「新少林寺拳法」とは!?昨今話題かどうかも分からない、謎の武道団体に怨霊がせま……らない!!

※なにこれ!

 7月4日に少林寺拳法のホームページで「関係無いよ!」と本部がお気持ち表明している、新しく立ち上がった「新少林寺拳法」という団体について、意外とみんな知らなさそうなので、私が知ってることをつらつらと書いていきます。
 ちなみに個人的に調べた結果と見解であって、事実かどうかは知りません。当事者でもなんでも無いし、本も買って無いので。「それでもよかです」という人だけ読んで下さい。Are you ok?ほいじゃ、行ってみよー。

○新少林寺拳法とは

・概要 

 正式名称は「新少林寺拳法武徳会」というそうです。2022年1月4日に商標が「一般社団法人国際拳法連盟」という団体から出願されており、2022年7月末現在で審査待ちの状態です。法人検索をしてみましたが、今のところは「新少林寺拳法」という名前での登記はありませんでした。なので、新少林寺拳法は国際拳法連盟の別称、又は同連盟に所属する組織ということになるかと思います。
 ホームページを見るとご丁寧にPDFで、設立の目的やどういった団体か等、詳しく書いてあるので、そこら辺はホームページの方を見てください。
 さて、皆さんが1番気になるのは「こんな団体、一体誰が作ったんだ?」ということだと思います。では早速みていきましょう。

・設立者について

 代表者のところを見てみると「総師範 植木隆雲」とあります。国際拳法連盟の代表者も同じ方です。PDFを見てもらうとわかりますがこの方、(隆雲と改名していなければ)本名を植木新一さんといい、少林寺拳法の准範士七段"だった"方です。"だった"というのは平成4年3月22日付で破門処分を受けており、現在では段位と准範士の資格を本部より取り消されてしまっているのです。破門されるまでは大分県で道院長を務めながら、大分県連の支部長をされていたとの事です。ちなみに、私が聞いたところでは元々開祖の警護なんかもしたことがあり、かなりの武闘派の先生だったという話を聞いたことがあります。
 さて、一体何故そんなすごい先生が破門されてしまったのかというと、端的に言えば「少林寺拳法を告発する」という書籍を他の破門を受けた先生と共同で販売したからです。ちなみに調べるとわかりますが、この書籍の件で少林寺拳法から名誉毀損で訴えられてなんかもいます。一応、本部の言い分としては「平成元年頃から入門者を本部に報告せず、独自の昇級昇段試験を行い、国際拳法連盟名義で允可状を発行していた」ということで破門処分にしたとなっています。まぁ、その頃から既に独立してやっていたということなんだと思います。
 どうしてそういうことをしたのかと言うのは、まぁ、大体の想像はつきますが確信的なことは私には分かりません。植木先生出されている「少林寺拳法研究」と言う著書には書いてあるかもしれません。

・活動内容について

 まぁそりゃあ、やってることはほとんど少林寺拳法ですよ。白蓮会館みたいに空手の協会に入ったわけでも無いし、少林寺拳法一筋の先生だったみたいですからね。そりゃそうなる。ただし、宗教的な部分(鎮魂行やら学科やら)は無いのと、肘打ちがあったり寝技の固め技があったりと、技法については変化は見られます。また、やはり武闘派な先生だったということもあってか、乱取り(防具をつけてのスパーリング)を重視されているようです。
 国際拳法連盟自体、大分県にて活動されている団体で割と少林寺拳法の別派としては有名な団体です。大会なんかでも100人以上が参加されているようです。代表者も同じですし、新少林寺拳法は言ってしまえば国際拳法連盟の別称みたいなものなので、大分県を中心に活動していると言えるでしょう。
 まぁここからは推測ですが、おそらく新少林寺拳法と名乗り出したのは、国際拳法連盟で行っていた練習方法などを見直して、技法や型を再整備して体系化し、団体としての活動方針などを新たに作り直した為なのかなと。まぁ推測なんで知らんけど。

・まとめ

 簡潔にここまで書いてきたことをまとめると

  1.  「新少林寺拳法」は正式名称を「新少林寺拳法武徳会」といい、一般社団法人国際拳法連盟が出願中の商標であり、同連盟に属する組織である。

  2. 代表者の植木隆雲氏は元々少林寺拳法七段の先生であり、大分県を中心に活動している国際拳法連盟の代表者でもある。

  3. 技法などは少林寺拳法を基にしているが、宗教的な部分はなく、技にも変化があり、少林寺拳法よりも乱取りを重視している。

 まぁ、いわゆる別派ってやつですよね。

○各派の動向

 さて、この「新少林寺拳法」の登場によって色々な人が動きを見せてるんじゃ無いかと思い、しらべてみました。張本人の「新少林寺拳法」の立場も併せてまとめていきます。また、この項はだいぶ個人の推察が入るので、興味なければ飛ばしてもらって構いません。ごめんなさいね、考察大好きマンの悪いところが出ちゃったの。許してクレメンス。

・新少林寺拳法(国際拳法連盟)

 前述した通り、「新少林寺拳法武徳会」は国際拳法連盟の出願中の商標であり、代表者も同じで現状は独立した法人ではありません。なので併記して行きます。
 「宗一族と宗教団体とは無関係だ」とは言っていますが、もちろん意識していることは間違いありません。なんなら設立理由が少林寺拳法に対する恨みつらみでマンマンです。しかし、気になるのは「何故今なのか?」ということです。そもそも国際拳法連盟で別派として30年以上は活動してきた歴史がある為、今更こんな新少林寺拳法と名乗って喧嘩売る必要もないように感じます。
 まぁ、動機は3代目になったから自身の著書の話を蒸し返す為にやってるのかなとは思いますが、ハッキリとした理由はイマイチです。しかし、それなりに準備をしての発表だったらしく、商標出願が1月で少林寺拳法連盟が認知して公式でお気持ち表明をしたのが7月と、約半年間の時間があります。商標の受理がされるのが出願から大体半年程度なので、それだけの期間を空けているのは、何か狙いがあるのかなとは思います。

・少林寺拳法

 さて、3代目士道ブラザーズはどう出るでしょうか?7月4日にはお気持ち表明されましたね。そしてその文言に「少林寺拳法は固有名称でありSHORINJI KEMPO UNITYの承認する団体以外では使用できません。」としっかり入ってました。
 まぁ、商標の無効審判を出すでしょうね。得意ですから、そういうのは。ちなみに開祖の時代に「少林寺拳法」と名前の付く団体や似た名前の団体に訴訟を起こして名前を変えるよう何回か裁判を起こしている実績があります。
 まさか植木先生が知らないわけがないので、この辺りも折込済みで新少林寺拳法を名乗っていると思います。展開が気になりますね。

・全日本少林拳武徳会

 最初に商標の「新少林寺拳法武徳会」という名称を見て気になったんです。「似たような名前の団体あったよなぁ」と。それがこちらの団体。ちなみに少林寺拳法とは全く関係無い、と思わせておいてちょっとだけ関係あったりします。
 実は元々「少林拳法」と名乗っており、開祖の時代に名称を巡って裁判を起こされた団体の一つで、その時に「少林拳武徳会」と名前を変えた経緯があります。ちなみに本部の場所は福岡県だったり。
 おそらくはまだ「新少林寺拳法武徳会」のことは認知してないと思われます。反応が待たれますね。しかし何故、新少林寺拳法は武徳会を付けたんだろうか。大日本武徳会ってのはあったけどさぁ……

○あとがき

 とまぁ、新少林寺拳法というのはこんな感じです。裁判記録とかね、探すと出てくるので見てみるともっと色々わかりますよ。
 なんか武クラ界隈は令和になってから、変な団体いっぱい出てきて大変ですね。昭和の活気が戻ってきたってことでしょうか。
 何かあれば気が向けば追記して行きますし、怒られたらちゃっちゃと消します。気分屋なのでね。


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