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ステージの上で

私は「役者」である。一流ではない。大根である。芝居は一日といって同じ演技をする人はいない。登場人物は毎日変わり、セリフも変わる。その日によってさまざまな変化を見分けなければならない。例えば、登場人物の「機嫌」、心情の「変化」などである。一秒でも遅れたり、一瞬でも間違えればその登場人物は自分の「芝居」ができなくなる。

取り返しはつくのか、それは脇役の腕にかかっている。いかにその場を楽しませるか、臨場感を出すか。時には怒り、悲しみを大々的に表現する。そしてまた、芝居はつながる。

後戻りのできない芝居はスリルと感動を一度に味わう。時々主人公は私に変わり、ある時はまた脇役になる。登場人物が欠けたり、二度と会うこともないということも存在する。

そのステージは一度きり。さあ今日はどんなステージになるのだろうか。
今日も後戻りのできない一度きりのステージの幕が上がる。

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