2022年ベストソング20選・後編

前編を読んでないかたはこちらからどうぞ。



異世界混合大舞踏会 (feat. おばけ) / 星野源

俺たちの星野源……!!
これを聴くたびひとたび〝ない〟ノスタルジーに浸りすぎて記憶を書き換えられ、ベチョベチョに枕を濡らすことになるため逆に気軽に聴けない、みたいな域にいる。

「おばけはいるぞ だけど生きた人よりは怖くないよ」
「おばけがでるぞ 胸の闇を 食べながら歌い出す」

……これらの言葉に〝ない〟ノスタルジーを感じた人は聴くと良い。聴くべき。記憶を書き換えられ、ベチョベチョに枕を濡らすことができる。


暁 / ポルノグラフィティ

「ポルノグラフィティ? あ~、アゲハ蝶とかサウダージの?」
というところで時が止まっているすべての紳士淑女の皆さまへ。
悪いことは言わないので人生の4分間を今から彼に捧げて欲しい。
上記リンクをクリックするだけでいいから。

結論から言うとポルノグラフィティはずっと挑戦と進化を続けている。
25周年目&50台を目前にしなお切磋琢磨を続ける彼らは一言で言うとメチャクチャかっこいい。どこまででも追いかけたい、そう思わせてくれるアーティストのファンを続けられることほど幸せなこともそうないだろう。
知らないのであれば今知ってその生きざまをありありと目に焼き付けておいた方が良いと断言できる、それがポルノグラフィティというロックバンドだ。CDを買いライブに行け。生きててよかったって思えるから。

曲の話? 要らん要らん。だってもう聴けば分かるし。


リドー / ポルカドットスティングレイ

中毒って言葉が曲になって襲ってくんだよ!!!!! 助けてくれよ
ただその中毒性といい歌詞といいが俺たちを「ああ、音楽ってこれだよなぁ……」にしてくれる。熱狂を受け入れることね。


幻愛遊戯 / GARNiDELiA

「「「「「馴染む」」」」」
人間の魂の形をしている楽曲。説明不要。


僕の存在証明 / やくしまるえつこメトロオーケストラ

もう〝ずっとここにいたいのに逃げ出しちゃいたい〟とか、そういう妙な感傷で鼓膜をブン殴ってくれるのがこいつ、僕の存在証明 / やくしまるえつこメトロオーケストラ。6分とかいう通常の楽曲2倍のボリュームのくせして一切無駄がないと思わせるのすごいな。
オタクなら皆「少年よ我に帰れ」のこと好きだと思うので、そういう意味でも聴いた方が良い。10年越しにやってきた片道切符みたいなところがあるから。往復はできないけど。


アイウエ / MAISONdes feat. 美波, SAKURAmoti

〝全部〟いいから何書けばいいか分からなくなったわ。
2022年に用意されたうる星やつら大リスペクト公式イメソン。美波ちゃんの「どっから出てんだそのがなり」みたいな歌い方がやみつきになる。一回聴くとうっかり口ずさみたくなってしまう、緩急の妙で一生聴かせようとしてくる良曲。アイウエを聴くことで自身の健康に貢献することができるぞ。


残機 / ずっと真夜中でいいのに。

己の作風を貫き通しながら「チェンソーマン」主題歌を作ることに成功しているヤバい集団、ずとまよ。普段のずとまよにありがちな〝小気味いいテンポ感によく分からない単語を並べて気持ちよく聴かせるあの感じ〟かと思いきや実は全然それだけじゃない。
これを『はい! チェンソーマンのEDです!』って言ってお出しされたらこちらは『はい。ありがとうございました』って受け取るしかない。そういう出来の、1000%アーティストとしてもタイアップとしても〝正解の概念〟みたいな楽曲が残機。
まず開始0秒かわいらしい鳴き声に扮した「嫌」で始めるその仕打ちはなんなんだ、何百回と聴いたけど聴くたびにドン引きしてるよ。人間には早いまであるだろ良すぎて。
また、歌詞もヤベエもんばかりで『いらっしゃいませ ニンニク増しで目指した健康体』『実のところ恵まれても虚無感が友達』『うざいくらい 叫んだって喰らったって譲れない日々よ 栄養になってまた 汚し合え』……etc
書いているとキリがないがずっと真夜中でいいのに。にしか出来ない、それでいて確実的確にチェンソーマンのことを歌っている、と分かる。なんなんだ。全知全能の悪魔なん? 怖……
極めつけが『ただ穏やかでいたい 誰にも迷惑かけたくはないと思うが 戦わないと 撫でてもらえない』
Cメロにこれをぶち込むセンス、感服、洗脳、四面楚歌。
私たちは人として生を受けた以上ずっと真夜中でいいのに。に勝てない。


放課後マリアージュ / UNISON SQUARE GARDEN

あ~~~はいはい、はいはい出ました。キャワイイアップテンポパンピ受けしそうな曲調・テーマ・女優さんを起用した学校生活風のキャワイイMVを撮り下ろしておきながらそれらをすべてB面に収納しCDの特典にしてしまう、サブスク? ないけど(笑)UNISON 変態 SQUARE GARDENさん。今時カップリング曲はネットじゃ聴けませ~~~ん!! なんてことあるか。時代がCDの取り込み方を忘れさせる令和によ。
記事を書くにあたり、インターネットに音源やMVがなかったのは放課後マリアージュだけです。ロックだな。

CD買ってください(得られる〝栄養〟と鑑みると、事実上この価格はタダなので)

曲の話をしよう。放課後マリアージュとは青春である。
かわいくて、ふざけていて、どこかヒリヒリして、しかしキラキラともしていて、そんな中に人生の大事なことが全部詰まっている。
大体『宿題終わらなくても 約束が宝石みたいに 輝いてたら平気だよ』って歌詞と『手足ちゃんと洗おうね 敷居を跨げないぞ』『お行儀って形骸なのか? 違うよ 悪い子とは遊びません』って歌詞が同じ曲の中に混在してるのが完全にイカレなんだよイカレ。2022年イカレ大賞受賞だよ。そしてそういうところがUNISON SQUARE GARDENの良さでもある。
放課後マリアージュが2022年発売で良かった。もしこんな曲が学生時代にリリースされていようものなら、私は「UNISON SQUARE GARDENさんがこう言っているので、宿題しません」と言っていたところだった。
宿題終わらなくてもいいのでCD買ってください。彼らは私たちに音楽の楽しさを、手間を教えてくれる。骨を折らせてくれる良いバンドだ。


灼熱にて純情(wii-wii-woo) / 星街すいせい

上記で散々話した変態UNISON SQUARE GARDENの作詞作曲ベース担当田淵智也さんがVtuber星街すいせいちゃんに書き下ろした変態楽曲。
大体こんな曲名つけるの田淵智也か小室哲哉くらいだろ。

こいつはゴリゴリの高難度ロックミュージックで、曲だけ聴いていると「おいおい、あんまりいじめてやるなよ……」と心配になる。ところがどっこい星街すいせいちゃんはありえん歌が上手い(本当に上手い。透き通っているのに強く、力の入れ方・抜き方が気持ちいいので一生聴ける)ので、見事完成度1500%のものが世に解き放たれているのだ。天才と天才の共作なので仕方がないね。
DIALOGUE+といい田淵智也が女性歌手に対し楽曲提供したものを聴く際大抵少女性に対する思想と自我が強すぎてビックリするのだが、その思想を250%の形で表現できる者が世にいるという事実は私たちの救いになるだろう。


YOMI / 煮ル果実 with Flower

『天国も地獄も君がいないと始まらないや』

2022年の締めくくりはこちら。煮ル果実は我々人類の血液に流れている大事な何某かを言語化してくれた。バカじゃねえのかという高音でこちらをタコ殴りにしてくるのに聴いていないと恋しくなってくる。
『意味が無いと思っていた僕の命はきっと 液晶越しに響き渡ったハレルヤ』から『自慢でも長所でもないが 僕の唯一の神話なんだ』という歌詞の畳みかけがお見事。だってこんな10000%大正解ですみたいなハレルヤの用法見ねえもんな。ほかにもタイトルセンスと歌詞に散りばめられている高揚感を一字一句拾って宝物のように愛でたいのだが、それをやっていると2024年を迎えそうなので各自頼む。


ありがとうございました。2023年もたくさん音楽を聴きたいです。

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