【怨霊観戦記】第6期V名人 A級剣組 心瀬双 VS 祠森その

※なにこれ!

 VTuberの将棋大会、V名人戦の観戦記です。観戦記とか初めて書くし、まぁ全局は無理なんで、自分が中継や聞き手担当になった対局や、気になった対局について観戦記を書いていこうと思います。ちなみに私はウォーズ初段なので、将棋の面では適当言ってる可能性があるので鵜呑みにしたら、つらいピヨ……

〇対局情報

対局日:2023年8月28日(月)22:00〜
先手:心瀬双
後手:祠森その
中継:美野辺沙羅
聞き手:磊々舘カンナ

・配信アーカイブ

・棋譜

○対局前

 両者の対決成績は別棋戦で1回対戦経験があり、そのさんの王手放置で心瀬双さんの勝ちとなっている。心瀬双さんは前V名人戦ではA級3勝1敗で2位の成績を残しており、祠森そのさんはB級からの昇格組。
 心瀬双さんは初戦のののさんに敗戦しており、二戦目は勝っていきたいとのこと。祠森そのさんについては最近はあまり指してないものの、無敵囲いの印象が強いとのこと。
 祠森そのさんも初戦は天神八潮さんに敗戦しており、心瀬さんに一回負けてしまっていることもあり勝ちたい対局なっており、王手放置だけはしたくないとのこと。

○対局内容

・25手目 ▲4八飛

25手目 ▲4八飛。右四間飛車 対 居飛車の様相。

 先手は▲2六歩から後手は△3四歩で▲7六歩に△4四歩と、後手から角交換を拒否して、お互いにじっくりとした立ち上がりとなった。特に駒をぶつけていくこともなく駒組を進めていき、先手は4六歩から銀を腰掛銀にして右四間飛車の様子。対して後手は4三銀を銀を上げていき、雁木囲いに向かう様子。

・36手目 △3四飛

36手目 △3四飛。先手は銀を引かされたが、後手は飛車が狭いか。

 先に駒をぶつけていったのは後手。△3五歩と突いて▲同歩に△8六歩から飛車先の歩を交換して、歩を確保して△3六歩打を狙っていく。後手は2五に歩を進めてしまっているため桂を跳ねる場所が無く、▲4七銀と銀を引いて対応。△8五飛、▲8七歩打に△3五飛と歩を回収して、▲3六歩打に中継陣は2五飛を予想したものの、後手は△3四飛と引いた。
 先手はこの飛車が狙いどころと見て、▲3八金から金を上げてひしゃを圧迫していく方針へ。

・50手目 △2五歩

50手目 △2五歩。桂得したものの、先手の攻めが少し怖い。

 後手は△2四歩とぶつけて、飛車の逃げ道を作りに行く。▲1六歩、△2五歩、▲同桂、△2二角、▲2七金、△2四歩打、▲2六金、△2三金と飛車を後ろに引く場所を作って、▲3五金に△3一飛と引いた。▲4五歩に対して後手は3分半の長考の末に、△2五歩と桂馬を取った。
 後手は駒得したものの雁木の形が崩れてしまっているため、先手からの4筋の攻めが怖いところ。

・59手目 ▲3三角成

59手目 ▲3三角成。角を切って攻めていく。後手は▲2三歩成や▲5三金打が怖いか。

 ▲4四歩と歩を取り込み、△5二銀引、▲4八銀と飛車の効きを通す手に、△4二歩打と受ける。△4三歩成と一度歩を成り捨てて、▲同銀、▲2四歩打、△3三金と進行し、先手は▲3三角成と角金交換でさらに攻めていく。
 先手は駒損しているが、後手は居玉なのが苦しいところ。この辺りはかなり難しい展開で少しの間違いで形勢が変わりそうで、中継陣としてもどちらがいいかは判断に困った。

・74手目 △6二玉

74手目 △6二玉。玉が逃げ出し、すこし後手に形勢が傾いたか。

 本譜は▲3三角成に対して△同角となった。▲4四歩打と攻めを足していき、△3二銀、▲3四金で△5五角打。色々手がありそうなところだが、先手は▲2三歩成から攻めていき、△同銀、▲同金、△4四角上と歩を取り飛車の成りこみを防ぎ、▲6六銀打、△2六角、▲4五飛、△3六飛、▲3二金打に△6二玉と進行した。
 先手は玉に逃げられてしまい、3二金打が少し重たく攻めを上手くいなされてしまった感じ。後手の飛車成りがかなり強く先手は持ち駒が無いので、受けるのは大変そうという局面に。

・86手目 △6二銀打

86手目 △6二銀打。△4九歩成もありそうだったが、守りを固めた。

 ▲4二飛成、△7一玉から▲5五銀と角を回収。△3九飛成に▲4九歩打、△5五歩と銀を回収して先手も攻め駒が少ないので▲2一金と桂を回収。△4八歩打と攻めてくるのに対し、▲5三桂打と先手も攻めていく。流石に見過ごせず、△同角、▲同龍に△6二銀打と守りを固めた。
 先手には角しかなかったので、△6二銀打ではなく△4九歩成もありそうな局面だったが双方ともすぐ詰みそうな局面で、なかなか怖いところ。

・106手目 △6五角打

106手目 △6五角打。龍を交換して成桂も取られてしまったので、先手に形勢が戻ったか。

 先手は△6二銀打に対して、▲4二龍と引いて4筋に龍の効きを通して守りに効かせた。後手はここから桂しか持っておらず、なかなか攻めずらい格好になり、△3七桂打、▲1七角打、△4九龍、▲同龍、△同桂成と龍を交換する展開に。▲4一飛打と4九の成桂を取りに飛車を打ち、後手は△6一飛打と飛車を合わせて、金を取るために自陣に飛車打ちをした。先手は龍を作り、後手は金を拾ったものの飛車が使いづらく、攻めのきっかけがつかみづらい局面に。
 後手は歩で龍を釣り上げてから△6五角打として、何とか攻めていこうとする。

・118手目 △4六桂打

118手目 △4六桂打。お互いに攻め合う展開に。

 ▲4二龍に△5二金打と守りを固める。▲3三龍と逃げる手に△8八歩打、先手は▲2一金と飛車を回収して、△8九歩成と桂を回収しながら先手玉に迫る。▲4一飛打、△6一桂打に▲1一金と香を回収し、△4二歩打と飛車の効きを消して▲4三桂打に△4六桂打として詰めろをかけて攻めていく。
 ぱっと見では後手玉が若干固そうに見えて、なかなか詰めるのは難しそうだが、持ち駒が銀だけなので、先手玉を詰め切るのもなかなか難しそう。

・131手目 ▲8六銀打

131手目 ▲8六銀打。すこし先手玉が苦しいか。

 ▲7九金と金を引いて詰めろを解除し、△8八歩打でさらに攻めを繋げていこうとする。▲5二桂成に△4七角成で一度王手をして▲7八玉と上部へ逃げる。後手は△7九と、▲同銀、△5二金として桂と金を回収して、▲5四香打に△8五桂打として詰めろをかけていく。▲3五角と王手をかけてから▲8六銀と受けるが、少し後手からの攻めが続きそうな局面に。

・142手目 △6九馬

142手目 △6九馬。先手玉は必至で受けが効かなさそう。

 △7三桂と跳ねてから△7七銀打をして、清算してから△7五桂と跳ね、▲8八玉、△7七金打、▲9八玉、△6九馬で玉を寄せていく。先手は8八に駒を足しても△8八金と取ってしまう手や△8九銀打がありそうなので、受けが効かなさそうな局面に。
 本譜もそう読んでか、▲7三銀打から後手玉を詰まそうとする。

・159手目(投了図) ▲7一角成

159手目(投了図) ▲7一角成。なんとか先手が詰まし切った。

 ▲7三銀打、△同銀、▲7二金打、△同玉、▲6三龍、△8三玉、▲8二金打、△8四玉、▲7三龍、△同玉、▲7二金、△8三玉、▲8四銀、△同玉と進行。ここで▲9六桂打としたが、この局面で△9五玉なら後手玉が詰まなかったが、本譜は△9三玉とし、▲7一角成で後手が投了した。

〇本対局の感想

 本譜は159手の激戦となり、心瀬さんとしては何とか先手玉を詰まして激戦を勝利、そのさんとしてはあと一歩というところまで行ったものの惜しくも勝ちを逃してしまうという結果になった。
 本局は中盤から力戦調の将棋で、中継陣としても正直どっちが勝ってるのかよくわからんという局面が続いた印象で、かなり体力を使う将棋だったと思うし、かなり見どころの多い将棋だったと思った。
 そのさんはこれで2敗、心瀬さんは1勝1敗と、そのさんとしてはA級定着、心瀬さんはS級昇格の可能性を繋いだという形になった。

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