔で応じるヒロ。その姿に羨望の眼差しを向ける林田。


◼️繁華街を歩く2人

林田「いいの?奢ってもらっちゃって?」

ヒロ「いいのいいの」

林田「なんかごめんなー。うちのインタビューなんて金にならないのに受けてもらって」

ヒロ「いいっていいって。あれ?そういえば林田って今彼女いんの?」

林田「彼女なんていねえよ」

吐き捨てるように返す林田。

ヒロ「じゃああっちの方はどうしてんの?」

林田は必死の作り笑顔で、

林田「ま、基本的にオナニーだね!」

するとヒロは真顔になり、

ヒロ「そっかー。じゃあさ、いいところ連れてってやるよ」

若干訝しげな表情を浮かべるも林田は、

林田「何?いいとこって?」

と聞くとヒロはニヤっとして、

ヒロ「風俗だよ」

林田「なんだよ!そんなに溜めて言うことでもないだろー!けど何?風俗奢ってくれんのか?言っとくけど安月給のサラリーマンだから風俗の奢りは甘んじて受け入れるぞ!」

ヒロ「ハハハ!じゃ、ついてきて!」


◼️雑居ビルの外階段を登る2人

林田「何かこえーな」

ヒロ「いいから来いってば」

階段を登り終え、扉を開けると建物内に。薄暗い廊下が続いており、見るからに怪しい。

林田「何?超こえーんだけど」

薄暗い廊下を歩いた先の行き止まりまでいくと扉がある。

ヒロ「ここだ」

林田「見るからにやばそうだけどマジで大丈夫なのかよ?」

扉を開けると、受付けの机。その後ろは一面棚になっており、車のリモコンキーくらいの大きさの機械が無数に並んでいる。

「何ここ?ヘルス?」

と林田が不安げにヒロに聞いてると、裏でガタン!と音がする。

「痛ててて...」

と言いながら出てきたのは、髪はロン毛でボサボサ、無精髭をたくわえた40代の男。 オーバーサイズの服ではあるがどこか洗練されているようにも見える独特の服装。「本当に風俗店なのか?」と怪訝な表情を浮かべる林田だが、ヒロは慣れてるようで、

ヒロ「今日新しいお客さん連れてきましたよ、店長」

と話しかける。 店長と呼ばれた男は、

「あいよ。で、コースは?」

と言って、タバコに火をつける。

ヒロ「そうだな〜」

と言いながら林田をジロジロと見つめ、

ヒロ「せっかくだし20万コースで!」

と明るく話しかける。男は、

「あいよ。20ね。じゃあ君、アンケート書いてー」

とバインダーに挟まれたアンケートを用意している。 あっけにとられる林田にかまわず、財布から20万円を取り出し、店長に渡すヒロ」

林田「ちょ!20万円って高すぎだろ!大丈夫なのかよ?」

ヒロ「大丈夫だってば、それより早くそれ書いて」

アンケートは4、5枚あり、あらゆる質問項目がある。
「初体験は何歳?」
「どんなシチュエーションでしたか?」
「いつも何分くらいでイキますか?」
「職種は?」
「今恋人はいますか?」
「一番好きな映画は何ですか?」
「ストレスが溜まった時にすることは?」

やけに多いなと思いながらもサクサクと書いていく林田。書いてる間、店長とヒロの会話が聞こえる。

ヒロ「こないだ良かったっすよー」

店長「だろ?あれぐらいの方がお前はいいのかなと思ってなー」

二人の意味深な会話が遠ざかっていくかのように、アンケートを書く林田の頭の中を色んな妄想が駆け巡る。

抜群のプロポーションの美女が林田の前に現れ、
「普段はグラビアやってるんだけど、夜はここでバイトしてるの。内緒だよ♡」とか、

某アイドルグループの女の子が現れ、
「うちのグループ男女交際禁止だからさ、この店で性欲発散させてんだよねー」とか、

林田でも知ってるような国民的女優が現れ、
「もうほとんどの俳優喰っちゃったからそろそろなんか別の刺激欲しくてさ」

などなど、最大限まで想像力を膨らませる林田。

林田「お願いします!」

ギンギンの表情でアンケートを提出する林田。

しかし店長は「はいよ」と淡白な返事をしたのみで、何も喋らない。

林田「あの、 えっと、どうしたら・・・」

店長「え?ああ、終わりですよ」

林田「は?終わり?何が?」

店長「おいヒロ、言ってなかったのかよー?」

ヒロ「言わないほうがいいでしょ、この店は」

店長「ったく。じゃあこちらお渡しするんで、携帯につけるなりして肌身離さず持っててください。はい」

店長からストラップのついた車のリモコンキーくらいの大きさのGPSを手渡される林田。

店長「それでは良い日常を。ありがとうございましたー」


◼️店の外

携帯につけたGPSを見ながら訝しげな表情で歩く林田は、いてもたってもいられず、仕事相手と電話しているヒロに無理矢理話しかける。

林田「どういうこと?これ一体なんなの?」

ヒロ「ちょ、ごめん!今レコード会社の偉いさんが近くで飲んでるらしくて。俺いくわ!」

タクシーを捕まえ乗り込むヒロ。

林田「ちょ!おい!一体何だったんだよ!」

タクシーの窓が開き、

ヒロ「どこかでお前をヌきにくるってことだよ!」

とだけ告げ、走り去っていくタクシー。

舌打ちをしながらポケットにスマホを入れる林田。ポケットの中で妖艶な光を放ちながらGPSが点滅している。


◼️カフェ

カフェで仕事相手と話している林田。相手は女性。 「で、この物件を掲載していただきたいんですけど」 と女性が喋っているが、聞いている風を装うだけで気持ちは上の空。

『どこかでお前をヌきにくるってことだよ!』というヒロのセリフが蘇る。

「聞いてます?」

と、女性が顔をのぞきこんでくると一瞬ドキっとするも、 『まさか…』と思い、「ああ、はい。では掲載スタートはいつに・・・」


◼️街中

ティッシュ配りをするお姉さんが声をかけてくる。『そんなわけない』と横切る林田。

『でもヌくって一体どうやって?』
定食屋で食べながらアルバイト店員を見る林田。

『だって20万円だぞ?』
トイレで用を足す林田。トイレ掃除の女性の背中。 振り返ると年配のおばちゃん。怪訝そうに「何?」と言われる。


◼️会社

上司が新入社員の女子を連れて林田の元へ来る。
「林田、この子今日からうちの部署に配属になったから宜しく頼むな。まあ出来の悪いお前に教えてもらうことなんてないとは思うけど(笑)」
「ちょっと新人の前でそんなこと言うのやめてくださいよ〜」と、面倒くさそうに上司の機嫌を取る林田。
「宜しくお願いします!」と深々と挨拶してきた新人のブラウスから少しだけ胸の谷間が見えた。その瞬間、林田の脳裏にまたヒロのあの言葉がちらつく。

『どこかでお前をヌきにくるってことだよ!』

挨拶されたにもかかわらず、一瞬固まる林田に怪訝な表情を浮かべ去っていく新人。
林田の鼓動はバンド時代のエイトビートの如く、素早く脈打っていた。

『なんなんだよこれ?』

それから1週間、林田はどこかずーっとそわそわしながらも、いつもと変わらない日常を過ごしていた。通勤電車、最寄りのコンビニ、いつものコインランドリー。いつもとなんら変わらない筈なのに、なぜかどこかそわそわしている自分がいる。
そんなある日、ヒロからLINEが入る。見ると「来週の取材宜しくな!」の文字。


◼️取材当日

インタビューに答えるヒロ。
「そうですねー、部屋は小さかったけど、夢だけが膨らんでいってたみたいな感じですかねー」
女子社員が集まる中、後ろで林田がため息をついている。
インタビュアー「ヒロさんは今も下積み時代の経験をいかして曲作りされてるんですか?」
ヒロ「んー 僕の曲作りは一貫してまして、日常の中にある非日常で・・・」

取材が終わり、この前のことをヒロにもっと詳しく聞きに行こうとしたが、沢山の女子社員がサインを求めてヒロの元へ集まっていくのを見て、林田は今日のところは諦めてオフィスの仕事に戻った。


◼️いつものコインランドリー

洗濯機の残り分数は20分。缶ビール片手に座っている林田。スマホであがったヒロのインタビュー記事を見ている。「ごくごく当たり前の日常生活に、非日常な体験をしてもらいたいって気持ちで曲を作ってます」と語っているヒロ。
「かっこつけやがって」と吐き捨てる林田。
と、女性が入って来る。 ホットパンツに、シャツ一枚で、胸も大きくスタイルはいい。

『おいおい、めちゃくちゃ可愛いじゃねえか』

心の中でつぶやく林田。
女性は洗濯物を洗濯機に入れ、林田から少し離れた椅子に座って脚を組み、雑誌を読み始めた。
どうせ今回も何もないのは分かっていながらも、女性の方をチラチラ見てしまう林田。

『やっぱこの子も家この辺なのかな?ちょっと乾燥機入れる時間遅らせて、ちょうど一緒のタイミングで出れたりしたらなんかあるかな?』

などと、不毛な妄想を巡らせたその瞬間、外でガシャンと音が鳴るのが聞こえた。外に出てみると、自分の自転車が倒れていて、大学生ぐらいの男2人が何か言っている。
「やべ!きちゃったよ!逃げろ!」
林田は必死で200mぐらい追いかけたが、結局若者の脚力には勝てず、肩で息をしながらとぼとぼと歩きコインランドリーに戻った。自転車を見ると鍵を壊そうとした跡が。
「クソガキ共が!」と言いながら、コインランドリーの中へ戻ると、先ほどの女がいない。
怒りと虚しさに耐えきれなくなり、誰もいない店内で「踏んだり蹴ったりだな!」と大声で叫ぶ林田。
すると、林田は自分の洗濯機が止まっていることに気づいた。
「あれ?あと20分ぐらいあった気がするけどな…」と言いながらドラム式洗濯機の扉を開ける。中は暗く何もない。
「え?俺の服は?」
顔を出し、もう一度周りを見渡す。どこにも自分の服はない。 もう一度中を覗き込んだ瞬間、白く細い手が伸び、林田の手を引っ張り込む。 体勢を崩しながら、なすがままに洗濯機の中へ引きずり込まれる林田。
するとそこは、ドラム式洗濯機よりも遥かに奥行きがある、酸素カプセルような空間が広がっていた。
「え?どういうこと?」と驚きを隠せない林田の目の前にさっきまでいた女性の顔が。

林田「あっ!さっきの!」

パニックになりながら叫ぶ林田の口元を綺麗な人差し指で抑え、なんとも妖艶な微笑みを浮かべながらその女は言った。

「ようこそ、ザ・ゲリラへ」

その瞬間、林田の鼓膜のずーっと奥にあの言葉が突き刺さる。

「どこかでお前をヌきにくるってことだよ!」

『これか!?』

と、林田が全てを理解したと同時に扉が閉まり、嬢が林田の服を素早く脱がす。林田の全身を長く湿った舌で舐め回す嬢。
二人の入った改造型洗濯機の表示欄に、

『洗い』のランプが灯る。その横には『60min』の文字。

林田の体にたっぷりと唾液を垂らし、全身を這うように舐めていく嬢。
林田の顔が見る見るうちにとろんとした表情に変わっていく。
そして、パンツも下ろされ、とうとう物干し竿のごとくカチカチになった林田のイチモツが露わになった。そのイチモツを躊躇いもなく口に含む嬢。

「あぅっ!」

思わず声を漏らしてしまう林田。
その林田の様子にニヤリと笑った刹那、嬢は顔を上下させながらバキュームのようにイチモツを口の中でこねくり回した。

外の表示欄に『すすぎ』のランプが灯る。

「ああぁ!」

と先程よりも大きな声で叫ぶ林田の口を嬢の右手が塞ぎ込む。

「んー、んー、んー」

口を塞がれながら悶える林田の声が、奇しくも本物の洗濯機のような音に聞こえる。


◼️ザ・ゲリラ本部

大画面を見ている店長は、2日前のことを思い出している。

2日前、店長はこのコインランドリーにいた。
店長が前にしているのはコインランドリーのオーナー。

店長「なんとかなんないかなぁ。2人入れたらそれでいいんだよね」

オーナー「しょうがねぇなぁ。まあ店長さんにはいつもお世話になってるからいいよ。ちょうどメンテナンス出そうかなって思ってたところだしな」

すぐに業者に電話をするオーナー。

店長の仕事は、まだ終わりじゃない。
次に店長が現れたのはとある喫茶店。向かいの席に座っている大学生らしき若者2人に対して、店長は1万円札を2枚差し出し、言う。

店長「とりあえず自転車を盗もうとしてバレたら全速力で逃げてくれ。いいか、追いつかれたらそのまま刑務所行きだからくれぐれも逃げ切れよ」

大学生たちは「簡単っす。な」「余裕だよ」と慣れた様子。


2日前のことを思い出していた店長は、自分の作戦が思い通りにいったことに、ニヤっとしながらモニターを見ている。


◼️コインランドリー

豊満な胸で林田のイチモツを挟みこみ高速で上下に揺さぶる嬢。
林田の頭の中が洗いたてのYシャツのように真っ白になっていく。

そしてとうとうその瞬間が訪れる。

「あああぁぁー!もうダメーーー!!!」

バンド時代ですら出したことのないような大声で顔を歪めながら、林田は『脱水』を迎えた。

「ご利用ありがとうございました!」とだけ挨拶し、そそくさと服を来て出ていく女。
汚れてしまったパンツを本物の洗濯機に放り込み、椅子にどすんっと崩れ落ちるように腰掛け、恍惚の表情で賢者タイムを迎える林田。


◼️ザ・ゲリラ本部
店長がGPS画面を見ながらニヤついている。

「ごくごく当たり前の退屈な日常生活に、スリルと彩りを与える。それが『ザ・ゲリラ』だ」

◼️数日後

ヒロから林田にLINEが入る。

ヒロ「どうだった?ザ・ゲリラは?」

林田「あれから何日経っても下のほうが全然乾かねえよ!また大量のコイン頼むわ!」

ヒロ「うるせー!(笑)」


(第一話・完)

第二話「接待ゴルフ編」 原作:東ブクロ(さらば青春の光)

第三話「同級生編」原作:石田たくみ(カミナリ)

第四話「おばあちゃんの入学祝い編」原作:竹内まなぶ(カミナリ)


現在、「ザ・ゲリラ」漫画版はDMM電子書籍にて毎週金曜更新・連載中!最新話は公開から1週間無料!第1話は永続無料!

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漫画原作「ザ・ゲリラ」を開発した番組『今日からやる会議』(テレビ東京・毎週土曜深夜2時10分放送)はさらば青春の光×カミナリ×テレビ東京でビジネスに挑戦する、新感覚バラエティです。

過去放送回はParaviTVerなどで配信中。

「ザ・ゲリラ」というワードですが、実は「今日からやる会議」番組放送初回(去年の2020年1月)から登場します。まさかこのような形で実現化するとは。。。
番組公式Twitterも更新中。

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