おかげ作りの綿がいかいふいた
百姓をしていた時、綿の作り立て、綿に肥をせずに作り。色は雨でれで、木は小出来な綿ができ。また、子供らが「うちの綿はふうが悪いから、肥をせい」と言うてまぜる(あれこれ言う)から。「そんなら、半分肥をせい。半分はおかげで作りてみい」と申した。
そしたら後には、肥をした分はまことに色のよい、腰きり(腰の高さ)の綿ができた。半分は、雨でれな、こまい木ができた。まことにこざかしい(小さく形の整った)ふき(綿の繊維)ができた。ふく段には、肥をした分はころころ(繊維ができない実)がふくなり。虫口あり。
おかげ作りの綿が、いかい(多く)ふいた。虫口の綿なし。まことに白いよい綿がふいて、肥したのより、おかげ作りの綿がいかいふいたから、午の年もそのとおりをしておかげを受けなされ。
米によらず綿によらず、おかげで作りたのは、先で俵に入れるときに違うなり。
金光教教典
303頁
斎藤宗次郎
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おはようございます。
「雨でれ」とは、雨に打たれたように勢いのない(でれでれした)綿の木の色のことです。
「いかい」とは、たくさんという意味です。
お百姓の頃の教祖様は、換金作物としての綿も作っておられました。
肥をして作った綿と神様のおかげで作った綿では、おかげで作った綿の方が白いよい綿がたくさんできた、というお話です。
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子ども達に神様のおかげで作った綿の良さを体験させておられます。
子ども達一人一人が、自分で納得して神様に向かっていくことを願ってられたからだと思います。
「家族を草紙にして信心の稽古をせよ」とありますが、まさにこのことかと思います。
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