【怨霊観戦記】第6期V名人 S級獅子組 梨山海玲 対 さこち



※なにこれ!

 VTuberの将棋大会、V名人戦の観戦記です。観戦記とか初めて書くし、まぁ全局は無理なんで、自分が中継や聞き手担当になった対局や、気になった対局について観戦記を書いていこうと思います。ちなみに私はウォーズ初段なので、将棋の面では適当言ってる可能性があるので鵜呑みにしたら、つらいピヨ……

〇対局情報

対局日:2023年8月3日(木)22:00〜
先手:さこち
後手:梨山海玲
中継:鹿角ほたる
聞き手:四宮式

配信アーカイブ

棋譜

対局者の詳しい情報はこちら


〇対局前

 この対局は、私が中継したV-B級花組 パンプキンぽっぷ 対 ねっふぃ戦と同じく第6期V名人戦の開幕局となり、両対局が同時刻におこなわれた。
 両者はV棋戦では対局はないものの、初対局というわけではない様子。V棋士に珍しい嬉野流使いであるさこちさんと、タイトル挑戦者候補の梨山さんとの対局ということでこちらも注目カードとなった。

 インタビューでは、さこち曰く「野良で当たったこともあるが全敗している」とのことで、かなり苦しい対局になると予想しながらも何処まで研究が通用するか、胸を借りる気持ちで頑張りたいと語った。
 梨山さんは、スケドン将棋教室1期生として自分らしい将棋をさせるように頑張りたいと意気込みを語った。
 はい、先生!VSリーグで活躍中の選手と、S級の人が「ガヤ」はおかしいと思いまーす!

〇対局内容

・20手目 △8五飛

 先手のさこちさんはいつも通りの嬉野流。これに対して、梨山さんは飛車先をつき越す居飛車の姿勢。お互いに時間を使わずにどんどんと指していき、自然な形で駒組をしていった。
 着々と嬉野流の構えを整える先手に対し、後手は飛車先を交換してから△8五飛と中段飛車に。銀の進出を飛車の横効きで牽制するような感じか。
 局面が進んでいる一方その頃、中継陣はうなぎの話で盛り上がってた。

・26手目 △4二銀

 △4四歩を見て先手は引き角にせずに、▲7六歩と角道を開けた。梨山さんはこの手が想定外だったらしく、少し手が止まる。△4二銀と指し、守りを固めに。
 感想戦で言っていたが、引き角を遅らせて角道を開けるのは、新嬉野流の変化の一つというところでこの辺りはさこちさんの想定範囲だった様子。

・39手目 ▲3五歩

 気がつけば、雁木囲いの形を目指す後手に対して、先手が急戦調の早繰り銀の形になっている。通常の早繰り銀と違うのは、右銀ではなく左銀を使っているところで、この辺りが嬉野流らしさという感じ。
 後手の銀が腰掛け銀の位置に来る前に▲5五歩と飛車の横効きを消し、△4二角としたところで▲3五歩と仕掛けて行った。△同歩、▲同銀、△3六歩打が少し気になるところだが、後手の角が活用しにくいのと銀で紐が付いているので、▲2四歩のほうが早そうか。

・51手目 ▲6五桂

 後手は3五歩を取らずに、△5二金、▲2六飛、△4一玉、▲3六飛と進み、ここで3四歩と取り込まれると悪いとみてか△3五歩と取り▲同銀。後手はここで考えてから、△6五桂と右桂を跳ねた。
 次に△7七歩、▲同桂、△7六歩打の攻めがあり、これで暴れていこうということか。
 この時点で先手のさこちさんは、持ち時間14分5秒。後手の梨山さんは持ち時間10分25秒。さこちさんの時間攻めが徐々に効いてきている。

・65手目 ▲6五歩

 △6五桂に対しては▲3四歩打とし早繰り銀の攻めの形を完成させるが、しっかり時間を使って△7七歩打と前述の攻め筋に入った。▲同桂、△7六歩打、▲6五桂と桂を取り、同歩で桂を交換した形に。▲6八金と金を寄ってから、△7四飛と引く手に対して歩でたたいて▲5六桂と攻める準備。▲6六歩、△3八歩打、▲6五歩と進む。
 先手が3筋からの攻めを見せているのに対して、後手も7六歩と8五桂と7七の地点に効きを集めている。3八歩から3九歩成とと金を作れれば、先手陣はかなり狭そうに見える。

・74手目 ▲4四歩(二歩)

 あーっと!中継がちょうど、反則の話をしているときに「テレレレー」という間の抜けたBGMが流れてしまい、中継も聞き手も「あっ!」ってなってしまった。フラグを立てたのだーれだー?
 局面は▲6四歩、△同銀と後手の飛車の横効きを止めて、▲4四銀から先手の銀が上手く捌けた形。▲4三銀成、△同金と金を斜めに釣りだした形で、4四歩は指したい一手という感じ。
 この時点の持ち時間は、梨山さんが残り3分、さこちさんが残り11分と形勢も悪くもないところで持ち時間も差があっただけに、非常に悔しい負けとなってしまった。

〇本局の感想

 さこちさんとしては最終局面付近まで研究範囲だったというのに対して、梨山さんは早々に局面が事前準備から外れてしまって苦しかったとのこと。さこちさんとしてはV名人戦のデビュー戦で少し手痛い敗戦となってしまった。梨山さんとしては、苦しい将棋だったものの勝ちを拾えたので、タイトル挑戦に向けて順調な滑り出しといったところか。
 感想戦では二歩を打たなかった世界線もやっているので、興味のある方は配信アーカイブからそちらのほうも見て頂ければと。

 梨山さん曰く「昨日ドンキーコングの配信を見てたら勝てたので、ドンキーコングの視聴をお勧めします」とのことです。スケドン将棋教室に入会してけー?

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