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寄生

昔アニメで見た寄生獣が結構衝撃的で、空から降ってきた謎の生命体に身体を奪われ、人を食べていく様子に、ちょっとビビりながらもわくわくした覚えがあります。完全に乗っ取られることなく右手(腕?)だけ奪われた主人公・新一の悲しくもあり、たくましくもある生活を描いた往年の人気漫画ですが、心の動きを繊細に描いている部分もいいなと感じるところです。

道で犬が車に轢かれて「かわいそう」となるシーンで、新一は、まだ息があるうちは悲しげに見守っていた一方で、息を引き取った瞬間に態度を変え、片手で犬の亡骸を掴んでコンビニのゴミ箱に捨てます。

「もう死んだんだよ……死んだイヌはイヌじゃない。イヌの形をした肉だ」

そう言い放つこの場面は、どちらかと言えば弱虫で臆病だった新一の内面の変化を表す特徴的なシーンだったと思います。「犬の形をした肉」って、なかなか鋭い言葉...。

ちなみに、寄生獣のタイトルロゴって、ゴシック体に楷書体が被さってて寄生を示唆するようなつくりになってるみたいですね。単純だけど、奥深いです。

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この土日に、「パラサイト」見てきました。また違った意味での「寄生」を描いている話題の映画ですが、とっても面白かったです。

はじめは韓国語の音声がどこまで気になるか不安でしたが、まったく心配ご無用で内容もバッチリ頭にはいってきました。いくつか気になった所と言えば、全員無職の貧乏家族のはずなのに妹の髪色が綺麗な茶髪過ぎるところと、ある日の昼ご飯の場面でどこかわからない謎の食堂でめっちゃご飯を食べていたところですね。あれは日本で言う炊き出し的な感じなのか、忍び込んで勝手に食べてたのか...。劇中では運転手の食堂みたいなこと言ってた気がしますが、「あれ?」と思ったときには次のカットでした。韓国文化みたいなのも垣間見えて良かったです。

普段映画を見るときはなるべく真ん中エリアの席がいいと思ってるのですが、今回はすでに予約でいっぱいでした。仕方なく別の所を探して、最後列の一番左端を予約。札幌シネマフロンティアの5番スクリーンは最後列だけ足下ゆったり広々なので、かなりのびのび過ごせたのと、隅っこということもあって壁に頭をもたれながら映画を見ることもできてすごく良かったです。今後の映画はずっとあの席がいいです。

人間誰しも、何かに「寄生」して生きているものだと思いますが、半地下の生活にならないように、あくまで自立していたいものですね。

よい子には見せられないシーンの「時計回り」の台詞が好きです。ぜひ、劇場で!



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