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「レンズ沼の歩き方」レンジファインダー用広角レンズの〈色被り〉

 ミラーレスカメラで発生する「色被り」現象をご存じですか?レンジファインダー用の後玉が飛び出した広角レンズをフルサイズのミラーレスカメラで使用するとイメージサークル周辺部分が「マゼンタ色」や「シアン色」に変色する場合があります。どちらの「色被り」も体験しました。 
 オールドレンズ、特にレンジファインダー用の中古広角レンズの購入を考えている方の参考になればうれしいです。

 フィルムカメラでレンズ沼にハマった私は、M型・スクリューマウントライカ用広角レンズもいろいろ持っています。

後玉が飛び出しているSUPER-ANGULON 1:3.4/21mm  /  Biogon 2.8/21T*

 フルサイズセンサーのCanon RPを購入して、早速マウントアダプターでこれらの広角レンズを使ってみました。画像の長辺側の外周部がファインダーで見てもマゼンタ色になっており、撮影画像でもマゼンタ色に変色していました。
 ネット等で調べたところ「マゼンタ被り」と言われる現象であることが分かりました。センサーとレンズの入射光線角度の関係でこのような現象が起こるようです。「マゼンタ被り」が発生した後玉が飛び出した手持ちの広角レンズは、下記の表1.の通りです。カメラはCanon RP。使用したマウントアダプダーは、K&F社製 KF-LMRF でした。

表1.「マゼンタ被り」発生レンズ

 レンズメーカー側でも「色被り」の発生を認識しているようです。例えばSUPER WIDE-HERIAR 15mm F4.5 Aspherical III では、『デジタルカメラ特有の撮像素子の構造に起因する周辺部の色被りを解消すべく、センサーへの入射光線角度を最適化した光学設計を採用。』とコシナのHPに書かれています。
 Nikon Zfを買い足した時も、旧タイプのレンズでは「マゼンタ被り」は仕方がないとあきらめて検証はしていませんでした。今回、この記事を書くために改めてNikon Zf でも確認しました。「マゼンタ被り」は発生しませんでしたが、白壁などを視野外周部に配置すると若干の「シアン被り」が発生していました。被写体が白以外の場合は、それほど気にならない程度です。

図.左端に「シアン被り」が発生した画像  SNAPSHOT-SKOPAR 25mm F4 / Nikon Zf 
表2.「シアン被り」発生レンズ

 フルサイズミラーレスカメラでの使用を前提にレンジファインダー用の後玉が飛び出した広角レンズを購入する場合、実際に使われるカメラで「マゼンタ被り」「シアン被り」がどの程度発生するか確認されることをお勧めします。


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