NPO活動体験プログラム【NPO法人森遊会】
北九州市市民活動サポートセンター いちろーです。
11月23日 勤労感謝の日にNPO法人森遊会さんのNPO活動体験プログラムが実施されました。
天気予報は雨でしたが、雨が止むこともあり、屋内・野外と使い分けて行いました。
秋から冬への季節の変わり目なので、天気が目まぐるしく変わるのは仕方ないですね。
オリエンテーション
10時に活動場所の高蔵山森林公園駐車場に着いた時点では小雨でしたので、オリエンテーションは、森遊会さんが使っている倉庫まで徒歩で移動して行うことに。
移動の途中、代表の井上さんより公園内に自生する樹木の説明を受けながら倉庫に到着。
オリエンテーションでは、まず、団体の活動内容の他、日本の林業と森林インストラクター等について説明がありました。
日本の林業
戦後の復興等で木材需要が急増した日本では造林が急務となり、
里山の雑木林や原野がスギやヒノキなど針葉樹中心の人工林に置き換えられました。
スギの植林は、花粉症の元凶ですね。
苗木を育て植林してからは、雑草の下刈りや除採を行い苗木の成長を見守ります。
特に、幹に巻き付く植物のツルを切って取り除いたり、木の余分な枝を切り落とすことは、太く真っ直ぐな木材になるため必要なことだそうです。
数十年に渡り木を育てるという息の長い事業です。
しかし、木材の輸入自由化とともに日本の林業が衰退し、十分な手入れが行き届かなくなりました。
その結果として、台風や豪雨による大規模な山崩れを起こすような土砂災害が発生しています。
森林インストラクター
井上さんを含め、団体の会員さんが取得している森林インストラクターについても説明がありました。
森林インストラクターは、森林を利用する一般の人に対して、森林や林業に関する適切な知識を伝えるとともに、森林の案内や森林内での野外活動の指導ができる資格だそうです。
学生時代にワンダーフォーゲル部に所属し登山を楽しんだ井上さんですが、
林業の衰退と同時に登山道も荒れていくことが気がかりになったそうです。
そんな時に森林インストラクターという資格があることを知り、4回目の受験で資格を取得しました。
一次試験では、「林業」や「森林内の野外活動」など複数科目の試験があって、二次試験は実技と面接があり、なかなか難しそう。
ですが、地域の自然を守っていきたいと思う井上さんには、打って付けの資格だったのですね。
ツル採り
森遊会さんのNPO活動体験プログラムの現場体験の内容は、森遊会主催の小学生を対象としたクリスマスリースづくりのサポートです。
木々の成長に有害なツルを採って、クリスマスリースに活用しようとする取り組みです。
この日は、クリスマスリースづくりの事前準備として、公園内のフジやアオツヅラフジ、ムベなどのツルを採りを体験しました。
井上さんから、採りやすいツルの太さや見分け方などの説明を受けました。
ツルを切る際の剪定鋏の持ち方や、切ったツルが飛び跳ねる方向などに注意するなど安全についても説明がありました。
公園内の樹木や草花の名前や特徴について、とても詳しい井上さん、
若いころは山の頂上を目指すことだけが目的でしたが、周りの樹木や草花を知ることが目的に変わり自然を観察することが楽しみになったそうです。
リースづくり
リースの土台となるツルの巻き方ですが、ツルを4~5メートルに切り、根本のほうから巻いていきます。
巻く時は、ツルの形状に逆らわないように巻き、途中から反対に巻くこと。
最終的に、巻いたツルの間に先端を入れ込んで止め、不要部分は剪定鋏で切ることなどの説明がありました。
リースの飾り付け
土台が出来上がったら、ドングリなどの木の実を、樹脂を熱で溶かして接着するグルーガンを使って、リースの飾り付けです。
参加者の皆さんは、井上さんが用意してくれたたくさんの木の実に感動し、飾り付けに没頭していました。
自分で作ったリースの出来上がりの良さにそれぞれ感動していました。
グルーガンで溶かされた樹脂は高温なので指先を火傷しないよう十分に注意するなど、作業の際の大事なポイントなども説明がありました。
現場体験に向けて
時折小雨が降る日でしたが、参加者の皆さんそれぞれ熱心に準備体験していただきました。
11月27日に、小学生のその保護者を中心とした20名ほどの参加者を交えて、ツル採りからクリスマスリースづくりまでのサポートを現場体験として行います。
参加者の皆さんは、今回のオリエンテーションと事前準備で、参加する子どもたちが楽しんでもらうための準備と、安全にすごす為の気配りの両輪の大切さが学んでいただけたことと思います。
高蔵山森林公園は行政が管理している公園ですが、井上さんなどの地域の自然を愛する方々のおかげで維持・整備されていることにも気付かされる1日でした。
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