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会社から不正請求しろと言われた経験から、対処法を考えてみた

こんにちは。
前回の記事で会社から不正請求の指示が出て、退職した話を書きました。


この実体験をもとに、会社から不正請求の指示が出た時の対処法を考えてみました。

もし、会社から急に言われて、どうしたらいいの?とお悩みの方、ぜひ一読ください。


結論


大事なことは2つです。

①とにかく録音する。

指示を受けたという証拠が、あなたを守ります。

iPhoneのボイスメモでも録音可能です。
使用時は必ず、マナーモード(消音モード)にしておきましょう。

Androidの場合は、簡単ボイスレコーダーをGoogle Playからインストールできます。

②相談する。ひとりで抱え込まない。

内容だけに、ひとりで考えていると、どんどん深みにはまり、思い詰めてしまいます。
とくに真面目な方ほど、守秘義務を守り、ひとりでどうにかしようとしていませんか。

守秘義務も大事ですが、不正を強いられている状況を客観的に把握し、今後を決めていくためにも、誰かに相談することをおすすめします。

大事なことは以上です。
これらをベースに、もっと掘り下げていきたいと思います。

録音編

悪いことしてくれなんて、だれも言わない。
だから慎重になろう。

不正請求の指示は、突然やってきます。
そして彼らは決して「不正請求をしてください」とは言いません。

そう、人は悪いことを指示する時、表面上は言い切りません。状況とこれからの行動を提示して、こちら側にそれとなく理解させます。

指示が出た時点で、
物分かりの良い方は、理解するでしょうし、
倫理観が強い方は、え?どうゆうこと?と
思考停止するでしょう。

だからこそ、慎重に対応します。

はじめは、具体的な返答はせず、一度話を終了させましょう。

いろいろ疑問や聞きたいことがあると思いますが、ここで話しても記録には残りません。
録音できる環境で、改めて話をする機会を作りましょう。

しかし例外的に、現場で有無を言わさず、スピード感命で、従うことを強いられる場合があります。その時は、お腹が痛いフリして、一度トイレにでも行ってください。それも無理なら、スケジュールを確認するフリをして、スマホを出してください。ボイスメモ(ボイスレコーダー)で、すぐに録音を開始しましょう。
(※マナーモード必須。無音で録音を始めましょう)


録音中は、バカになって質問しよう。

ボイスレコーダーの録音開始ボタンを押して、気合いを入れたら、いざ立ち向かいましょう。

「先ほどの(先日の)件なのですが...
よく分からなかったので、
もう一度聞いてもいいですか?」
と切り出し、改めて確認しましょう。

そして、ここで重要なのは物分かりの悪いバカになることです。

バカになって、根掘り葉掘り聞きましょう。

「つまりそれは...?」
「これは...?」
「といいますと...?」
と相手の発言を引き出しましょう。

そして、核心にせまります。

「間違っていたら申し訳ありません。
今まで聞いた話をまとめると、不正請求という認識になりますが、間違いないでしょうか?もし、そうだったら怖くてできないです...」
弱々しく聞ききましょう。

ここで大切なのは、相手を批判するのではなく、自分がそんなことするのは怖いという姿勢です。
(ここで攻撃すると、槍が飛んできます。)

すると、色んな反応が見られます。「これくらい、大丈夫だから」と丸め込もうとてきたり、めちゃくちゃ怒ってきたりしますが、冷静に対応しましょう。

指示された事実とその内容を録音できれば充分です。よく頑張りました。拍手。


相談編

守秘義務に反しない相談方法

とにかく、1人で抱え込まないこと。
なるべく指示が出た段階で、周りの人に相談しましょう。第三者の視点を取り入れ、思い詰め過ぎないようにするためです。

もちろん、職務上、守秘義務があるため誰にも話せない...となるお気持ちも分かります。
真面目な方ほど、理不尽な状況でも、ルールを守ろうという意思が働きます。

その場合は、こう伝えてください。

「法令違反の指示が出ていて、困っている。」

「細かいことは話せないが、従うか迷っている。絶対やりたくないのだけれど、断るのも怖い。」

法律に反した指示が出たことと、
それに対するあなたの気持ちを話すのは、
守秘義務違反には当たりません。(と思ってます。間違いがあったら教えてください)

具体的な相談先

①家族、パートナー

不正請求の内容ではなく、今後の生活に焦点を当てて相談しましょう。
ここで、退職や転職が可能なのか、収入が一時的に途絶えるもしくは下がったとして、どうやって生活していくのか、それらの可能性について話し合いましょう。
ここで、辞めても問題ないと分かれば、メンタル的にもだいぶ楽になると思います。

②友人

家族に相談できない場合は、友人に愚痴を吐く感じで、聞いてもらいましょう。

大事なことは問題を解決することではなく、やっちゃいけないことを強いられてる状況にいる事実を知ってくれている人がいるということです。
不正請求の指示を受けただけで、おそらく、想像以上のストレスを抱えています。とにかく、孤立しないこと。信頼できる人を頼りましょう。

③社内の人

社内で事情が分かり、信頼できる人がいれば、その方に打ち明けてみましょう。
ただ、不正請求が組織的なものだとすれば、あまり真剣には取り合ってくれないかもしれません。逆に、不正請求が単独による指示なら、話すことで好転的な状況になる場合もあります。

決断編

点ではなく、線で考える。

最後に、今後どうしていくのかを決めます。
ここで大事なことは、不正請求の指示に従う、従わないという狭い視点(点)で考えるのではなく、あなたが今後どう生きていきたいか、どんな人生を歩んでいきたいか(線)をベースに、今後の行動を決めることです。

①退職する

退職する場合は、その旨をお伝えしましょう。
その際、退職理由に不正請求のことを言うか、言わないか迷いますが、どちらでも構いません。

不正請求に加担することはできないことを明言すれば、後に何かあった際の自分を守る証拠になります(退職をお伝えする時も録音必須です)。
一方で、加担できないと明言することで、退職までの期間に意地悪をされたり、社内に居づらくなったりする可能性も否めません。
それはそれで、精神的に負荷がかかることなので、ご自分にあった方法を選んでください。

②説得する

不正請求をしない方向にできないか説得する方法です。
この場合は、不正請求をした場合に得られる金額としなかった場合の金額を比較し、その差を埋める合法的かつ現実的な代替案を提示すると良いでしょう(コストカットや新たなサービスの提案)。

また、不正請求が発覚した場合のデメリットも伝えましょう(場合によっては、刑事事件化する可能性があること。その結果により、社会的信頼を失い、会社が倒産するリスクなど)。

もちろん実際は、上司や経営陣は上記を考慮した上で、指示を出しているはずなので、難しいです。しかし、実現できれば、そのまま働き続けられ、一番精神的負担が少なくなる方法です。

③協力する

あなたのために絶対やって欲しくないです。
しかし、どうしてもこれを選ばざるを得ない場合、以下のリスクをもう一度確認してから、決めてください。

一回聞くと、エスカレートしていく
不正請求が一度で終わることはないと考えてください。むしろ、成功すると味をしめて、あれもこれもとエスカレートしていくと考えた方が良いです。

何があっても会社は守ってくれない
不正請求が発覚した場合のリスクも考えておきましょう。基本、会社や上司は守ってくれないと覚悟しておいた方が良いです。全責任を押し付けられて、泣き寝入りするしかなくても、誰も助けてくれません。

●前科がつくリスク
不正請求は犯罪です。
会社の一端の人間がやったことが、刑事事件化されるとは限りませんが、全くないとも言い切れません。その場合、有罪判決を受けて、前科がつくリスクもあります。

基本、従業員を大切にする会社(人)は、どんな事情があろうと、そんなお願いはしません。そんな人のために、あなたの人生をかけて協力する価値があるのか、よく考えて決断してください。

④内部通報する

録音や経緯をまとめた資料を基に、適切な窓口に相談しましょう。ただ、そもそも制度がない企業も多く、あったとしても機能していない所も多いでしょう。

⑤傍観する

不正請求から距離を置きながら、社内に残れる場合は、その道を検討しても良いかもしれません。


まとめ

以上、会社から不正請求の指示が出た時の対処法をお伝えしました。録音して、相談して、今後を決めていくのが基本的な流れになります。

不正請求は暴力だと思います。殴る側にどんな事情があるにせよ、いきなり殴られた方は、たまったもんじゃないです。
だから、声を上げて泣いてもいいし、自分を守っていいんです。ですが、実際はあまりにも急すぎて声も出ないし、とにかく生き抜くことに必死になると思います。
その時の指針として、この情報が少しでもお役に立てればと思い、対応方法を考えてみました。

この対処法は、今後もっとより良いものにしていきたいと考えています。そのため、足りない点や、もっとこうしたらいいんじゃない?というアドバイスを思いついた方がいらっしゃいましたら、ぜひコメントで教えてください。

最後になりますが、こんな暴力で苦しむ人が、ひとりでも少なくなることを願っています。


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