【怨霊観戦記】第6期V名人 B級花組 パンプキンぽっぷ 対 ねっふぃ



※なにこれ!

 VTuberの将棋大会、V名人戦の観戦記です。観戦記とか初めて書くし、まぁ全局は無理なんで、自分が中継や聞き手担当になった対局や、気になった対局について観戦記を書いていこうと思います。ちなみに私はウォーズ初段なので、将棋の面では適当言ってる可能性があるので鵜呑みにしたら、つらいピヨ……

◯対局情報

対局日:2023年8月3日(木)22:00〜
先手:パンプキンぽっぷ・P・ピラカンサ・パペッティア
後手:ねっふぃ
中継:美野辺沙羅
聞き手:凪森なつき

配信アーカイブ

棋譜

対局者の情報はこちらから


◯対局前

 今期V名人戦は開幕局が2局あり、本対局と「V-S級獅子組 梨山海玲 対 さこち」戦の2局が同時に行われた。
 どちらも好カードということで、オマケに裏ではVSリーグもあり、さっそく将棋Vリスナーに複窓を要求するスケジュールに。
 g-callさんが配信開始30分前から待機する「ねっふぃファン」っぷりを見せており、観客のボルテージも高まっていた様子。
 対局者はこの対局が初対局とのこと。対局前インタビューでは両者とも「今期A級昇格」を目標と掲げており、開幕局ながらにして負けられない一戦となった。

◯対局内容

・7手目 ▲4八玉

 初手▲3六歩、△8四歩、▲7八飛と先手が三間飛車で、後手が居飛車の対抗形となった。この戦形については中継陣やリスナーも予想していたところで、両者とも時間を使わずに手を進めている。
 7手目で先手は角道を止めずに4八玉と指し、中継陣、リスナーともに後手の角交換をどう受けるか注目する展開に。
 △7七角、▲同桂は△4五角があり、受けるなら▲3六角打、△同角、▲同歩なんてのがありそうだが、感想戦では△4五角に対しては▲6五桂を考えていたとのこと。△7七角、▲同桂、△4二玉、▲5五角、△3三桂、▲5三桂成、△同玉、▲3三角成という進行を感想戦でやっている。
 本譜も両者自陣に手を入れてから、後手の7七角に同桂と取り新鬼殺しのような激しい展開になった。

・14手目 △7六角打

 先手が7五歩と歩を伸ばしたところに7六角打とし、後手は馬を作りにいった。この角打ちで中継陣、リスナー共にはっきり後手が有利と見ていた。
 感想戦で聞いたところ、ねっふぃさんは事前研究で対策を練っており、7五歩に対しては7六角打をすると決めていたとのこと。本来であれば7手目の4八玉に対して角交換を仕掛ける予定だったが、ちょっとタイミングが遅れたらしい。
 パンプキンぽっぷさんもこの局面は指し慣れた局面とのことで、微不利ながらもこっからゴチャゴチャして攻め切ろうという狙いだったとのこと。
 この後は△7六角打に対して先手は受けずに7四歩と伸ばし、△2七角成、▲5五角、△3三桂、▲7四歩と飛車のコビンを狙う。
 

・20手目 △5四馬

 ねっふぃさんはここで2分30秒を使って、5四馬と角を取りに行った。他には8六歩も考えており、この2つをするのに長考していたとのこと。
 8六歩は次に8七歩成があり、こちらも先手はかなり苦しい展開になる。感想戦で聞いたところでは、△8六歩に▲6五桂は△8五飛を読んでいたとのこと。▲7三桂成も△5五飛と角を取って、8七歩成と4六桂からの5筋の攻めが厳しい展開に。
 先手としては、角を逃しても8六歩がキツいので、7四歩成から△同桂、▲同角成、△同銀と角を切り、▲6五桂と跳ねて7三の地点を狙う。

・33手目 ▲7二歩打

 後手のねっふぃさんは力戦形を得意としているパンプキンぽっぷさん相手に、出来るだけ駒を渡したくないということで、6四に銀を逃がして▲7三桂成に、2分半を使っての△7七歩打、▲同飛に△9五角と飛車と成桂の両取りを掛けた。▲8二歩、△7三角成とお互いに飛車を取り合い、ここでパンプキンぽっぷさんは7二歩打とした。
 次に7一歩成からと金と成桂で攻めていこうという手だが、中継陣やリスナーともにちょっと重たいという印象。後手は7三に馬を作っており、ここ形勢が後手に傾いたか。

・38手目 △2四香打

 先手がと金を作り成桂を寄せている間に、後手は9九の香を取って手筋の2四香打。この香打ちがめちゃくちゃ痛い手で、5四の馬の効きがしっかり2七の地点に効いているので、このまま放置すれば2七馬の一手詰めで、先手はここで受けを余儀なくされており、のちのち上部にも逃げられなくなっている。

・43手目 ▲6八金

 本局はこの6八金が敗着の一手となった。△9八飛打、▲7八歩打、△7七歩打で、後手の狙いの△7八歩成、▲同銀、△7七歩打を受けようとした手のようだが、▲6八金は△8九馬の7九の銀取りが受からずに、先手陣が崩壊してしまう。
 先手の攻めは成桂とと金がまだ7筋におり、飛車を打っても間に合わない形で、他に早そうな手もあまりない。

・50手目 △7七馬

 先手も4六桂打と急所を攻める手を見せるが、一旦4四馬と避けて、後手は7七馬と金を取って踏み込みに行った。これで次に△7八龍が詰めろになる形になった。
 ▲3四桂から後手玉に王手は掛けれるが、持ち駒は飛車しか無く王手が続かない。粘るなら持ち駒の飛車を受けに打つか、成桂を寄せて金を取って自陣に打ち込んだりだが、馬が2枚と龍の攻めを受け切れるかはかなり怪しい。

・56手目(投了図) △4八龍

 本譜は成桂を寄せて金を取り、△7八龍に対して下駄を預ける▲6二金打。△4八龍で先手の投了となった。
 以下、▲同玉、△5九銀、▲3八金、△4八金で詰み。


◯本局の感想

 ねっふぃさんは、初のV名人戦ということで対局前からかなり緊張したしていたとのことだが、昇級候補のパンプキンさん相手に大事な初戦をしっかりと勝ち切ったのはかなりデカい。逆を言うと、パンプキンぽっぷさんにとっては、今期V名人戦は少し苦しい出だしとなったと言えるかもしれない。
 将棋の内容は、ねっふぃさんの研究がズバリハマったという感じだったが、パンプキンぽっぷさんも想定内の展開で、感想戦では序盤の変化や、14手目の馬を作られた局面からでも難しい変化などあったりして、これを勝ち切れたのはさすねふぃという感じ。
 ねっふぃさんは「後手番が決まってて絶対鬼殺ししてくるってわかってたから、一点読みの研究が出来た。先後が振り駒だったらどうなってたかわからない」と話し、パンプキンぽっぷさんも「ほかの戦法の勉強もしなきゃだめだなぁ」と話していた。

 最後に、怪人と怨霊は元気だったけど、ねっふぃさんは糖尿病になっちゃって、凪森さんは最近、関節痛いし、視力もおちてきたとのことで、みんな、体には気を付けよう!

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