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【進撃の巨人】諫山創先生の経歴|強烈な劣等感から世界的大ヒット漫画家へ

こんにちは。Saraです。

今回ご紹介するのは、ダークファンタジー漫画の名作「進撃の巨人」の作者として有名な諫山創先生です。

巨人が人間を喰らう絶望的な世界観、繰り広げられる壮絶な人間ドラマ、散りばめられた謎と衝撃的なストリー展開で多くの読者を夢中にさせてきた「進撃の巨人」は、

2009年から別冊少年マガジンにて連載が開始され、回を追うごとに熱狂的なファンを獲得し、コミックスは2巻までの累計のみで発行部数100万部を突破。

34巻までの全世界累計発行部数が一億部を超える大ヒット漫画となっています。

ヨーロッパ・アジアでのファンも多く、これまでにアニメ化やハリウッド版実写映画化が実現されるなど、日本のみならず世界規模で人気を獲得している作品です。

初連載ながら世界的大ヒット作品を生み出した諌山先生は、「天才」と称されることが多い漫画家さんですが、「進撃の巨人」が生まれるまでには様々な苦悩や影の努力がありました。

今回は、そんな諫山創先生の経歴や「進撃の巨人」が誕生するまでの経緯についてご紹介していきます。

動画版はこちら。(YouTubeも見に来てくれるととても嬉しいです。)

経歴

1986年8月29日生まれ、大分県出身。

幼少期から絵を書くことが大好きで、小さい頃に観た「ジュラシック・パーク」の影響から恐竜が好きになり、初めて描いた絵は「ティラノサウルス」だったそうです。

ちなみに、諫山先生が7歳の頃に描いた怪獣の絵がこちら。

恐竜の他にも「ゴジラ」や「ガメラ」といった特撮ものの映画を好んでよく見ており、この頃から巨大生物に対する「憧れ」や「怖い」といった感覚を持っていたそうです。

小学校の頃には、サッカークラブに入部するも、運動神経の悪さや周囲との体格差から「集団の中で劣っている自分」を意識し始め、強烈な劣等感を抱くようになります。

中学生の頃に、皆川亮二先生による「ARMS」を読んだことをきっかけに本気で漫画家を目指すようになり、高2年の時に、画材を使って初めて漫画を描いたそうです。

「何かを表現することへの恥ずかしさ」から親や友人に自身の作品を見せることはなかったものの、高3の夏休みには、初めて漫画を一本描き終え、それをジャンプの賞へと応募しています。

ちなみに、この時の作品ジャンルは「変身ヒーローもの」だったそうで、

結果的には、この作品は落選となってしまうのですが、諫山先生は、この時自分にかなりの自信を持っていたため、落選を知ったときは郵送の手違いで届かなかったんだと思い込もうとしたそうですね。

高校卒業後は専門学校九州デザイナー学院のデザイン学科へ進学。

その後すぐに漫画学科へと転籍し、周囲のレベルの高さに敗北感を抱きながらも、「描かずに悔いを残すよりはいい」と思いながら漫画を描き続けます。

そして19歳のころ、「人喰い巨人によって人類が絶滅寸前」というプロットを思いつき、ここから65ページの読切版「進撃の巨人」を完成させます。

その後、専門学校のプログラムの一環で出版社に作品を持ち込むことになり、そこで読切版の「進撃の巨人」がマガジン編集部に評価され、そのまま担当編集が付くことになります。

この時に作品を受け取ったのは入社1年目の漫画編集者で、プロとして漫画を読むようになって2カ月も経っていなかったそうですが、担当編集いわく諫山先生の作品には「どのページ、コマ、線からも強烈に訴えかけるものがあり、大げさに言うと「怨念」のようなものがあった」と振り返っています。

ちなみに、別の作品ではありますが、諫山先生は少年ジャンプにも2回ほど持ち込みをしており、ジャンプ編集者からは適切な指摘の他に「漫画」ではなくて「ジャンプ(に合う作品)」を持ってきてほしい」と厳しい意見を言われてしまいます。

これに対し諫山先生は、「何かに合わせて漫画を描くのは、自分が思う漫画を描く意味が損なわれてしまう。自分は漫画を描く作業がしたいのではない。好きなものを描いて遊びながらお金が貰えるのが漫画家の最大の魅力だと思っている。」と語っており、

この自分の信念を曲げてまで漫画を描くのは抵抗があったため、ジャンプに固執せずに他誌での漫画家デビューを目指したそうです。

マガジンに持ち込んだ読み切り版の「進撃の巨人」は、新人向けの月例漫画賞「マガジングランプリ」にて佳作を受賞。

諌山先生はこの報告を受けた時のことを「人生で一番嬉しかった」と振り返っており、この時に「漫画家になりたい」という夢が明確な目標へと変わったそうです。

デビュー~下積み時代

専門学校卒業後は、すぐに上京し担当編集と共に「新人賞受賞」を最初のゴールに定め、新作の漫画制作に取り掛かります。

諫山先生は当初から「画力不足」を指摘されていたため、漫画制作と並行して、担当編集からの指示で画力向上のために模写のトレーニングも始めます。

高校時代も模写は行っていたそうですが、当時は気に入った絵だけを模写していたのに対して、この頃はページ単位での模写に挑戦し、ここでコマ割りや効果線・効果音の位置などを学んだそうです。

ちなみに、主に模写していたのは、瀬尾公治先生の「君のいる町」や森川ジョージ先生の「はじめの一歩」で、この2つの作品は今でも影響を受けているそうです。

そんな努力の甲斐あって、

2008年「HEART BREAK ONE」で第80回週刊少年マガジン新人漫画賞特別奨励賞を受賞。

続く「orz」で第81回週刊少年マガジン新人漫画賞に入選し、これが「マガジンSPECIAL」にて掲載され、漫画家デビューを果たします。

「HEART BREAK ONE」の制作時には、「上手く話をまとめなければ、正確にコマ割りをしなければ」という「正しい漫画」を描く意識が強かったそうで、

この反省を元に「orz」では「もっとふざけていた方が良い、いい加減なキャラクターの方が面白い。正しい漫画が必ずしも魅力的な漫画であるとは限らない」という意識を持って漫画を描くようになり、新人賞の入選へと繋がっています。

進撃の巨人

その後、連載の話を持ち掛けられ、3つの新作プロットを考えましたが、担当編集から「昔描いた読み切り版の「進撃の巨人」を連載化できないか」との提案があり、

その場で「実はこういう設定も考えていた」といくつかの案を伝えたところ、正式に連載化が決定。

こうして2009年から「別冊少年マガジン」の創刊号にて「進撃の巨人」の連載がスタートします。

諫山先生は、「進撃の巨人」を思いついたきっかけとして、

・「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」という映画で毛むくじゃらの巨人が戦っているのを見てトラウマになり、いつか描いてみたいと思った説

・夢ででっかいものに追われると、足がもつれてうまく走れず、それがとても怖くて、その怖さを描いてみたいなと思った説

など、いくつかの説を挙げています。

また、「進撃の巨人」は「ジュラシックパーク」や「マブラヴ オルタネイティヴ」にも強く影響を受けていると語っており、

子供の頃に恐竜が人間をパクッと一口で食べてしまうシーンが強烈で、巨大生物に対する「恐怖」を感じたそうです。

「マブラヴ 」では、「巨大な地球外生命体によって人類が絶滅寸前まで追い込まれる」という設定が不気味で面白く感じたとのことで、

この他にも、「地獄先生ぬ~べ~」に登場する「人食いモナリザ」など、これら様々な作品から着想を得て、進撃の巨人は誕生しました。

ちなみに、作中で強烈なインパクトを残している「超大型巨人」の絵柄の参考になったのは「30秒ドローイング」という絵の練習支援サイトだったらしく、そこに使われている皮膚のない筋肉むき出し状態のモデル人形を見たときに、「これだ!」と感じたそうです。

絵の練習支援サイト「30秒ドローイング」

また、巨人の意思疎通ができないことにより滲み出る不気味さは、諫山先生がアルバイト中に経験した「泥酔した意思疎通のできない人間」に対する恐怖から着想を得て生まれたそうですね。

そんな進撃の巨人は、2009年から連載が開始され、全139話・全34巻で、2021年に堂々の完結。

圧倒的な絶望感の中で、未知の生物に立ち向かい自分たちの世界を取り戻そうとするストーリーに世界中の人々が魅了され、全世界累計発行部数が1億部を超える大ヒット漫画となりました。

2013年からはアニメ放送が開始され、立体機動装置を用いた巨人との戦闘シーンは非常に見応えがある映像となっていますね。

巨人が人間を喰らう絶望的な設定に負けない見応えのある壮絶な人間ドラマと圧倒的なストーリー展開により堂々の完結を迎え、「進撃の巨人」は不朽の名作となりました。

連載終了後

2021年に最終回を迎えた「進撃の巨人」ですが、諌山先生は次回作について、「過酷な連載に挑む決心がつくかは分からないがいつか自分もまた描くかもしれない」と語っています。

担当編集の方も「少なくとも、丸1年は打ち合わせもしないと思う」と話しており、諌山先生には、「描きたいものが出てきたら教えてください」と伝えた程度だということなので、しばらくはゆっくり休むのではないと想定できますね。

ちなみに、連載当時のインタビューでは、「いつかモラトリアムものを描きたい」と語っており、人生の停滞期の何もしないで寝てばかりいた頃の自分を描くのが夢だそうです。

また、2020年のインタビューでは、「次回作を描くとしたらブラックコメディ」との発言もありますが、どんなジャンルになるにしても、諌山先生の次回作が非常に楽しみですね。

まとめ

今回は「進撃の巨人」の作者として有名な諌山創先生についてご紹介しました。

長年の夢を見事に叶え、漫画家として成功をおさめた諌山先生。日本の漫画史に残る唯一無二の作品を生み出した諌山先生の次回作を読める日が来るのが、今から待ち遠しいですね。

最後までご視聴いただきありがとうございました。

またね。

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